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VEIL INTERACITIVE TECHNOLOGIESが、GBAとSDカードを使った |
会場:Las Vegas Convention Center、他
2003 International CES(以下、CES)展示会場内にあるSDカードパビリオンでは、VEIL INTERACITIVE TECHNOLOGIESによる、ゲームボーイアドバンス対応のゲームと、テレビ映像を利用したインタラクティブ技術が展示されている。
行なわれているデモの内容は、テレビ映像から得られる情報によって、ゲームボーイアドバンス上のゲームの進行とその内容が変化するというもの。デモでは、ロボットもののテレビアニメのビデオ映像が使われていて、決まったシーンになると、テレビ画面上のキャプションで、「君も一緒に戦ってくれ!」とか「助けてくれ!」といったニュアンスのメッセージが表示される。
この時、受光部の付いたゲームボーイアドバンスを操作することで、そのシーンに合ったゲーム画面が表示され、テレビの主人公などと一緒にその敵を倒すという仕組みだ。情報の伝達はテレビ画面からゲームボーイアドバンス側への一方通行で、ゲームプレイの結果によって、テレビ側のストーリーに変化が発生することはない。
他に、CMに入る前のアバンタイトルと一緒にクイズが出題され、CM明けの正解表示画面で正解であると、ゲームに新しいフィーチャーやステージが加わるような仕掛けもあり、テレビ放送上の商業的な要素も視野に入っている。いずれも、テレビ映像に含まれている画面上の信号をゲームボーイアドバンスに接続している周辺機器の受光部で感知することによって、ゲームにインタラクティブ性を与えるというものだ。
試作品である周辺機器はゲームボーイアドバンスの拡張ポートに接続。機器の内部にはSDメモリカードスロットがあり、そこにタイトルごとのインタラクティブ要素を記憶させたSDメモリカードを装着する。ゲーム自体は通常のカートリッジが利用されていて、拡張ポートから得られるゲーム画面の変更や新しいステージの追加などのトリガ情報に応じて表示されるステージや敵が変わるわけである。
デモンストレーションはテレビアニメとゲームで行なわれていたが、技術自体はスポーツ中継やドキュメンタリー番組などでも応用できるものと紹介されている。元々、SDメモリカードのScure Digital Input/Output(SDIO)の機能を生かしたテクノロジーとしてこのSDメモリカードパビリオンで紹介されているものなので、ブース内ではPalmデバイスを使って、KINO(ラスベガスのギャンブルのひとつ。ナンバーズのようなもの)の当たり番号をテレビ画面から取得するデモも行なわれていた。
もちろん、ここで行なわれているのはテクノロジーデモで、具体的に製品化が決まっている内容ではない。テレビ放送との連携ということで、ゲームメーカー単独で実用化できるものではないが、今後も注目しておきたい技術のひとつと言えそうである。
(2003年1月14日)
[Reported by 矢作晃]
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