ロボットの祭典「ROBODEX2002」公開!! |
開催地:パシフィコ横浜 展示ホールB
パーソナル型ロボットや関連する最先端の要素技術を紹介する展示会「ROBODEX2002」が3月28日から31日までの4日間、横浜のパシフィコ横浜において開催される。27日には関係者や報道関係者に開幕に先立って特別内覧会が行なわれた。1年半ぶりの開催となるが、前回に比べ格段の進化をみせた数多くのロボットが出展された。
展示会には、トミーやツクダオリジナルといったおもちゃ関係のメーカーからソニー、ホンダといったロボット最前線の企業まで数多くのメーカーが名を連ねている。特別内覧会で行なわれた記者会見において、ホンダの平井常務が「日本人がロボットに対してアレルギーを感じることが少ないのは、小さいときからアニメなどで親しみがあるからではないか」といった発言があった。今回出展されているロボットの断片にも、まさにロボットアニメから影響を受けたであろうデザインが散見できる。
ある意味、夢を創造してきた“おもちゃ”も展示会で多数出展されている。若干、現実がおもちゃに追いつきつつある感があるが、手軽な値段で最先端の技術が楽しめるという点では非常におもしろい分野だ。GAME Watchでは基本的におもちゃに近いロボットを中心にレポートする。
■ 鉄板の上をのしのしと歩く“ロボット”ラジコン「マグダン」
今回デザイン的にも、最も良くできていたおもちゃロボットはこの「マグダン (magdan)」だろう。ちょっとレトロっぽいというか、いかにもロボットらしいデザインのマグダン。基本的に前進と後退、左右旋回しかできないが、そのあゆみは非常にしっかりとしており、腕を振りながら足を持ち上げて2足歩行する。操縦は2chラジコンで行なわれるが、ラジコンの操作範囲はおもちゃと言うことであまり遠くはないという。
身長は25cm、体重400g。歩幅は6cmで毎秒1歩となっている。これをモーター1個で行なっている。しかし、これだけしっかり歩くのはどういった技術かというと、意外な秘密が隠されている。実は足下が鉄板になっており、足の裏にセットされた電磁石によって地面に吸い付くようになっているのだ。これにより倒れることなく歩いているわけだ。もちろん下が鉄板でなければ歩くことはできなくなると言うわけ。この技術は「電磁吸着歩行システム」として特許申請中となっている。
今回の「ROBODEX2002」で出展したのは京都大学工学部に在籍している高橋智隆氏。実はこの「マグダン」、ラジコンメーカーの京商が製品化することで合意しているという。価格は15,000円程度を予定。もちろんこれにはロボットだけでなく下の鉄板も含まれており、30cm程度のパネルを張り合わせてフィールドを作ることになるという。
基本的に前進と後退、左右に曲がっていくのみ (2ch) 。手を振りながらバランスよくのしのしと歩く。秘密は足下にある。実は足下が鉄板になっていて、足の裏にセットされた電磁石により地面に“くっつい”ているわけだ |
■ ソニーのまん丸いロボット「ヒーリング・クリーチャー Q.taro」
こちらはソニーが現在開発中の“癒やし系”ロボット「ヒーリング・クリーチャー Q.taro」。まん丸で、コロコロと転がっていく。本体には32個の赤外線センサーや光センサー、磁気センサーなど多数のセンサーが搭載されており、そばにいる人を感知。通常は休んでいるが、人が近づくと反応し行動を開始する。
また、お腹が空くと携帯電話の電波を頼りに“巣 (充電器) ”に自動的に近づき、自分で充電するといった機能も搭載されるという。また、ウォークマンとつなげると音楽を聴いてダンスする音楽好きな面も持つ。本体は直径17cmで重さは1kg程度。
ちなみにまん丸なのにどうやって動くのだろうか? まず、本体は内側の球体と外殻との二重構造となっている。内側の球体は外側の球体とは接していない。基本的に浮かんでいる。内側の球体には2つのボールがセットされており、これが外側の球体と接している。動くときにこのボールを動かすと外の球体に力が伝わりコロコロと目的の方向に移動するという仕組みだ。
まだ試作の段階で、製品化の時期や価格は教えてもらえなかった。今回出展された試作機は内側の球体に青や赤などのカラーがあり、かなりバリエーション豊かだった。さらにライトがあちこちにセットされており、それらが明滅する感じや、のんびりと動く様子は部屋の中をゆらゆらと移動するクラゲに似ていた。
センサーで人を感知し近寄ってくる。お腹がすくと勝手に巣に戻っていく。ライトを点滅させながらコロコロと転がっていく様はなんとなく不思議な感じ。これでぱたぱたすれば“ハロ”と言えなくもない…… |
■ このほかにも各社メーカーが注目製品を出展
【ツクダオリジナル】 | ||
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ツクダオリジナルは「PINO」シリーズの最上位機種「PINO DX」を出展。音声合成機能を搭載し、人の声に反応して日本語を喋るという。発売は少し先に延びて7月発売となっている。価格は1万円代後半を予定。写真右は腕や足回りのパーツを組み替えて対戦が楽しめるロボットシリーズの最新機種 |
□「ROBODEX2002」のホームページ
http://www.robodex.org/
(2002年3月27日)
[Reported by 船津稔]
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