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カプコン、TOKIOの松岡昌宏氏をCGとフルボイスで完全再現 |
価格:未定
今回公開されたフルCGの松岡昌宏氏 |
「玻璃ノ薔薇」は、新米新聞記者の影谷貴史が、一家連族殺人事件の未解決事件の調査を始めるところからスタートする。ある時、この事件の現場を訪れたとき、彼は昭和4年にタイムスリップしてしまう。その現実とは違う虚構感の中突然、心の中の断片を垣間見ることができる特殊な能力を身につける。この力を使いながら、未解決事件の謎に迫り、現代に戻るまでを描く。
発表会の席上に出席した執行役員 第三開発部 部長の三並達也氏は「カプコンはこれまで数々の挑戦を行なってきたが、今回もまた新たな挑戦を行なう。これまで多くのホラーゲームを作ってきたが、他の作品とは違う、心理的な恐怖を描く」と、「バイオハザード」などとは違った恐怖がテーマとなっていることを強調。
主人公の特殊能力である“心の中が見える”点に関しては「人の心を覗いてみたいと思う。もし例えば、笑いながら話している目の前の人の心を覗いたとき、実は自分のことを殺そうと思うぐらい憎んでいるかもしれない。その時、覗いた側はどう思うのだろうか」と語り、この作品で、人の心の奥深いところに潜む心理的な面をテーマに据え、ゲームとして描いていくつもりのようだ。
またグラフィックについても「フォトリアリティなものが主流だが、今回はアールヌーボーのような絵画調のものに挑戦した」としており、これまでとは違った雰囲気を目指しているようだ。公開されたムービーを見たところ、鮮やかな色調と、昔の映画のフィルムを思わせるノイズ (古い映画のフィルムを再生したときに現われる“雨”と呼ばれる縦線のノイズ) が現われるシーンがあったり、昭和初期の雰囲気をうまく再現している。鮮やかな色調だが、決して派手ではなく、色彩設計などにもかなり気を遣われているようだ。
そしてなんと言ってもこのゲームの一番の魅力となるのが、松岡昌宏氏が出演している点と言える。三並氏は「このゲームは物語重視の作品なので、演技力が問われる。このドラマを表現する上で、誰にお願いするのがいいかずいぶんと話し合ったが、やはり松岡さんしかいないという結論に達した」と説明。
発表会に出席した主演の松岡昌宏氏は「ゲームへの出演は、未知の経験をたくさん体験した。これまで開発が進められてきたが、 (TOKIOの) メンバーをはじめ一切口外できなかったが、やっと発表できるときがきて嬉しく思っている」と挨拶。
俳優活動も忙しい松岡氏だが、ゲームにおけるモーションキャプチャーによる演技は、これまでとはまた違った難しさがあったという。例えば何もないところで演技をしなければならず、松岡氏いわく「舞台稽古に近いイメージ」だったという。そんなこれまでにない体験だったが、同氏によれば「何もないところでも、スタッフがケアしてくれた。ひとつの作品として捉えて表現できた」と満足のいく仕上がりになったという。
このほかにもこの作品について「薔薇は好きなので初めにタイトルを聞いたときに、「玻璃ノ薔薇」ということで、それだけでゴキゲンだった」とコメントし笑いを誘った。また初めてみたムービーの感想として「まるで映画ですね!」と驚きの表情で語っていた。
三並氏によれば「ゲームの開発は順調に進んでいる。今回公開されたグラフィックは開発中のものなので、まだまだ良くなる」ということで、秋にはカプコンの新たなる挑戦作が我々の前に姿を現わすことだろう。
カプコンの執行役員 第三開発部 部長の三並達也氏。「今回も新しいチャレンジを行なっている」と挨拶 | 松岡昌宏氏によるモーションキャプチャと、フルボイス収録により、「松岡昌宏氏を完全再現」 |
【スクリーンショット】 | ||
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「玻璃ノ薔薇」でカプコンは、絵画調のグラフィックに挑戦している |
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
(2003年2月21日)
[Reported by 船津稔]
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