IBMとButterfly、サーバーリソースを効率的に配分する ビデオゲーム向け商用グリッドシステム「Butterfly Grid」をE3で公開
5月22日~24日まで開催(現地時間)
米IBMと米Butterfly.netは、ビデオゲーム市場向けの商用グリッドシステム「Butterfly Grid」を導入すると発表した。同社は、5月22日よりロサンゼルスで開催されるElectronic Entertainment Expo(E3)でシステムのデモンストレーションを行なうとしている。
「Butterfly Grid」は、複数のサーバーを接続することで、ユーザーが多い地域やアクセスが集中する地域に対してサーバーリソースを優先的に割り振ることができる商用グリッドシステム。これにより、単体サーバーの処理能力をはるかに上回るユーザー数のサポートを実現する。同グリッドは、LinuxベースのIBMラックマウント型サーバーを光ファイバーの内部ネットワークで稼動させており、100万人以上の同時プレーヤーをサポートする能力を持つという。
本グリッドは、ひとつのシステムで複数タイトルを同時サポートでき、ジャンルはもとより、接続方法、デバイスも問わない。3D表示は、業界標準のエンジンをサポート。メンテナンス時でもホットスワップによりシステムを停止する必要がなく、独自のライセンスプログラムにより、帯域テストやシミュレーションなどをグリッド上でリアルタイムに実行可能だとしている。
ゲームメーカーやプロバイダは、同社が配布する「Butterfly Grid」用クライアントをゲームに組み込むことで、本グリッドのサーバーリソースが利用可能になる。クライアントはButterfly.netのサイトからダウンロードできる。
「Butterfly Grid」は、複数機関によるコンピュータグリッド基礎技術の研究と開発を目的とするオープン・ソース・コミュニティ「Globus Project」と協力しており、Globusのサイトからダウンロード可能なGlobus Toolkitを使用することで、認証、アカウント機能、リソースの割り当て、ゲーム固有のロジック構成、グリッドパフォーマンスの監視などが可能になる。
IBMのバイス・プレジデント スコット・ペンバーシー氏は、リリース中で「サーバーリソースを効率的に利用することで、高パフォーマンスのリアルな3Dゲームワールドが実現できる。『Butterfly Grid』は、ゲームなどのエンターテイメントメディアのオンライン配信を支援するなど、企業のコスト削減にも役立つ画期的なプラットフォームだ」とコメントしている。
□IBMのホームページ
http://www.ibm.com/
□Butterfly.netのホームページ
http://www.butterfly.net/
□「Globus Project」のホームページ
http://www.globus.org/
□ニュースリリース
http://www.ibm.com/news/jp/2002/05/05162.html
(2002年5月16日)
[Reported by 北村孝和]
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