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「ベストセラー本ゲーム化会議」発刊記念イベント開催 |
先日、原書房から刊行された「ベストセラー本ゲーム化会議」。米光一成氏、麻野一哉氏、飯田和敏氏というゲームクリエイターによって編み出された、ベストセラー本をゲーム化したらどうなるかといったこれまでにないゲーム本だ。この本の発行を記念して18日、新宿ロフトプラスワンで三氏を中心としたイベント「ゲームクリエイターになる方法」が開催された。
このイベントで何よりスゴイのが、イベント開催中の4時間でゲームを作ってしまおうという企画。ゲーム化するのは森昭雄氏の「ゲーム脳の恐怖」。この本ではゲームを遊びすぎることで「キレる、暴れる」といった性格になると提言。その予防法も含めて書かれている。この本についてまずはブレインストーミングが行なわれ、飯田氏、麻野氏、米光氏からそれぞれどのようなゲームにしたいかという案が出される。
飯田氏は、「横スクロールアクションシューティングにしたい」と提案。各面の最後に控えるのは有名なゲームクリエイターで、途中出てくる敵もゲームを作っている人達……といった内容。麻野氏は「脳波を操るインターフェイスを使い、ノーマル人間脳になれば点数が高いという逆説的なゲーム」を提案。最後に発言した米光氏は「お手玉脳の恐怖」と題した企画を提出。この本ではゲーム脳になるとお手玉をすればよいと言われているため、その昔はやったゲームウォッチのようなゲームで、お手玉をするというゲームではどうかと言うことになった。この提案が最終的に通り、肉付けとして、 (ゲーム脳なので痴呆になっているため) プレーヤーはよだれを垂らしていて、常に上キーでよだれを挙げなければならない。よだれが下まで達した時点でゲームオーバーとなる……といった要素を追加。ここでグラフィックの発注を行ない、なし崩しにプログラムなどの開発に突入した。ちなみにこの間約45分間!!
このあと、麻野氏の「街」が映し出され当時を振り返る企画がスタート。実写映像がメインになっているため、普通のゲーム制作の現場にはないフィールドワークが発生したことが面白かったと麻野氏は語った。このあと飯田氏、米光氏が順に自分たちの作ったゲームの制作時の苦労話などを語っていった。
その後、休憩を挟み後半がスタート。後半ではゲストの伊藤ガビン氏が登場。いきなり「『風水先生』がトラウマになってまだゲームを作っている」と爆弾発言。これには飯田氏も同調し、「やり残したことがあるから作る」と続けた。
ガビン氏は現在Xboxで「戦場の出前持ち」を制作中だ。相変わらず「パンダは出てこない」とか「戦場も出てこない」と語りながら「でも、気が弱いから出しちゃうでしょうね」とうまくはぐらかしていた。とにかくゲーム制作に関しては順調なようで、ガビン氏によれば「スケジュール通り進んでいる。『動物番長』のスタッフがかなり入っていて、あちらがかなり遅れたので、今回ははじめからマキが入っていてスゴイ勢いで進んでいる」とか。
伊藤氏を交えてのトークが進んでいるといきなりステージに引き出されたのが、ウェーブマスターの牧野幸文氏。現在制作中の「ニュールーマニア ポロリ青春」について、いくつか答えていた。「ルーマニア」の“覗く”というシステムについては、「スタッフのひとりが『覗きサイトって面白い。これをゲームにできませんか』という提案があり、そこでゲームができた」と明かした。ここで著者三人がつっこんだのが「ふつうは女の子を覗くよね」という点。これは発案者が女の子だったため、男を覗くと言うことになったのだという。「ニュールーマニア ポロリ青春」ではこのことをふまえ女の子も登場することになる。
ここで最後の最後にデータの受け渡しが行なわれ、ゲームが完成!! 残念ながらバグが発見されたが、かなりの完成度のものができあがった。後々ホームページ上に掲載されるという。
(2002年10月21日)
[Reported by 船津稔]
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