ナムコ、戦略発表会を開催 |
中村雅哉代表取締役会長 |
5月1日から新社長となる高木九四郎氏 |
発表に先立ち中村雅哉代表取締役会長は「私が長い間経営権を握っていたことについては反省している。実質的には1年前から高木体制下で成長戦略に向け構造改革へむけて走り始めている。一部アナリストが高木氏が古参であることから構造改革を断行できるか不安視しているが、そんなことはまったくない」と挨拶した。また、「あまり長く話すとインサイダーになってしまうが、5月にはみなさんからお褒めいただけるような発表ができる」と語っており、何か大きな発表があることを匂わせていた。
高木九四郎氏は「家庭用販売事業でさえ中堅に甘んじている」と自社に対する厳しい評価を下したうえで、プロデューサー制、編成局を導入することでコンテンツを作りやすい環境を作り上げることや、AM施設の運営に関しては利益率5%以下の店舗の建て直しや人件費を抑えるなどの収益率の向上などを説明していった。今後コンテンツ事業を強化することで、米国などでのハードウェアの伸びにより事業を3倍に強化することができる見込みがあることや、パチンコ、スロット事業への本格参入、日本だけでなく米国やアジアにおいてモバイル部門を強化するなどの指針が提示された。
ゲームなどの制作関連を手がけるCTカンパニー (コンテンツ&テクノロジー) では短期的目標として低年齢層向けのソフトが少ない点をあげ、構成比をアップさせていくという。会場で具体的なタイトル名は上がらなかったが、「テイルズ」シリーズや「ドリラー」シリーズなどがこれに当てはまると思われる。
またメディアミックス展開を強化するとしており、これについては自社キャラクタのメディアへの売り込みとマンガなどのコンテンツの取り込みの両面から行なっていくという。こちらも比較的低年齢層が中心となるのではなかろうか。
そして中期的なテーマとして、ナムコらしい発想の出てくる開発体制を作ること、そして新規事業の設立、軌道に乗せることなどを挙げている。新規事業に関してはネットワークエンターテインメント、CGアニメーション、ハイテク玩具などだという。同社はこれまでネットワークゲームに関しては消極的な雰囲気だったが、高木氏によれば「全領域においてネットワークを推進するよう言ってあり、プレイステーション 2、ニンテンドーゲームキューブ、Xboxそのほか、どの分野でも対応できるようなっていて、既にあるところまでは完了している」とコメントしている。
2月に開催されたソニー・コンピュータエンタテインメントの発表会でも複数のネットワークゲームタイトルが発表されていたこともあり、着実に開発が進められているようだ。また、Xboxに関する認識について「マイクロソフトはハードウェアが一定数に達した段階でネットワークに移行すると言っているので、そうなれば注力していかなければならない」と応えており、やはりここでもネットワークがひとつのキーワードとして登場している。
このほかでの注目発言としては、これまで業務用で開発されたものを家庭用に投入してきたが、今後逆転することもあるという。例えば家庭用で発売されたものを業務用としてなんらかの展開をはかるといったことだ。また、最近の流れといえばそれまでだが、グローバル化の推進も発表された。米国での商品展開の強化は当然だが、欧州に関して言えば、米国、日本のソフトのウケがよいことから販売力の強化を行なっていくという。これにはコンテンツの多重利用も挙げられる。
最後に、先日発表された「鉄拳」の映画に関する質問がアナリストからあり、これに応えた。それによれば「『鉄拳』の映画に関しては投資は行なわない。ただし、『鉄拳』に関して言えばソフトをワールドワイドで展開していくので、世界観を壊されたくない。なので、脚本の段階でこちらからものを言える立場は確保している」としており、基本的に映画の製作は映画会社が主導となって行なわれるようだ。
□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
(2002年4月22日)
[Reported by 船津稔]
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