ソニー、経営方針説明会でゲームをコア事業と説明 |
株式会社ソニーは2002年度の経営方針説明会を開催。説明会では出井伸之会長兼CEOが「ゲームは3つのコア事業のひとつ」と説明したのを受けて、ソニー・コンピュータエンタテインメントの久夛良木健社長兼CEOが2002年度の方針を説明した。
久夛良木氏は説明の前に会場へ資料を配り、電撃的にプレイステーション 2、PSoneの実質的な値下げを発表。プレイステーション 2とPSoneはオープンプライスに、PSone Comboは18,000円となる。今回の価格改定は日本だけではなく北米、欧州でも行なわれる。北米では現在299ドルのプレイステーション 2が199ドルへ、99ドルのPSoneがなんと49ドルという低価格となる。欧州ではプレイステーション 2の価格改定は行なわれないが、PSoneは125ユーロ/79ポンドから89ユーロ/49ポンドとなる。このほか北米では、PS2用メモリーカードが24ドル、デュアルショック 2が24ドルとなる。
日本での価格はオープンプライスと言うことで想定価格は公開されなかったが、米国での価格が199ドル (約25,400円) と言うことなので、それと同等の価格となることが予想される。
久夛良木氏は「プレイステーション 2だけでなく、PSoneもまだまだ元気。プレイステーションプラットフォームは9,000万台となり、世界最大のゲームプラットフォームとなった。液晶の付いたPSone Comboも枕元などで楽しんで欲しいと思い今回価格改定を行なった」と説明。
続いて今回もマルチミリオンタイトルを紹介。2月に開催された「PlayStation Meeting」でも紹介されたものだが、数値がアップデートされており、「グランツーリスモ3」が800万本、「Grand Theft Auto 3」も570万枚と数をかなり伸ばしている。この数値だけを見ても同プラットフォームがかなり好調なことがわかる。今期は売り上げが遂に1兆円を突破したが、久夛良木氏によれば「今期はまだまだ成長が見込める」と強気の姿勢だ。
久夛良木氏はこれまで半導体投資が大きすぎたのではないかといった指摘に対する答えとして「半導体を自社開発したこと、ファウンダリを自社内に持ったことで、現在のコスト削減などで利益に結びついている。これが外部の半導体だったら、月産200万台という現状の体制を維持することも難しかった。外部の半導体を使っていたら、いつまでたってもハードで赤字を作ってしまいかねない」と語った。
ブロードバンドサービスについての説明はこれまでの説明と大筋では同じだった。家庭の中心にあるリビングルーム、その中心にあるテレビに接続されるプレイスーション 2がネットワークに接続され、無線LANによってNet MDやデジタルカメラ、PVRと繋がっていく。家庭用のホームサーバーといった位置づけとなるわけだが、同氏は「年末には5,000万台にも達するプレイスーション 2はほかの同様の製品に比べ一歩も二歩も進んだプラットフォームだ」と自信たっぷりに語った。
ただ具体的に、ネットワーク接続ユーザーを今期どれくらい見込んでいるかといった質問には「ブロードバンド事業は自然体で行くつもりで、目標は設定していない」と慎重。「サーバーのインフラはまだまだで、集中してしまうとサーバーがダウンしてしまう。そういった意味でもゆっくりと、でも着実にやっていきたい」と続けた。サーバーに関しては先日発表された“次世代プロセッサ”に関する話題でも取り上げられ、「現在のPCのアーキテクチャではサーバーのパワーが足らない。このためにIBMと東芝と開発中で、2005年から2010年までに大きな変革が必要だと思っている」としている。これは同氏が、コンテンツ配信サーバーからPS2まで、大きなネットワークのシステムとして考えていることを証明している。
先日の決算の発表を見てもゲーム部門の好調は突出しており、今回の自信たっぷりの経営方針説明もそれを裏付けている。出井氏は「投資の収穫期に入った」としており、まだまだプレイステーションの好調は続きそうな雰囲気だ。
(2002年5月14日)
[Reported by 船津稔]
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