いよいよ完成間近!! 鮮やかな神々の力がプレーヤーを虜にする
ファンタジーRTS「Age of Mythology」、ほか2本

2月27日開催

会場:Las Vegas Seven nightclub

 今回のイベントで最多数のプレスを集めたのはやはり「Age of Empires」シリーズの開発元として知られるEnsemble Studiosの最新リアルタイムストラテジー「Age of Mythology」だった。
 ゲーム自体は昨年のGame StockやE3などでプレイアブルバージョンがすでに公開されているが、RTS界のカリスマ的存在である同作のリードデザイナーBluce Shellyが直々にゲームの解説をしてくれる、というおまけ的要素にクラクラ来たプレスも多かったようだ。
 本稿では、「Age of Mythology」の魅力をさらに一段掘り下げて紹介していくとともに、日本での発売は微妙ながら米国では根強い人気を誇るシミュレータ2本をまとめて紹介する。


■ 1時代に1度限りのゴッドパワーの使い方が勝負の鍵を握る新感覚RTS
 ~「Age of Mythology」

通常ユニットとMythological Unitが入り乱れて戦うAoMの戦闘。騎馬部隊の動きの格好良さはAoEシリーズのそれをを見事に踏襲している
 「Age of Mythology(以下、AoM)」は、昨年のE3で公開されて以来、全世界のRTSファンの熱い注目を浴びている次世代RTSの最右翼に属するタイトルだ。欧米での発売時期は今年の9月、価格は49.95ドルとしている。
 インターフェイスや基本的なゲームシステムは「Age of Empires」シリーズを踏襲する一方で、フル3Dのグラフィックエンジンを採用し、ゲームの舞台をリアルワールドからファンタジーへと移している。これにより、前2作であった表現的な縛りが一切解放され、「これがAoEの3作目か」と思えるほど、異なった趣の作品に仕上がっている。対抗馬の「Warcraft III」同様、劇的な進化を遂げたタイトルといっていい。
 今回プレイしてはっきり感じたが、AoMはAoEシリーズの延長線上には存在しない、まったく別のゲームだ。

 ゲームに登場する文化(従来の“文明”の大項目的呼び方)はギリシャ、エジプト、ノース(北欧)の3つ。そして各文化ごとに3種類の文明が用意され、計9パターンの文明が登場することになる。各文明はそれぞれ信仰する神が異なり、これが文明の個性になっている(詳細は不明ながら文明特性は別に用意されているようだ)。

 ゴッドはユニットとしてゲーム内には直接姿を現す存在ではないものの、ゴッドパワーと呼ばれる特殊能力を使って、直接的間接的に自らの文明をサポートできる。ゴッドパワーの使用タイミングはプレーヤーが決め、その使用回数は4段階用意されている時代で各1回ずつとなっている。ゴッドパワーは「ライトニング」「トルネード」「メテオストライク」「ワープゲート」ほか、降雨、食用豚の召還など、全部で30種類が用意されている。

 ゴッドパワーの使い方は、各ゴッド別に画面上部に表示された4つのアイコンから任意のひとつを左クリックで選択し、使う場所を右クリックで指定してやればいいだけ。たぶん、ショートカットを使って瞬間発動も可能なはずだ。4つのゴッドパワーは、攻撃、防御、経済といった各カテゴリから1つずつチョイスされている。攻撃系のゴッド、経済系のゴッドということはなく、ダメージやレンジ、効果をもたらす過程などに違いはあれど、状況に応じて投入するパワーを使い分けることができる仕組みだ。このあたりの仕様はAoEシリーズで培ってきたRTSジャンルにおけるノウハウを存分に活かしている印象だ。

 それではAoMは「初代AoEを3Dにして、神の要素を付け加えたRTS」かというと、まったく違う。ここがおそらくAoM最大の魅力になるはずだが、神話ユニット(Mythological Unit)が数多く存在する。生産コストは、新しい資源「Favor」(信仰)で、Favorをためることによりタイタンやミノタウロス、グリフォン、メデューサ、ペガサスなど、文字通り一騎当千のパワーを備えたMythological Unitの生産が可能になる。

 Favorの獲得方法は実にユニークで、3文化とも方法が異なる。ギリシャは寺院で祈りを捧げることで、エジプトはモニュメントを建造するたびに、そして後にバイキングとなるノースは戦闘を行なうことによりFavorを獲得する。ほかの資源は木、金、食料の3つがあり、これらを集めて国家を育成しながら、来るべき決戦に備えてFavorの獲得も忘れないという、この点だけを見てもAoEとはプレイスタイルがかなり異なることがわかる。

 デモンストレーションでは、エジプトのMythological Unitキメラが村人たちを吹き飛ばしながら突き進むのに対して、ライトニングボルトで倒していた。Mythological Unitの倒し方はいくつかあって、ひとつはゴッドパワーの使用、もうひとつはMythological Unitで対抗するという方法、そしてもっともスマートな方法が最強のアンチユニットであるヒーローを投入することだ。ヒーローは1人しか存在せず、通常タイプのユニットの仲では最強をほこり、かつMythological Unitに対する聖なるパワーを秘めている。

 このようにAoMは、多彩な戦闘スタイルと、複雑な矛と盾の関係を網羅し、シンプルながら実に個性的でダイナミックな戦闘を愉しむことができる。AoE IIの拡張版に当たる「Rise of Nations」のように経済的要素は薄く、この点でAoMは従来作どおり、戦闘重視、速攻メインのゲームスタイルになるのは間違いなさそうだ。

左から順にギリシャ、エジプト、ノース。海岸線では潮の満ち引きが表現され、山腹には滝が作られ、水が瀑布となって落ちる様子が見られる。3Dグラフィックの美しさはこれまでのRTSの中でも最高の部類に属する


■ あらゆるゲームテクノロジーを投入した本格ゴルフシミュレータ
 ~「Links 2003」

 「Links 2003」は米国でもっとも長い歴史と伝統を持つゴルフシミュレータ「Links」シリーズ最新作。日本ではいまひとつセールスがふるわなかったことから、今回の日本語版の発売は微妙らしいが、米国ではEAの「Tiger Woods」と人気を2分する人気作となっている。

 今回の新しい要素はグラフィックエンジンの一新、打ったボールのリアルな弾道計算、3Dオーディオの採用、GPS採用によるリアルなコースの再現などなど、「Tiger Woods」とはまた違った路線でリアリティを追求した作品になっている。

 グラフィックはフォトリアリスティックさを重視し、プリレンダリングした3Dモデルを配置して、3D臭さのない自然な感じを生み出している。掲載画面にゴルファーが映ってないのが残念だが、ゴルファーのスイングや、バンカーショットの際に舞い上がる砂埃なども実にリアルな感じで、見せ方のテクニックで不備が目立った前作に比べ、明らかに一皮むけた「Links」らしい作品といえる。

 全米で活躍するプロゴルファーと一緒にプレイできるのも魅力のひとつだが、残念ながら日本人プレーヤーは未収録。発売時期は今年の年末頃になるということだ。

ビジュアル以外のリアリティにもこだわった「Links 2003」。日本での発売は望み薄だが、ゴルフファンならプレイして損はない大作だ


■ 米国ならではのファンに向けたサービスパック
 ~「MechWarrior 4: Inner Sphere Mech Pack」

 「MechWarrior 4: Inner Sphere Mech Pack」は、Mechと呼ばれるロボットを操り様々なミッションに挑戦するロボットシミュレータ「MechWarrior 4: Vengeance」の最新アドオン。ただし、その中身はアドオンというより、アップデータレベルの内容で具体的には新しい機体4体と、新しいアイテムの追加、闘技場風のアリーナマップの追加、となっている。

 価格は9,95ドルで、今春発売予定となっている。今回のアドオンは、予定されたプロジェクトではなくファンの要望に応えてという性質のものだというからおもしろい。本編「MechWarrior 4: Vengeance」はマイピックより日本語版が発売されているが、Mech Packの日本語版の発売はまずないと考えて間違いないだろう。

マップはMech Packで収録される新マップ。マルチプレイをより深く楽しむためだけの目的で提供されるアドオンだ

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□Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/games/
□「Microsoft International Game Festival」のホームページ
http://www.microsoft.com/games/gamesfestival/
□「Age of Mythology」のホームページ
http://www.microsoft.com/games/gamesfestival/redirects/age_of_mythology.asp
□「Links 2003」のホームページ
http://www.microsoft.com/games/gamesfestival/redirects/links_2003.asp
□「MechWarrior 4: Inner Sphere Mech Pack」のホームページ
http://www.microsoft.com/games/gamesfestival/redirects/mech_paks.asp
□関連情報
【2月27日】Microsoft、次世代PCゲームを一堂に集めたイベント「International Game Festival」をラスベガスにて開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020227/igf.htm
【2月28日】Microsoft International Games Festival開催 初公開タイトルを含めて、10作品を展示・デモ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020228/migf1.htm

(2002年2月28日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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