【東京ゲームショウ2002】

数は少ないながら大物揃い! ~PCゲームレポート
「Neverwinter Nights」、「三國志IX」、「FF XI」ほか

バンダイ「ポトリス2」
9月20日~22日 開催

会場:幕張メッセ

 今年の東京ゲームショウは、複数の韓国系メーカーが独立してブースを設けていたこともあって、PCゲームタイトルの新作はまさに韓国系一色といった印象だった。国内各社のコンソールゲームをメインにした展示構成は毎年の光景ながら、今年の場合、コンソールゲームエリアの脇にこっそり参考出展されていたPCゲームや広報さんに直接聞いた未出展タイトルがやけに大作揃いだったのがおもしろかった。本稿では比較的発売の近いタイトルをピックアップしてご紹介しておこう。

■ SEGA PC D&Dシリーズ最新作が正式発表!
~セガ 「Neverwinter Nights 完全日本語版」

セガブースでの出展は「クレイジータクシー」、「ぐるぐる温泉2」だけだった
ホビージャパンブース。「D&D 3rd Edition」と「Magic: The Gathering」で賑わっていた
 いきなり未出展タイトルで申し訳ないが、'99年1月に発売した「Baldur's Gate」以来、SEGA PCにおいて常に大きなウェイトを占めてきた「Dungeons & Dragons」シリーズの 次回作「Neverwinter Nights 完全日本語版」がついに今回、正式発表された。発売時期は今冬、価格は未定となっている。

 「Neverwinter Nights」はBioWareが開発したD&Dシリーズ最新作。フル3Dのグラフィックエンジン、最新コアであるDungeons & Dragons 3rd Editionルール採用、最大64人同時接続可能なマルチプレイモードの実装、自らゲームマスター(GM)になることも可能な自由度の高いシナリオエディターの搭載などなど、D&Dシリーズ最高傑作といっても過言ではない充実した内容となっている。

 セガでは、同作のテキスト100万語にもおよぶと言われる長大なシングルプレイキャンペーンはもちろん、マルチプレイまわり、ミッションエディターなどもぜんぶひっくるめてローカライズを行ない、完全日本語版として発売する方針という。また、現在欧米ではすでに遊び尽くしたD&Dファンらの手による自作シナリオがフリーで次々と公開されているが、同社では日本語版の特典のひとつとして、こうした優秀なシナリオをローカライズすることも検討しているというから楽しみだ。

 ローカライズチームは「Baldur's Gate II」および拡張キット「Throne of Bhaal」を手がけたスタッフが携わっており、翻訳のクオリティおよびスピードもますます向上することが期待される。現在、テキストの日本語化作業も順調に進み、もう少しで組み込みに入れるという。早ければ10月にも日本語版の画面が拝めることになりそうだ。

 なお、少し余談になるが、ホビージャパンでは、先述した「Dungeons & Dragons 3rd Edition」のコアルール集のひとつ「Player's Handbook」の完全日本語版を12月に発売する。同社ブースでは日本語版のサンプル出力が展示され、D&Dファンが熱心に目を向ける姿が見られた。

 残るコアルール「Dungeon Master's Guide」、「Monster Manual」も来年の発売を決定し、来年内にD&Dのキャンペーンセッティングやアドベンチャーなど20冊の発売を予定しているという。こうしたルール集は、「Neverwinter Nights」の内容と直接関係するばかりか、一読しておくとプレイが100倍おもしろくなる。ゲームともども発売が非常に楽しみだ。

2002年度最高のネットワークRPG「Neverwinter Nights」。年内発売を期待したいところだ

(c) 2002 Infogrames Entertainment, S.A. All Rights Reserved. Manufactured and marketed by Infogrames, Inc., New York, NY. Portions c 2002 Bioware Corp. BioWare Aurora Engine copyright 1997-2002 BioWare Corp. All Rights Reserved. BioWare, the BioWare Aurora Engine, and the BioWare Logo are trademarks of BioWare Corp. All Rights Reserved. Neverwinter Nights, Forgotten Realms, the Forgotten Realms logo, Dungeons & Dragons logo, Dungeon Master, D&D, and the Wizards of the Coast logo are trademarks owned by Wizards of the Coast, Inc., a subsidiary of Hasbro, Inc. and are used by Infogrames Entertainment, S.A. under license. All Rights Reserved. Windows and Windows 95/98/2000 are registered trademarks of Microsoft Corporation. All Rights Reserved. The ratings icon is a trademark of the Interactive Digital Software Association. All other trademarks are the property of their respective owners.

□セガのホームページ
http://sega.jp/

■ プレイアブルで3タイトルを出展
~カプコン 「Warcraft III 完全日本語版」、「天覇光芒記~プリンス・オブ・シン」ほか

カプコンブース、PCコーナーの様子。メインブースのすぐすばにあった
 国内のPC関連では現在一番元気のいいカプコンは、受付脇の一等地に4タイトルを出展。「Warcraft III 完全日本語版」が2台、「天覇光芒記~プリンス・オブ・シン」1台、「イタリアン・ジョブ」1台、「モール・タイクーン完全日本語版」がデモ映像のみ、という構成だった。このうち「モール・タイクーン完全日本語版」はメディアクエスト取り扱いの箱庭型シミュレーションゲームで、カプコンは流通を担当する。

 10月24日発売の「Warcraft III 完全日本語版」は、すでに日本語の実装も終えたマスター直前のバージョンをプレイアブル出展。ほとんどは英語版所有者らしく、日本語の出来映えを見定めるかのように日本語表示まわりに注目する来場者が多かった。

 「おっ、これはなに?」みたいな感じでちょっとした人気を集めていたのが、同名のアクション映画をモチーフにした「イタリアン・ジョブ」。以前ニュースやDemoの記事で紹介したように、400万ドルの金塊を狙う大泥棒になって、ロンドン、トリノ、アルプスといったさまざまな場所で激しいカーチェイスを繰り広げていくアクションレースゲームだ。

 軽快なサウンドをバックグラウンドに、ロンドン市内をぶいぶいぶっ飛ばし、ロンドンバスを横転させるような激しい走りで、敵をまいたり、追いかけたりすることになる。ベースとなったPS版の開発は「Grand Theft Auto」シリーズで知られるTake Two Interactiveのバイオレンス専門ブランドRockstar Gamesが担当しており、ブラックユーモアたっぷりのバイオレンスさが最大のウリだ。

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/

■ 「三國志」シリーズ初の日本、韓国、台湾同時発売
~コーエー 「三國志IX」

映像の内容はプリレンダームービーの一部と新しい顔グラフィックのみ。ゲーム画面は未公開だった
 PC最大手のコーエーは、タイミングが悪かったのか、「三國志IX」、「Winning Post 6」とも制作発表のみで、メインステージで数秒ほどの短い映像を公開していただけだった。ゲーム内容も「まだないしょです」ということで、実は何も書くことがなかったりする。

 同社が誇る歴史シミュレーションシリーズ最新作「三國志IX」について現時点で判明しているのは、日本のみならず、韓国、台湾でも同時発売すること、今冬発売を予定していることぐらいだ。“同社の今冬”は、ふたを開けてみると6月だったりするからまったく油断がならないが、来年2、3月ぐらいではないだろうか。

 気になるゲーム内容について漏れ聞いた話では、「三國志 VI」以前のゲームシステムに立ち戻り、ゲームモードを君主のみに限定し、「三国志演義」の醍醐味である大規模合戦のおもしろさを最大限に表現したものになるという。

 もう少し具体的に説明すると、「三国志 VII」および「三国志 VIII」では、武将個人にフォーカスしたあまり、比較的おろそかになってしまっていた“戦略シミュレーション”の部分をがっちり描こうとそういうことらしい。合戦システムは、「三國志 VI」のそれを原点に、大河ドラマ仕立ての壮大なものになるということだ。

 シングルプレイ専用、グラフィックは2D、対応OSはWindows 98/Me/2000/XPと、基本路線に変化はない。同作については続報が届き次第また詳しくお伝えしたい。

□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/

■ 地味な出展ながら高解像度モードのPC版を展示
~スクウェア 「ファイナルファンタジーXI」

スクウェア「FF XI」コーナー。映っているのはタルタル♀。メインブースでもときおりゲーム映像を流していた
 ゲームショウ開催直前に発売日が公開されたスクウェアの「ファイナルファンタジーXI」は、そのネームバリューの大きさの割には予想外に地味な出展だった。プレイアブル機の出展はなく、ブース脇でライブ映像を流しているだけだった。

 ただし、そこで流されていた映像は、公式サイトPlayOnline上で流されているLive Vana'dielの映像とは異なり、一見の価値のある内容だった。具体的にはPC版のクライアントによるある程度育ったキャラクタのプレイ中の映像を流していた。

 私が見た限りでは、ネタばれを防ぐためか、クエストをクリアしたり、パーティーに加わったりといった臨場感たっぷりのシーンは見られず、たまに街の中をてくてく歩いたりする程度。メッセージのたぐいもすべてフィルタリングされていて表示されていなかった。

 すでにWindows版はNecca等でプレイすることが可能だが、未プレイの人はちょっと足を止めて映像を眺めてみるのも悪くないだろう。

□スクウェアのホームページ
http://www.playonline.com

□東京ゲームショウのホームページ
http://www.cesa.or.jp/tgs/

(2002年9月21日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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