アトラス、岡田耕始氏が「真・女神転生 NINE」と
「真・女神転生III-NOCTURNE」を語る

期間:9月20日~9月22日

会場:幕張メッセ

 東京ゲームショウ2002の会場ではあちらこちらでイベントが開催されている。タレントさんが登場するものもあればゲーム大会など各社趣向を凝らしている。そんな中でも人気の高いイベントがゲーム開発者が直々に新作の発表を行なうというもの。東京ゲームショウ2日目となる21日には、注目のRPG「真・女神転生」シリーズの新作2タイトルについてアトラスの岡田耕始氏が、アトラスのブースとXboxのブースにおいてゲームの解説やテーマなどについて語った。どちらのイベントも熱心なファンで埋め尽くされ大盛況となった。


 アトラスのブースではプレイステーション 2用のシリーズ最新作「真・女神転生III-NOCTURNE」に関するスペシャルトークショウが行なわれた。このイベントには同社の金子一馬氏も出席し、新作に関する話題にスポットライトがあてられた。

 まずは「真・女神転生」シリーズが10周年を迎えたことについて両氏は「アッという間の10年だった」とコメント。岡田氏は「がむしゃらに作り続けた」と振り返えり「ハードの進歩で表現的にどんどん進歩したため、できることがどんどん増えていった。みなさんにどのように遊んで貰えるかと考えると、どんどんやることが増えていく」とプレーヤーが創造し楽しめるゲームづくりを強調した。

 そして今回の新作「真・女神転生III-NOCTURNE」についての話題にうつった。今回サブタイトルに“NOCTURNE”と付いたことについては「ただ単に2作目の続編という意味ではなく、ここから始まるという意味合いもふくめ、サブタイトルを付けた。そういった意味では重要な意味合いがある」と岡田氏は語った。
 物語の舞台は東京。東京へのこだわりについて岡田氏は「東京ほど破壊と再生が繰り返されている都市は世界に類をみない」とし、それゆえに思い入れがあるという。これに対して金子氏は「今回は東京といってもボルテクス界となった東京で、同じ東京でも少し違った東京だ」と解説を加えた。

 ゲームのシステムについては視点の変更が挙げられるという。基本的に主人公の後ろから少々俯瞰気味に眺める視点で、3人称視点となっている。こういった新しい表現には今回かなりチャレンジしているという。その一方で、悪魔合体については「シリーズを重ねてきて難しくなりすぎた部分もある。面白い部分を抽出し、シンプルにした」という。

 岡田氏は「真・女神転生III-NOCTURNE」について「金子の絵をPS2でどう表現するかが課題だった」とコメント。この課題をクリアするため、同社独自のトゥーンシェイダーを開発。「本当にやっとここまで表現できた」と苦心の作であるという。実際に会場でプレイステーション 2で動作するグラフィックが公開されたが、大変美しく、ポリゴンくさい雰囲気はみじんもない。これについて金子氏は「リアルさを突き詰めるのであれば実写を撮影すればいい。あくまでもコミックであるということが頭にあって、そのことをスタッフが理解して作り上げてくれた。すごく満足度は高い」と答えていた。

 最後に「見て欲しいポイントは?」の問いかけに「全身全霊で作成しているので全部見て欲しいが、あえて挙げるなら表現方法、ストーリーなど。ストーリーの中で色々な問いかけをユーザーに対してしているので、そこで自分の考えを持って欲しい」とメッセージを伝えた。金子氏は同様の質問に「いつも見ている東京の裏を表現している。ユーザーの方も想像力を広げて欲しい」と答えた。

 ちなみに発売に関しては「年明けの寒い頃から暖かくなる頃かなぁ……」ということで来春まであともう少し楽しみに待ちたいところだ。

【アトラスブース】
「真・女神転生III-NOCTURNE」スペシャルトークショウ
「真・女神転生」シリーズ総合プロデューサー岡田耕始氏だけでなく、悪魔絵師の金子一馬氏ともども「真・女神転生III-NOCTURNE」のテーマなどについてコメントした 「真・女神転生III-NOCTURNE」の最新映像も公開された。今回は実機によるプレイ画像が公開されていた


 Xboxのブースでは岡田氏が登場し「真・女神転生 NINE」について色々と語った。「NINE」のテーマはタイトルにあるとおり“9つのマトリクス”。単純に善と悪では割り切れない。立場によってそれぞれ違うのではないかといったところからスタートしている。ライトとダーク、それぞれの考えかたがあり、それらがストーリーのあちらこちらにちりばめられている。それらを選択していくことでストーリーは展開し、一種のマルチストーリーのようにそれぞれのプレーヤーの想いが反映されたストーリーとなっていく。

 今回の作品で岡田氏は5.1chサラウンドに力を入れているという。これまで「魔剣」などでも立体音響を導入してきたが、Xboxで初めて満足いくものとなったという。なぜ立体音響にこだわったかというと、「テレビゲームはどうしてもテレビの中の映像でしか表現できない。立体音響にすることで画面を飛び出し、プレーヤーのいる空間そのものを引き込み、ゲームの世界観をより体感できる」と説明。
 「真・女神転生 NINE」では安易に効果音だけを5.1ch化するわけではなく、BGMも5.1chで表現しているという。これはXboxの機能を越えてプログラムやデータ等まで考慮して制作されており、かなりの苦労があったという。

 気になる悪魔合体については、「悪魔は倒す存在というだけではなく、仲魔として戦力になってくれる。今までにはない合体を用意していて自分なりのカスタマイズでオリジナルの悪魔を作ることができる」と自信たっぷりに説明した。

 なお、気になるオンライン版については「鋭意制作中」とコメント。「今までにもあるようなネットワークゲームではなく、『真・女神転生 NINE』ならではのものを制作している」と答えた。最後にこの作品について「Xboxというプラットフォームで色々なチャレンジを行なっている。シリーズの中でも新しいゲームに仕上がった。自信を持って遊んで貰える」と締めくくった。

【Xboxブース】
Xboxブーススペシャルイベント「真・女神転生 NINE」
Xboxブースでは「真・女神転生 NINE」の映像と共に岡田氏のトークが展開された アトラスブースでは5.1chサラウンドのヘッドフォンを装着してのプレイが可能


□アトラスのホームページ
http://www.atlus.co.jp/
□「真・女神転生III-NOCTURNE」のページ
http://www.atlus.co.jp/cs/game/pstation2/dds3/
□「真・女神転生 NINE」のページ
http://www.atlus.co.jp/cs/game/xbox/nine/

(2002年9月21日)

[Reported by 船津稔]

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