場所：青山劇場

前説を行なう広井王子氏

　これまで毎年夏に開催されてきた帝国歌劇団花組の「サクラ大戦歌謡ショウ」だが、「歌謡ショウ」は5年目となる昨年で終了。今回から心機一転「スーパー歌謡ショウ」として生まれ変わった。劇場も青山劇場に移され、8月15日に遂に初日を迎えた。今回の演目は「八犬伝」。すみれの抜けた7人の帝国歌劇団でどのように8剣士の活躍を描くのか……ファンならずとも注目されるところだろう。

　「新編 八犬伝」と題された舞台を演じることになった帝国歌劇団の面々。“スーパースター”こと神崎すみれの抜けた穴は大きく、残されたメンバーの葛藤を描く第1部。そして休憩を挟み、実際に「新編 八犬伝」が演じられる第2部に続いていく。

　「歌謡ショウ」ではオーケストラが生演奏を行なっていたが、今回はオーケストラが入る余地がないため、もちろんBGMはかかるが生演奏はない。が、その代わり舞台が一工夫されていて、数々の仕掛けが用意されている。さらに、せり出した舞台の両脇に今回初めて導入された桟敷席が設置されている。手が届く位置で観ることができるこの席は大迫力だ。この桟敷席を意識した演出なども見られ、ファンにとっては嬉しい仕掛けだろう。

　すでに明らかになっているアイリス役の西原久美子さんが空を飛ぶシーンだが、飛ぶということがわかっていても驚くことだろう。このほかも艶やかなシーンや、大がかりな舞台セットを使ったシーンが数多く用意されていて、かなり盛り上がる舞台となっている。

　作・演出・総合プロデューサーを務める広井王子氏は挨拶で「何がスーパーかと言えば何度も言うように初心にかえってゼロから新しいものを作っている。今後もスーパー歌謡ショウを2回、3回、10万人、20万人の人に見て貰えるように続けていきたい」とコメント。さらに毎回舞台が開幕する前に行なわれる前説で広井王子氏は掃除をしながら「現在プレイステーション 2でスーパーリメイク『サクラ大戦 ～熱き血潮に～』を制作中でオーバーワークスの人がバタバタと死ぬほどがんばって作っている」とゲームの制作状況にも触れた。さらに「先日、『サクラ大戦5』の打ち合わせに入った」と、新作の制作もスタートしたことを明らかにしている。

　そういった先の話はともかく、舞台「スーパー歌謡ショウ 新編 八犬伝」は面白い作品に仕上がっている。ぜひとも多くのファンに楽しんでいただきたい。

帝国歌劇団花組の日常……そして、すみれがいない中、7人で「八犬伝」をやることの不安と葛藤を描いた第1部。それぞれに見せ場があるので、お見逃し無く。写真にはないが、もちろん桐島カンナの妄想も用意されています
今回の舞台において最もファンタジックなシーンのひとつであり、驚かされるアイリスが飛ぶシーン。わかっていても十分驚かされるし、十分魅力的なシーン		後半は「八犬伝」が演じられる。もともとかなりおどろおどろしいストーリーだが、帝国歌劇団花組らしく演じきっている。
お祭りのシーンでは真宮寺さくら (犬坂毛野) 役の横山智佐さんによる太鼓なども披露され盛り上がる	かなり多くの殺陣も各キャラクタごとに用意されており、それぞれ楽しめるようなっている	今回も登場する千葉繁さん。かなりノリノリで演じきっている。やっぱり笑えます
いよいよクライマックスに突入!! 派手なシーンの連続で目が離せない。セットも大がかりで見ているだけでも楽しい。そして最後はいつものキメッのポーズでお別れ
今回も多くのグッズが販売されている。今回初めて出演している支配人こと米田一基 (演ずるは池田勝さん) の徳利はかなり魅力的。そして劇中に登場するお茶も売ってます	このほかにもたくさんのお花が並んでいる。中央に見えるのは新春特別公演で退団した神崎すみれこと富沢美智恵さんのお花	開場前からズラリと並ぶファン。暑いのにご苦労様

□サクラ大戦.comのホームページ
http://www.sakura-taisen.com/
□「スーパー歌謡ショウ 新編 八犬伝」のページ
http://www.sakura-taisen.com/s_show.html
□関連情報
【7月12日】セガ、サクラ大戦 スーパー歌謡ショウ「新編 八犬伝」の有料ブロードバンド配信を8月24日～25日に実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020713/sakura.htm
【7月14日】帝国歌劇団花組、スーパー歌謡ショウ「新編 八犬伝」舞台稽古を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020713/sakura.htm

(2002年8月15日)

[Reported by 船津稔 / Photo by 矢作晃]