|
おもちゃだけじゃない……総合エンターテイメントへ突き進む |
開催場所:東京国際フォーラム
コナミ株式会社と株式会社タカラは共同で新春の製品発表会「2003 コナミ・タカラ 新商品合同発表会」を開催した。21日と22日はコナミとタカラによる業界関係者、およびマスコミ関係向けの発表会。23日はタカラだけとなるが、展示内容を一般にも公開する。開催場所は東京国際フォーラム。
今回の傾向としては、おもちゃがより一層高性能化する一方で、おもちゃだけにとらわれない、生活に根ざしたより広い意味でのエンターテイメントへの指向が強くなってきたという感じだ。生活を楽しむ上でちょっと楽しめる商品がウケていると言うことだろう。もちろん低年齢層向けのおもちゃも多数出展されている。こちらはコミックやテレビアニメとの連動なくしては商品が成り立たない勢いで、版権ものがズラリと並んだでいた。
注目したいのは、タカラのフィギュアとゲームボーイアドバンスソフトやおもちゃとの融合を図った新企画や、コナミのMICRO iRの今年度の新規展開、e-karaとゲームの融合などだろう。
■ 「MICRO iR」次なる展開を続々発表
コナミの超小型赤外線技術「MICRO iR」を巡る今年の商品展開が発表された。会場に並んだラインナップは「鉄道 (デジQトレイン)」、「戦車 (コンバットデジQ)」、「F1 (デジQフォーミュラ)」。そしてタカラの「車 (デジQ)」だ。これら以外に大きなカテゴリの追加は見あたらなかった。逆に言えば、2002年の発表会ではタカラが潜水艦を出展していたが、未だ発売されない上に今回は出展されていないようだった。しかし、この冬発売された「デジQ-R」が好調であったため、従来のシリーズも好調な販売を記録しているという。
今回の展示会でも新フィーチャーは満載だ。まずは「デジQ」だが、トレーラータイプが登場する。大きさ自体はこれまでのシリーズと変わらないコンパクトさ。車のデザイン自体がコロッとしたイメージがあるため、なんとなくかわいらしい。しかし、細かいところを見ていくとやはり「デジQ」シリーズ。しっかりした作りとなっている。6月発売で5,980円。
また、コナミは今年、大きな周辺機器の発売を計画しているようだ。それが「MICRO iRサウンドシステム (仮称)」だ。これは音声出力とスピーカーを一体化させたユニットで、サウンドチップをセットすることでデジQトレイン、コンバットデジQ、デジQフォーミュラなど各乗り物の音を再現するというもの。例えばデジQフォーミュラであれば、MICRO iRで信号を受信し、各マシンのエンジン音の違いを再現したり、デジQトレインであれば、電車の走る音だけでなく、ポイント通過や踏切の音なども臨場感いっぱいに再現できるという。音による効果は人間にとって大きいので、これまで以上にデジQの世界に入り込める、ユーザーにとっては必須アイテムになるのではないだろうか。
また、2002年秋に発売され、銀座で先行販売されたときに行列までできた「コンバットデジQ」。2003年6月にはついに砲塔旋回を実現するという。これまで砲塔は固定で動かなかったが、より戦闘の幅が広がることになる。砲塔の回転は車両正面を中心に左右各60度。計120度の回転が行なえる。操作方法は、車両に付属して付いてくるROMをプロポにセット。コントローラのスイッチをオンにし、コントローラ左の射撃ボタンを押しながらスティックを操作することで回転する。
このほか、「鉄道 (デジQトレイン)」では新車両の発売や高架路線の登場、「デジQフォーミュラ」でも新車種の導入が検討されている。今年も目が離せないことだろう。
■「e-kara」新展開!! 今度はアニメとタイアップで
カートリッジにゲームを収録
これまで家庭用ハンディカラオケ市場で圧倒的ともいえる強さを誇っていたタカラの「e-kara」。だが、このところバンダイの「カラオケステーション」が好調なだけに、なんとか新しい展開が欲しいところだろう。
そんな中、今回大きな動きがあった。基本的に本体ハードウェア的には違いはないのだが、カートリッジにゲームを搭載することでカラオケとゲームを融合した新しい展開を開拓したのだ。従来のe-karaでも遊ぶことができるが、よりゲームを遊びやすくするためキー配列を十字キー仕様にするなどゲームがプレイしやすく配慮された新機種「e-pitch」も発売される。
ゲームも収録されたe-karaカセット「ぴちぴちピッチvol.1」には、4月から発売されるテレビアニメ「マーメイドメロディぴちぴちピッチ」の主題歌などが収録されるほか、ゲームを楽しめる。ゲームは食材を集めるミニゲームなども収録されているが、なんと言っても重要なのはカラオケバトルだろう。街を歩いていると敵が登場する時がある。するとカラオケ画面に入り、カラオケで歌を歌い最後に点数が表示される。点数が高ければ敵をやってけることができるという。
今後も同種類のカセットをドンドン発売していくという。ひとつ残念なのは新機種の「e-pitch」が、従来の「e-karaN」より機能的に劣るというところ。テンポ切り替えやエコー切り替え、ボイスエフェクト切り替えなどの機能を使用することができない。こういった点はユーザーの目的で選ぶことになるだろう。今回のアニメとのタイアップはe-karaが改めて低年齢層をターゲットとして重視しているということだ。そういった意味ではアニメとのタイアップは大きな武器となるだろう。
新しくゲームを収録したカートリッジは従来のe-karaでもほとんど利用できる。しかし新機種の十字キーを配した「マーメイドメロディーぴちぴちピッチ」でやればやりやすいと言う。しかし逆に通常のe-karaから機能的に削られた部分も多く、どちらを選ぶかはちょっとした悩みどころか |
■ 総合エンターテイメント指向を強めるタカラ
生活を楽しめるグッズが満載
最初にも書いたようにおもちゃともゲームとも関係ない、いわゆる“エンターテイメント”系のガジェットが多数出展されているのが特徴的だ。これまでにも何度か紹介してきたチョロQ型のMP3ミュージックプレーヤーはほぼ完成版が出ているほか、エレコム製の超小型チョロQ型マウスなども6月に発売される。携帯電話のイヤホンジャックに接続すると、携帯電話がテレビのリモコンに早変わりする「iRチョロQ (仮)」なども出展されている (これは、携帯電話の数字キーをリモコンのキーとして使うという単純なもの)。
さらに生活に根ざした部分で癒やしや楽しさ、コミュニケーションなどを提案していくシリーズとして「NEWハーティ」を提案している。こちらでは自律型の自動掃除機「ルンバ」を3月に発売することが明らかになったほか、チワワを模したコミュニケーション型のロボット「チーワン (6月発売)」や、振動センサーを搭載し息づかいを再現したという「スイートドッグ 仔犬のうたたね (3月発売)」などが展示されている。
また、このコーナーで展示されているアトムも後々商品化する予定なのだという。
このほかにもコナミのめんこスタジアムのイメージキャラクタが杉浦太陽さんに決定したことの発表や、カルソニックレーシング仕様のQカーなどが公開されていた。
(2003年1月21日)
[Reported by 船津稔]
GAME Watchホームページ |
|