コーエー、「三國志 Battlefield」雑誌対抗戦を開催
2年ぶりの新作三國志RTSはどう仕上がったのか!?

8月30日発売

価格:9,800円
月額基本料金:600円


 株式会社コーエーは、三国志世界をモチーフにしたリアルタイムストラテジー「三國志 Battlefield」のコーエーvs雑誌対抗戦を実施した。開発途上の作品で、こうしたイベントを行なうのはきわめて異例だが、同作を盛り上げていきたいという同社の熱意によって実現に移された。弊誌からも私、中村が参戦したので、今回はそのプレイレポートをお届けしたい。結果を先に書いておくと3誌中3位と惨憺たる内容だったが、そのおかげ(?)で対戦中の模様をたっぷり観戦することができた。残念ながらβテストに漏れてしまったユーザーも、このプレイレポートで楽しんでいただければ幸いである。

ビジュアルロビー「洛陽」にアクセスしたところ
 現在、「三國志 Battlefield」のβテストサーバーには数多くのβテスターが集まり、自由なルール、スタイルで対戦が楽しまれている。最近、完成したマッチメイクロビー「洛陽」は、そうした賑わいが視覚的に伝わってくるビジュアルロビーになっていて、プレーヤーは最初にキャラクタを作成し、MMORPGの街を歩くような感覚で、対戦相手やチャット相手を捜し求める仕組みになっている。

 最終的にどのような形にまとまるのかは不明だが、現時点では「洛陽」は酒屋が立ち並ぶ「酒屋街」と複数の「酒屋」から構成されている。酒屋街はコミュニケーションの場で、チャットロビー感覚で自由に意見交換が行なわれている。一方の酒屋はいわゆるルームに相当し、対戦前や対戦後に集まって対戦者同士で情報交換するのに使用されている。現在は、新しい酒屋を造ったり、酒屋にパスワードをかけたりといった機能は用意されておらず、全βテストユーザーは、どこでも自由に移動することができる。

 我々の集合場所は「酒屋街」で、定刻にプロデューサー上野氏を含む、コーエーのスタッフ数名と、プレスからは4Gamerとログインが2名ずつ、それに私が集まった。のみならず、予想どおりβテストユーザーもわらわらと集まってきたため慌てて酒屋に場所を移したものの、やっぱりぞろぞろとβユーザーが入ってきて、ちょっとした祭りモードというか、プロデューサー上野氏即答イベント状態になってしまった。

挨拶を交わして酒屋に入ったところまでは良かったが、数分後には「イベントですか?」、「何が始まるんですか?」、「上野さんってプロデューサーの上野さんですか?」などなど、我々としてはどうしようもない状態になった

セッションに集まった対戦者一同。Iceman氏はいきなりハングル語で話しかけてきたため少々驚いた。ルールは、君主、家臣、位置ともにランダム。3試合目のみ、試合時間を短縮するため「速攻」ルールが適用された

 そんなこんなでいきなりスタートからもたついた対抗戦だったが、試合は都合3回行なわれた。最初の2回は、当初の計画どおり2人一組の4勢力による8人対戦で行なわれ、全国マップ各地で熱戦が繰り広げられた。なかでもコーエーの強力助っ人として参戦した韓国人スタッフIceman氏は猛烈な強さを見せ、2度とも全勢力を飲み込む勢いで領土を広げ、途中落ちのアクシデントがなければ1位は2度ともコーエーといった印象の試合だった。

 ただし、2回とも対戦途中でゲームから落ちてしまう人が出てしまったため、3戦目はやむなく各誌代表+上野氏の4人によるバトルロイヤルで決着を付けた。結果は1位4Gamer、2位ログイン、3位GAME Watchとなった。敗軍の将の場合、何を書いても言い訳になるが、敗因は2人に同時に攻められてしまったこと、それからCPUを野放しにしてしまったことだ。

 試合後の上野氏のコメントをそのまま流用すると、プレーヤー4勢力、CPU4勢力の場合、特に中央に位置する勢力になった場合は、外交を利用して隣のCPU勢力に対して密かに同盟や停戦を結び、それから正面のプレーヤー勢力に立ち向かうのが定石のようだ。

 3試合目で司馬懿になってしまった私は、CPU勢力である北の劉備(CPU勢力)にびくびくして領土拡張に躊躇している間に、西の孟獲(ログイン)と小競り合いに突入し、最後はその間、南方で順調に勢力を拡大していた孫策(4Gamer)に痛烈な一撃を食らって滅亡というわかりやすい試合内容だった。

1試合目は3試合中一番戦いらしい戦いができた対戦だった。私は袁紹、相方のコーエーハギマ氏は孫策。まず最初にチャットで打ち合わせて真ん中にいた馬騰を挟撃するところから始めた。ふたりが連結したところで、ハギマ氏が落ちてしまい、もうひとりが落ちたところで再試合となった。後半、いつのまにか大勢力となっていた北の劉備(コーエーIceman氏)に押しまくられて滅亡寸前だったことは内緒である

2試合目は、5分足らずで滅亡してしまった最悪の一戦。私は北西に位置する馬騰で、相方のコーエーハギマ氏はその南西に位置する董卓。配置的には盤石と思われたが、東の袁紹(またしてもコーエーIceman氏)に東端の城を歩兵で攻められ、それに対応して兵を繰り出しているうちに、南の曹操(コーエー上野氏)から一気に首都を攻められてしまい、救援を出す間もないまま滅亡。その後、戦いは袁紹&曹操のコーエーコンビ有利で進展し、後半にさしかかったところでほぼ全員が不正終了。再々試合となった。今回も凄かったのはIceman氏。中国全土に軍師をばらまき、各地の城で妖術を使いまくっていた

あまりパッとしない内容だった3試合目。「速攻」ルールが適用されたため、開始1分で戦闘が始まり、内政もおざなりにしたまま戦闘を重ね、最後は孫策(4Gamers TAITAI氏)に漁夫の利をもっていかれてしまった。「中村さんは首都を後方に移すべきでしたね」とは上野氏の言。そのとおりでした

対戦を終えた参加者一同。おつかれさまでした
 今回、上級者を交えた対戦に参加してみて強く実感したのは、「三國志 Battlefield」は予想していた以上に「三國志 Internet」に非常に近い印象で、RTSの世界標準からは少し外れた作品であるということだ。運の要素、ランダム要素が強く、さらに瞬間的な判断力より、比較的ゆっくり流れる時間の中での細かい戦術的積み重ねが勝敗を分けるといった感じで、RTSファンよりむしろ三國志ファンにお勧めできる作品に仕上がりそうだ。

 内政コマンドで建物を建てる順番、数により、揃えられる軍勢にバリエーションが生まれる。兵科は歩兵、騎兵、弓兵の3つがあり、育成所を建てて配備可能にした状態で武将に訓練させることで、少しずつ精鋭部隊が増えていく。出撃可能な部隊数は領土の数によって決まり、領土数が実質的な戦力に換算しうる。集団攻撃「妖術」が行なえる軍師の存在や多彩な攻城兵器など、不特定要素も多いものの、実質的には先手必勝のパワーゲームであり、攻守のバランスをいかに取るかが今後の課題だろう。

 上野氏によれば、初期配置による不均衡は、βテスト期間中に修正するという。個人的には、軍勢ユニットの移動AI、妖術の攻撃力、首都の防衛方法などにバランス調整の必要性を感じた。発売まであと1カ月。残るβテスト期間中によりよい作品にチューンナップされることを期待したい。

(C)2002 KOEI Co.,Ltd.

□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「三國志 Battlefield」の公式ページ
http://www.gamecity.ne.jp/products/products/ee/new/san_bf/index.htm
□関連情報
【2002年4月17日】コーエーが贈る2大ネットワークゲームの全貌を探る「信長の野望 Online」、「三國志 Battlefield」詳報
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020417/koei2.htm
【2002年7月24日】コーエー、「三國志 Battlefield」のキャンペーンを実施
「信長の野望 蒼天録」、「真・三國無双2 猛将伝」などが当たる
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020724/san.htm

(2002年7月31日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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