Electronic Entertainment Expo 2002現地レポート

Westwood Studioブース ~あの「コマンド&コンカー」がフル3Dに!
オンライン・スペースオペラ「Earth and Beyond」がこの夏にも登場

会期:5月22日~25日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center


■ Command and Conquer Generals ~3D化されたC&Cの魅力とは

 日本でも大ヒットを記録したリアルタイムストラテジーの金字塔「コマンド&コンカー」(以下C&C)シリーズの最新作が公開された。最近では、C&Cの冠をつけた別ジャンルのゲームばかりが目立っていたが、「「C&C Generals」」は本家本元のリアルタイムストラテジーゲームとなっており、正当な「C&C」の続編といえる。

 本家シリーズと今作を比較して、もっとも進化した部分はどこかと聞かれれば、それは「ビジュアル」と言い切れる。地形はもちろんのこと、建物、歩兵ユニット、地上兵器、空中兵器、街を徘徊する市民などがリアルタイム3Dポリゴンで描かれているのだ。2Dベースの描き切りといったチマチマした古くさいイメージは「C&C Generals」にはカケラもなく、全く別物といっていいほどの最新3Dビジュアルを実現している。

 C&Cのグラフィックスは、「C&C Generals」のためにゼロから開発された「SAGEエンジン」を採用している。表現能力が非常に高く、ボリュームシャドウをはじめ、プログラマブルシェーダーを使ったサブフェース(透過面)に対する環境バンプマッピングなどにも対応する。リアルタイムストラテジーゲーム用の3Dエンジンとしては、もっとも高い表現能力を持っているといっていい。

 ゲーム舞台は近未来。シングルプレーヤーゲームでは、9人いる将軍からひとりを選択して、全27のミッションを戦い抜いていく。C&Cシリーズ最大の特徴といえば、「全く性格の異なる兵器同士による乱戦」にあるわけだが、C&C Generalにおいてもこの点は継承されている。

 登場する軍勢は、ハイテク兵器軍団のアメリカ、強力な歩兵軍団をもつ中国、奇襲攻撃を得意とする世界解放軍GLA(Global Liberation Army)の3種類。グラフィックスが違うだけでなく、まったく攻撃方法が異なるユニット同士が入り乱れて戦う、あのC&Cシリーズ伝統の戦闘が、今作では3Dグラフィックスで描かれるのだ。

 公開されたデモプレイでは、地平ユニットが起伏の豊かなランドスケイプを走り抜ける様や、戦闘機が編隊を組みつつ対地ミサイルで敵基地を攻撃する様子を披露。戦闘バギーはサスペンションを激しく上下させ、地塵を巻き上げタイヤ跡を地面に描きつつ荒れ地を走り抜けるし、戦闘機は飛行機雲を空中に残しながら飛来する。各ユニットのダイナミックかつ立体的なアクションは、これまでのC&Cシリーズとは明らかに一線を画していた。

 よく聞かれる「3D化して、なんの意味があるのか」という声に対して、「C&C Generals」は明確な答えを出した。それは、立体的な地形条件、高低差を効果的に応用した戦略をプレーヤーが編み出すことができるということだ。その一例として「ダムを決壊させ、低地にいる敵軍勢と敵関連施設を水没させる」というシーンを披露。怒濤のごとく押し寄せる水流に建物は崩壊し、木々が押し倒され、人間や各種兵ユニットが飲み込まれていく様は圧巻。ファンタジーゲームの召還魔法を凌駕するほどの視覚インパクトがあった。

 発売は2002年12月を予定。プラットフォームはPC版となる。

すべての建物やユニットに正しく影が出ている点に注目。もちろんリアルタイム生成 3Dシステムならではの立体的なバトルが可能 3Dシステムは空中戦もダイナミックに演出
このグラフィックスでC&Cが楽しめるだけで満足といったファンも多いはず


■ Earth and Beyond Online ~ついに具体像が見えてきたオンライン・スペースオペラ

 今から300年後の宇宙開拓時代を舞台にしたMMORPG「Earth and Beyond Online」(以下E&B)がついに始動する。Westwoodブースでは、E&B開発途中版を実際にテスト運用中のサーバーに接続し、実演プレイを織り交ぜつつ、実際どのようなゲームになるのかを披露した。

 キャラクタメイキングは、E&Bではプレーヤーキャラクタのデザインと宇宙船(スターシップ)のデザインの2ステップに分けて行なわれる。MMORPGにおいて、外観上の違いはアイデンティティの最重要項目であり、高い自由度を持ってプレーヤーがデザインできるように配慮したという。体型、肌の色、衣服などのカスタマイズや、顔の形状、顔内の各部位の大きさや位置までも任意に設定できるようになっていた。

 E&Bにおいて、プレーヤーキャラクタと同等のアイデンティティを持つのがスターシップのデザインだ。プレイ中、多くの時間を宇宙で過ごすことになるE&Bにおいて、他プレーヤーとの直接的なインターフェースはスターシップが対象となるからだ。

 E&Bは、部品を組み合わせてオリジナルのスターシップがデザインできる仕組みを作り上げた。三面図などを起こす必要はなく、部品の種類、その大きさ、取り付ける位置を直感的に指示するだけで、プラモデルやペーパークラフト感覚で自分だけのスターシップが設計できる。

 スターシップパーツの基本デザインは「スター・ウォーズ エピソード1&2」のアートディレクターDoug Chiangが担当したという。本作はスター・ウォーズとは無関係だが、この事実はスター・ウォーズファンの好奇心に火をつけることは間違いない。

 プレーヤーが初期状態で選べる職業は、「Trademan(貿易商)」、「Explorer(探検家)」、「Warrior(戦士)」、「Enforcer(ならず者)」、「Defender(防衛軍)」、「Sentinel(番兵)」の全6種類(カッコ内は参考訳)。各キャラクタには40種類もの能力パラメータがあり、初期職業選択によって特定の能力パラメータにボーナスが与えられるようだ。

キャラクタ選択 キャラクタメイキング スターシップメイキング

 ゲームの楽しみ方はMMORPGだけにさまざまだが、基本的な宇宙地図(スターマップ)を与えられるので、以降はこれをもとに銀河の冒険に乗り出すことになる。探検家は未開拓宙域を調査するのが仕事になるし、貿易商は星間を移動しての運搬業務を営める。ならず者になったプレーヤーは、そうした貿易商の船を集団で襲い、積み荷を強奪したりすることが生業となる。

 今回、実際に政府要人が乗るスターシップに奇襲をかけるシーンや、暗礁宙域を調査するシーン、不可解な宇宙現象を観察するシーンなどが公開された。去年コンセプトが語られたときは「夢物語に近いのでは?」と感じたが、実装されたゲームエレメントを目の当たりにして、実際にプレイできる日が本当に来そうだと実感した。

 戦闘システムは、半リアルタイムのターンベースになるという。攻撃目標を指定して攻撃ボタンを押すと、攻撃イベントとして相手の元に届くという。有効射程距離外であれば攻撃は避けられたことになるが、射程内であれば攻撃を受けたものとして戦闘演算が行なわれる。3Dスペースシューティングのような、敵弾をかいくぐるといったアクションはできない。

 見た目は3Dスペース・シューティングのようなE&Bだが、システムは典型的なMMORPGといえる。このあたり、ユーザーにどう受け止められるかが注目される。発売は2002年8月を予定。プラットフォームはPCとなっている。


□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□「Westwood」のホームページ
http://westwood.ea.com/

(2002年5月24日)

[Reported by トライゼット西川善司]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.