★ Xboxゲームレビュー ★

Xboxにはアメリカンなゲームがよく似合う(気がする)
「クレイジータクシー3 ハイローラー」
  • ジャンル:ドライビングアクション
  • 発売元:株式会社セガ
  • 価格:6,800円
  • プラットフォーム:Xbox
  • 発売日:発売中(7月25日)


クレイジー&ファンキーなキャラクターが大集合。ルール無用のモーター客商売でどこまでキミは稼げるか?
 イカレたドライバーたちが、いかれたマシンをかっ飛ばし、あらゆる手段を用いてお客を目的地に送り届ける、ヤンチャゲーム大好き人間御用達ゲーム、「クレイジータクシー」。オフスプリングを筆頭としたおなじみのメロコアチューンを聞きながら、アメリカの都市を縦横無尽に駆け巡る爽快感は多くのユーザーから支持され、アーケード → DC → PS → GCとあらゆるハードに移植され、愛されてきた。

 そして今回、ついにXbox版にもあのマシンとドライバーたちが登場することになった。サブタイトルに「でっかく賭けるヤツ」という名を関した本タイトルの仕上がりは、果たしてどのようなものになっているのだろうか?


 クレイジーなゲームシステムを簡単にご説明

 クレイジータクシーのシステムは単純明快。どんな手を使ってでも、時間内にお客(こいつらもまたクレイジーなのだが……)を目的地に届ければよい。だが広大かつ立体的に入り組んだ路面と、行く手を阻むアザーカーの群れが一筋縄で進ませてくれない。そんなときはクレイジーなタクシードライバーにだけ許された3つのドライビング(?)テクニックを使えばクリアできる。

 静止状態からでもいきなりトップスピードまでもっていける「クレイジーダッシュ」、どんなカーブもものともしない急旋回「クレイジードリフト」、ダブルデッカー(二階建てバス)ですら余裕で飛び越せる「クレイジーホップ」の3つがそれだ。これらのテクニックを組み合わせれば、陸海空といけない場所は無い! 対向車線を爆走し、ビルの上からショートカットを敢行、ときには海底にいるお客をピックアップ……という書いている筆者が思わず不安になるようなハチャメチャぶり。だがコレが融合することで、すさまじい楽しさを呼び起こすゲームとなるのだ。

 個人的には今作からクレイジーダッシュとドリフトが成功するとホイールから火を噴くエフェクトが出るようになったのがうれしい。このゲームを知らないギャラリーでも、車が火を噴きながら空を飛び、暴れ狂う様を見れば絶対にプレイしてみたくなるだろうことは、想像に難くない。

一気に最高速まで到達できる「クレイジーダッシュ」。走行中に使っても加速するので、狂ったように繰り返すのが流儀。ただしものすごく手が疲れるので注意。休みながらプレイするか、腕を鍛え上げて臨むかはアナタしだい 入り組んだ路地や、袋小路からの取り回しで真価を発揮する「クレイジードリフト」。曲がるだけでなく、車を止めるときに役に立つので覚えておきたいテクニック 謎の装置で高く飛び上がる「クレイジーホップ」は2作目からの要素。邪魔なアザーカーをよけたり、ショートカットのコースへ突入したりと使いどころは多いが乱用すると事故必至


 クレイジーだよ全員集合!

 今作最大のウリといえば、やはり歴代作品すべてのドライバーとコースが一堂に会したことだろう。「クレイジーホップ」の要素は「クレイジータクシー2」から追加されたので、「1」のマップを「2」のシステムで遊びたい! というファンも多かっただけに、コレは かなりうれしいポイント。しかもただ再録されただけではなく、「3」用のマップとしてリファインされているというのだからありがたい限りだ。もちろん「3」のための新マップも登場するので当たらし物好きのプレーヤーも大満足。

 ちなみにドライバーも歴代の12名が勢ぞろいし、それぞれのマップでプレーヤーの到着を待っている。まさにクレイジータクシーの集大成とも言える一本といえよう。もちろん音楽も歴代作品すべてからフィーチャーされているので、爆走とよくマッチするメロコアでアドレナリンを垂れ流しながら、アクセル全開のドライブを堪能したいものだ。

さわやかな空、美しい海、暴走する黄色い悪魔と3拍子揃ったウェストコースト。ビーチのお客さんも見逃さないように スモールアップルはニューヨークを思わせる市街コース。今作では夜のドライブになっているため微妙に土地カンが狂うかも? 新コース、グリッターオアシスはその名が指すように、ネオンがきらびやか。ラスベガスをモチーフにしたような感じの場所になっている


 本編より楽しい? ミニゲーム「CRAZY X」

 筆者が強くお勧めしたいのは、特別にセッティングされたコースと条件を腕と知恵でクリアしていくミニゲーム集「CRAZY X」。

 ジャンプ台でのK点超え、車体を使ってのホームラン競争、押し寄せる車をかわしてのアメフトライクなドライブなど全部で25種目。絶妙にセッティングされた難易度とプレイの楽しさに加えて、一定数をクリアすればオマケ要素も追加されるとあってついついプレイを繰り返してしまう。みんなでああだこうだと攻略法を考えながらプレイするもよし、ひとりでじっくりと頭をひねるもよし、この項目だけでも遊ぶ価値は充分アリ!

クレイジーXは連結したステージをクリアすることで、新しいステージが開放されるシステム。レベルが上がるにつれてどんどん手ごわくなっていくぞ 坂道に浮いているUFOを体当たりで落としていく。ジャンプのタイミングと正確なハンドリング、そしてクレイジーダッシュがキモ
次々と転がってくる丸太を飛び越える競技? も。ジャンプのリズムを間違えると丸太にぶつかり、慌てると道から落ちる。地獄 互い違いになっている段差をジャンプで駆け上がっていくステージ。クレイジードリフトをうまく出せるかどうかがクリアのカギになる


 結局、こいつはどうなのさ?

 目に付くいい所ばかりを書き連ねてきたが、不満な部分もある。まずロードの遅さ。Xboxというハードを使う以上、プレイ時にマップのデータを残しておいて選んだらすぐプレイできる、ぐらいのレスポンスは欲しかった。

 またプレイする上で必須のテクニックとも言えるクレイジードリフトとクレイジーダッシュはある程度入力のコツをゲーム中で教えてあげてもよかったのでは? またこれらの操作は何度もおこなっていると右手がパンパンになってしまうのも厳しいところ。とくに何度も繰り返しプレイする「CRAZY X」はキツく思えた。

 だがこれらの不満は、すべてゲームをより深く楽しみたいからこそ出てくる不満。筆者のようなシリーズを通してのファンは記念碑的な1本として、いまだ未プレイの新規ユーザーはトリロジー的にお得感あふれる名作として、Xboxといっしょに購入して問題なし、と断言しよう。すでにハードを持っているなら、購入はもはや義務か?

Original Game (C) SEGA
(C) Hitmaker/SEGA, 2002

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□ヒットメーカーのホームページ
http://www.hitmaker.co.jp/home.html
□「クレイジータクシー3 ハイローラー」のページ
http://www.hitmaker.co.jp/game/TAXI3/home.html

(2002年8月9日)

[Reported by 迫水紀文]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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