SCEI、「PlayStation Meeting 2002」を開催 |
「ファイナルファンタジーXI」の説明を行なったスクウェアのプロデューサーの田中弘道氏とディレクタの石井浩一氏 |
プレゼンテーションを行なった久夛良木健SCEI代表取締役社長兼CEOは、昨年末にISPとの提携を発表したときと同様、思ったよりも早い時期にブロードバンド時代が到来したことを強調。今後、ブロードキャスト (放送) も含め動画、音楽などすべてブロードバンドに集約されていくとの持論を展開した。また、ブロードバンドをハードウェア的なインフラとして捉えるのではなく、コンテンツも含めどのように楽しめるのかを考えていかなければならないと説明。各種コンテンツの中でもゲームをその中心的な存在として、今後サービスを押し進めていきたいと発言した。
ブロードバンドを推進するにあたり重要なのはコンテンツの配信だが、久夛良木氏は「すべてをブロードバンドで配信できるとは考えていない。まず最も進んだ配布方法としてソフトはパッケージ販売する。その上で常時接続のブロードバンド環境に接続し楽しんで欲しい」と現状の商習慣への配慮も含め、パッケージ販売と併用するビジネスプランを改めて強調した。
ゲームそのものに関しては「これまでアクションとかRPG、シミュレーションといったジャンル分けを行なってきたが、今後はネットワークに接続し、どのような形態で楽しむのかといった分け方になるのではないか。たとえば、多人数参加型であるとか、通信対戦なのか、コミュニケーション型、データ追加型など、遊びのスタイルによって分類されることになる」とこれまでとゲームの遊びが変わることを示唆した。
いくつかのタイトルに関しては各社開発者が登壇し簡単に解説。まず最初に登壇したのはスクウェアの「ファイナルファンタジーXI」の説明を行なったスクウェアのプロデューサーの田中弘道氏とディレクタの石井浩一氏。「気が早いので、ブロードバンドの概要がはっきりしていない2年前から開発をはじめ、βテストまでやっときた。ネットワークは生き物なので、DVDのような固定のメディアでは表現できずHDDがどうしても必要だった」とコメント。石井氏は「ネットワークゲームは単純にチャットだと思っていたが、やってみると『放課後、誰とあそぼうかな』といった子供の頃に感じたワクワク感を感じて感動した。遊ぶ世界を提供できることは嬉しい」と語った。現状の進行状況は詳しく説明されなかったが、「製品版のマスターに取りかかろうかな」といった進行状況だという。
続いて登場したのがポリフォニーデジタルの山内一典氏。「GT オンライン (仮) 」についてコメントした。ネットワークゲームについては「ブロードバンド環境と言うことで贅沢にデータ転送することもできるが、PS2の画像描画機能を使えば少ないデータ転送でゲームをすることは可能。データの送出側の問題もあるので、少ないデータ転送で多くの人が一度に遊べるシステムを構築する」とコメントする一方で、「ゲームは制作に時間がかかるため、リアルタイムに更新することが難しい。でもネットワークを使えばリアルタイムに更新することが可能となる」と差分データ配信の可能性を示した。
「GT」次回作の進捗については「年内に方向性を示せたらなと思う。DVD-ROMで発売し、差分をネットワークで配信することになるだろう。現在はどういったシステムにするのか、DVD-ROMとネットワークでのデータの振り分けはどうするのかと言ったことを検討している」とかなり具体的に説明した。
SCEIからはプロデューサーの小林康秀氏が「みんなのGOLF オンライン」を発表。ゴルフゲームとネットワークは親和性が高いと説明し、「たとえば、チャットで相手にプレッシャーをかけるなど、ネットワークゲームになることでゴルフ本来の楽しみを実現できる」とコメント。現在発売中の「みんなのGOLF 3」で運営されている「みんGOL.net」でのノウハウをうまく生かして「敷居の低いネットワークゲームを目指す」と抱負を語った。
カプコンの船水紀孝氏は「auto modellista」の説明を行なった。ネットワークで自分の作った車などを他のプレーヤーと交換するといったコミュニケーションやレース、観戦など、ネットワークを使った色々なたのし味方を提案するようだ。
そしてここで電撃的に公開されたのが「バイオハザードNetwork」。詳しいことは明らかにされなかったが「バイオハザード3までのラクーンシティを舞台に脱出する市民の物語となっている」と解説した。
最後に登場したのがコーエーのシブサワコウ氏。。コーエーが発表したのは多人数参加型RPG「信長の野望 オンラインRPG」。基本的にはこれまでの国盗りのシミュレーションではないという。このほかに公開されたこととしては戦闘システムが特徴的なことと、プレーヤーの行動により領主などの対応が変化していくという。発売は2002年の秋を予定している。
このほかにもムービーでいくつかのタイトルが発表されている。ナムコの「プロジェクト・ビーナス (仮)」は人類の最後の100日間を描いた物語。画面を見た感じでは「7(セブン) ~モールモースの騎兵隊~」の雰囲気に近いシミュレーションのようだ。また、「3Dフライトシミュレーション (仮) 」は機体やミッションをネットワーク配信するという。コナミは実況シリーズをはじめとしたスポーツゲーム、そして音楽ゲームをネットワーク化していくという。
このとき問題なのは、ISPによって遊べないゲームがあるかどうかだ。この件については現状では“ない”とは言えない。つまり、ISPがゲームメーカーと直接話を進めた場合、そのISPでしかゲームを楽しむことが出来なくなってしまう可能性があると言うことだ。SCEIの佐藤明氏は「ゲームメーカーはどこのISPでも遊べるようにする方向性でいる。『みんなのGOLF オンライン』はどのISPでも遊べるようにする」とコメントしているが、他メーカーに関しては全くないとは言い切れず、メーカー単位としている。一度ISPと契約し、プレイしたいゲームが他のISPでしか遊べないとなったときユーザーとしては契約し直すしかないわけで、なんとか解決して欲しい点ではある。
ISPごとのサービスの違いで言えば、久夛良木氏は「ISPによってはハードディスクに各種ソフトをインストールして出荷することもあるかもしれない」という。ユーザーのそれぞれの志向にあったISPを慎重に選ぶことになりそうだ。
具体的なスタートについてはソフトの完成次第としており、ゲームの開始は5月以降のスタートとなるようだ。ただし、データの差分をダウンロードするタイプの利用方法であれば4月中旬からスタート可能だという。
■ 今年もゾクゾクと新作タイトルがプレイステーション 2で発売!!
基本的にメーカーに対する発表会であったため、すでに明らかにされてはいいるが出荷台数の発表、DVD-ROMの製造価格の引き下げ、ロイヤリティのディスカウント方式の変更など……。
この中でユーザーにとって最も注目なのは、今年発表される予定のタイトルが一部公開されたこと。新規タイトルも数多く含めれ夏にはSCEI「XI爆発 (仮) 」、「ぼくのなつやすみ2」、ナムコ「太鼓の達人 (仮) 」、「ニンジャアサルト」、「テイルズ・オブ・デスティニー2 (仮) 」、EAS「ロード・オブ・ザ・リング/指輪物語」、ハドソン「桃太郎電鉄11」、タイトー「電車でGO! 旅情編」などなど……かなりのタイトルが発表となっている。
正確な発売日はわからないが、色々楽しみなタイトルがズラリ勢揃いしていて、今から楽しみだ。
【プレイステーション 2用2002年発売予定タイトル】 | ||
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(2002年2月13日)
[Reported by 船津稔]
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