★ GBAゲームレビュー ★
■ 4種類のパワーアップを選択して、戦闘開始!
全装備共通のパワーアップは、自機の移動が速くなる「スピードアップ」と、自機と同じ攻撃を行なう「オプション」の2つ。「スピードアップ」は最高5回、「オプション」は最高4つまで同時に付けることができ、1度付けてしまえば自機がミスするまで無くなることはない。「オプション」は敵の攻撃や地形などに対して完全に無敵なので、敵の出現位置にうまく配置すれば有利にゲームを進行できる。この「オプション」装備時の圧倒的な攻撃力がもたらす爽快感は、本作の大きな魅力の1つだ。 ゲーム中にザコ編隊や赤い色の敵を倒すと「パワーアップカプセル」が出現し、これを取るごとにその数に応じて画面下の「パワーメーター」が点灯する。これが欲しいパワーアップの位置にある時にパワーアップボタンを押せば、そのパワーアップを取得することができる。
■ 宇宙空間に広がる様々なステージ
また、巨大なボスとの戦闘も迫力十分。こちらもステージ道中に負けない様々なアイディアが盛り込まれており、岩の外装を破壊すると中からコアが現れるステージ1ボス、ガラスが飛来するステージ2ボス、炎の中からライオンが出現するステージ3ボスなど挙げればきりがないが、奇想天外な攻撃を仕掛けてくるのでどのボスも一見の価値あり。 攻撃パターンを解析したうえで正面きって真っ向から戦いを挑むもよし、影に隠れたり遠い場所からセコセコ戦うもよしと、プレーヤーによって色々な攻略が可能だ。ある事に気が付けばそれまで苦労していた攻撃が一気に楽になるなど、プレーヤーの征服感を満たしてくれる仕掛けも心憎い。また、ステージ8のレクシオンコアなど、多くの形態があるボスでは途中でミスしても最初の形態に戻されてしまうのではなく、ミスした形態からの再スタートとなる点も非常に親切だ。 カートリッジにバックアップ機能が付いており、1度進んだエリアであれば、次にコンティニューでゲームを再開する際、どこからでも選択してゲームを始めることができる。これは2週目以降も選択可能。非常に細かくエリアが分かれているのが印象的で、どこからでもプレイできるというのはとても親切な設定だと思う。何と言っても携帯ゲーム機、これなら電車で移動中などの短時間でも、充実したプレイを楽しめること間違い無し。小さいことだがこういった部分は非常にうれしい。
■ 新しい機能「ヒントモード」 これはいわゆるお手本のスーパープレイが見られるもの。プレイしていて一定の場所で行き詰まった時にこれを見れば、突破への道しるべになるというわけだ。ゲーム雑誌や攻略本を買わなくてもよいうえに、実際のプレイをすぐに見られるのはとても便利。実際に参考になったことも多かったし、この試み自体は高く評価したい。初心者プレーヤーを置いてきぼりにせず、サポートしているという点だけでなく、上級者にとっても色々な攻略法を見て楽しめる観戦モードとしても十分耐えうる物だ。ただ、あえて難を言うとすれば、ヒントが装備限定なことと、一部ヒントで必要以上にテクニックを要求するものを提示していて、攻略法という面では物足りない部分があったのは少し残念。新しい試みである点や、容量などを考慮するとこの辺りはしかたがない部分なのかもしれないが……。今後、同社から発売されるシューティングやアクションのジャンルのゲームに、このヒントモードが搭載されることに大きく期待したい。
■ 埋め尽くそう「チャレンジモード」 本編とは別に2つの「チャレンジモード」が用意されている。このモードの内容は、1つの区間ごとにクリアしていくというもので、1チャレンジにつき1機のみで、必ず装備無しの状態からのスタートとなる。全ステージ全カ所の「復活」をやると想像してもらえばいいだろう。通常のゲームモードで、ノーマル以上の難易度で573,000点以上を出せば「チャレンジモードA」をプレイすることができる。パワーアップシューティングでは、例外を除いて、通常はフルパワーアップ時の爽快感が気持ちよくても、ミスをした後の貧弱になった状態が楽しいということはないだろう。グラディウスシリーズのフルパワーアップ時の強さと、初期状態の貧弱さのギャップは激しく、往々にして一度ミスするとやる気が萎えてしまうものだ。しかし、実は自機が弱い状態で臨むステージやボスには、難しくてもまた違った面白さが隠されている。自機が貧弱だからこそ敵の行動パターンを分析する必要があるし、地形や仕掛けなども通常よりさらに理解してパターンを作っていかなくてはいけない。このパターン制作の過程はある種のパズルであり、頭を使わせてくれる面白いところ。 苦労してパワーアップを重ねて先のステージまで進んでも、ミスをして装備がなくなると、いわゆる復活をしなければならない。チャレンジモードは、このシリーズを通して辛いマイナスイメージのつきまとう要素を、うまくエクササイズ仕立てにして採り入れている。実は筆者がプレイして本編と同等かそれ以上にのめり込めたのはこのモードで、予想以上のボリュームにうれしい悲鳴をあげた。 また、このモードは携帯機の特性を最大限に活かしたものでもある。電車などでの移動中でも、ほんの短い時間で充実したプレイを楽しめ、エリアごとにクリアして表を埋めていく征服感にはなんともいえない楽しみがあった。また、チャレンジモードにはAとBがあり、チャレンジAをオールクリアすればチャレンジBをプレイすることができ、これもオールクリアすれば高難度のエクストラステージを遊ぶことができるようになる。余談だが、シリーズのファンへのサービスとして、遊び込めば、初代グラディウスの曲なども聞くことができる。
撃ち返し弾を考慮に入れたパターン作りというのは、それまでとは違ったアプローチが必要となる。これが復活と同じくパズル的なおもしろさを最大限に引き出してくれ、本作でも見事に映えている。そして2周目以降では、撃ち返し弾以外にもいくつかの変更点があり、地形が変わっているステージとしては、落ちてくる山に出口を塞がれる地底火山ステージや、ボスの攻撃では攻略の変更を余儀なくされたステージ4のボルボロスなどが印象深かった。 ヒントモードを採用するなど、遊びやすくして初心者を救済しながら、チャレンジモードやエクストラステージを用意して長期間遊び込むコアな層にも対応させているところがいい。GBAで良作のシューティングで遊びたければ、迷わず本作を選んで間違いないだろう。
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□コナミのホームページ (2002年2月6日) [Reported by 河本真寿美] |
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