価格：未定

　マイクロソフト株式会社は、16日より東京ビッグサイトにて開催されているWPC EXPO 2002において、年末発売予定の新製品3タイトルを発表した。出展はマイクロソフトブースとは別に用意された専用ブースで行なわれ、ほぼマスターに近いバージョンを使った試遊台を5台前後ずつ設置し、背広姿のビジネスマンを中心に活況を呈していた。本稿では取り急ぎ本日行なわれたプレス発表会の模様と、3タイトルの概要を紹介する。同日午後より行なわれた開発者インタビューの模様は17日以降に掲載する予定だ。

Ensemble Studiosの顔として有名なBruce Shelley氏。「Age of Empires」シリーズ通算の売上本数は1,000万本にも達するという

コレクターズエディション同梱物一覧。いちユーザーとしては大判のテクノロジー表が嬉しいところ

　発表会では、同社の全PCゲームを担当しているホーム&リテール製品部プロダクトマネージャの風間彩氏の司会進行により、新作の概要説明と盛りだくさんのマーケティングプランが公開された。ちなみに今回発表された「Age of Mythology」、「Combat Flight Simulator 3」、「RalliSport Challenge」の3タイトルの発売時期はいずれも年末で、価格は未定。場合によっては複数タイトルの同時発売も検討しているとのことだ。

　同社が今期のイチオシとしたのは、Ensemble Studios3年ぶりの新作「Age of Mythology」。会場にはESの顔としてすっかりお馴染みになったシニアゲームデザイナーBruce Shelley氏も激励に駆けつけ、満面の笑顔で作品の魅力について語ってくれた。余談だが同氏は、今日と明日の終日、国内各メディアのインタビューに応じ、明日の午後5時半からは、秋葉原アソビットシティのイベントにも出席するなど超多忙の身。10月15日のマスターアップには立ち会えなかったそうだ。

　さて、話を戻すと、同作のプロモーションの一環として、日本では初めてとなる「コレクターズエディション」の発売が明かされた。コレクターズエディションには製品CD-ROMのほか、サウンドトラックCD、メイキングDVD、大判のテクノロジーツリー/ユニット表、ゲームマニュアル、Mythology Book、フィギュア、ムービーポスター、カードポスターが同梱される。

　上記のうち、西洋神話を解説したMythology Book以外はすべて日本語仕様で、メイキングDVDについては吹き替えおよび字幕が施されるという凝りよう。同社の同作に掛ける期待ほどが伝わってくる。発売時期は通常版と同時で、オンライン予約のみ、5,000本限定で販売される。予約開始時期、価格等の情報については10月末に発表される予定だ。

　残る2タイトル「Combat Flight Simulator 3」と「RalliSport Challenge」については、ともにフォースフィードバック対応ということから、ゲームデバイスとの共同キャンペーンの実施を予定しているという。詳細は発売日のアナウンスと同時になるという。

　また、発表会の最後には「Age of Mythology」と「Combat Flight Simulator 3」の発売を記念し、前作のメーカー出荷価格を40から50％値下げするという発表もなされた。対象となる製品は「Age of Empires II」関連製品と「Combat Flight Simulator 2」で、パッケージ内容などは通常流通版とまったく同じとなる。同社らしいユニークなキャンペーンだ。それでは、以下では各ゲームの概要を説明していこう。

発表会では、メイキングDVDの一部も公開された。またCFS3コーナーの裏にはひっそりと松本零士氏のイラストが公開されていた。イラストはCFS3のプロモーションに使用される

　「Age of Mythology」は、いまや同社を代表する人気シリーズとなったEnsemble Studiosのリアルタイムストラテジー最新作。神話の世界をモチーフに、北欧、ギリシャ、エジプトの三つ巴の戦いを描く。従来の通常ユニットに加え、神話を彩る英雄を始め、通常ユニットを圧倒する能力を備えた神話ユニットが新しく登場し、RTSの戦術に新たな深みを加えている。

　最大の特徴はフル3Dのグラフィックエンジンを採用したことにより、ビジュアル面のグレードアップに加え、演出面でも格段の質的向上が図られているところで、通常ユニットを爆風で吹き飛ばしたり、掴んで投げ倒したり、ゴッドパワーで天変地異を起こしたりなど、従来作品では考えられなかった多彩な戦闘処理が大変魅力的だ。

　シリーズ初となる飛行ユニットも登場し、シングルプレイキャンペーンは全35本を収録。RTS新時代の幕開けを予感させる充実した造りに仕上がっている。

【Age of Mythology】

シングルプレイ、マルチプレイともに格段の強化が図られた「Age of Mythology」。開発秘話盛りだくさんのインタビュー記事は17日に掲載する予定なのでお楽しみに

　「RalliSport Challenge」は、もともとXbox向けに開発されたラリーレースシミュレータだが、Xboxそのものの売り上げが不調だったことから急遽PCへの移植を決めた同社久々のレースシミュレータ作品。E3で初めてPC版を発表出展し、年末に発売するという手際の良さはさすがはマイクロソフトといった印象である。

　E3発表当時は、Xbox版をPCモニタに丸写したようなベタな印象が強かったが、本日出展された最新版では、PC向けの改良をどこかしこに感じさせる見違えるような内容に仕上がっていた。解像度の変更、マルチプレイへの完全対応、フォースフィードバックへの対応などは当然として、解像度アップに対応してテクスチャ解像度の向上も図られていたのは嬉しい誤算だった。ざっとプレイした感じでは、コース上に点在する細かいオブジェクトにも手が加えられているようだ。

　もともとリフレクション処理、コリジョン処理、3Dモデルで描かれた観客など、ラリーレースを構成する細部の要素に徹底的にこだわった作品だったが、これらに加えPCならではの改良が加わったことにより、堂々たる大作ラリーレースに仕上がった感がある。それだけに要求スペックもやや高め(Pentium 4 1.4GHz以上を推奨)となっているが、ラリーレースファンにとっては要注目の作品だろう。

【RalliSport Challenge】

E3当時に比べ格段の進化を遂げた「RalliSport Challenge」。マルチプレイは最大4人まで対応。車は正式ライセンスを受けた29車種を収録

　ついにシリーズ20周年を迎えた「Flight Simulator」の姉妹シリーズ「Combat Flight Simulator」の最新作「Combat Flight Simulator 3」は、ブースのもっとも目立つ位置に試遊台を設置。戦闘機を飛ばして機銃で撃つという明快なコンセプトは、日頃ゲームをプレイしないビジネスマンにも伝わりやすかったようで、初日一番の集客ぶりだった。

　人気の秘密は、機体の制動をそのまま体感できる可動式のシートによる体感機にもあったようで、MatroxのPerhelia-512を使った3画面同時出力による映像にも注目が集められていた。

　ゲーム内容は、'43年から'45年までのヨーロッパ戦線後期の航空戦を丸ごと盛り込んだコンバットシムで、史実同様の空前絶後の航空戦が堪能できる。戦闘機対爆撃機、レシプロ機対ジェット戦闘機、試作機対試作機などなど、ミリタリーファン垂涎の対決が楽しめるところも見逃せない。

　最大の特徴は、同社がダイナミックキャンペーンと呼ぶ、大規模キャンペーンシステムの採用。キャンペーンの最初に視力、耐G性、最大体力といった性能を備えたパイロットを作成し、戦場や航空機を変えつつ、中盤から後期を戦い抜いていくことができる。戦功を上げると各種ポイントが獲得でき、それによってパイロットの性能を上げたり、新しい航空機が搭乗可能になるようだ。

　撃墜された場合は、パイロットが死亡する前にキャノピーを開け、パラシュート脱出することで、次回逆襲を狙うことができる。このあたりのロールプレイスタイルが日本人の感覚にもマッチしそう。太平洋戦線を題材にした前作よりヒットしそうな印象だ。

【Combat Flight Simulator 3】

初代CFS以来となるヨーロッパ戦線。画面に映るドイツのジェット戦闘機メッサーシュミット Me262は、機首武装を30mm機関砲4門から50mm機関砲1門に換装した最終型A-1a/U4。主翼には空対空ロケットを24発装備でき、まさに空の王者

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□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/
□「エイジ オブ ミソロジー」のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/aom/default.asp
□「コンバット フライト シミュレータ 3」のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/cfs3/default.asp
□「ラリースポーツ チャレンジ」のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/rsc/default.asp
□関連情報
【9月17日】マイクロソフト、年末発売の大作2本の公式サイトを開設
「Age of Mythology」、「Combat Flight Simulator 3」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020917/ms.htm

(2002年10月16日)

[Reported by 中村聖司]

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