セガ、ネットワークコンテンツと配信システムをISP13社に供給

2月4日 発表

 株式会社セガは、ゲームなどのPCアプリケーションのネットワーク配信を可能にするシステムを通信事業会社(ISP)13社へ供給し、技術および検証試験を開始することに合意したと発表した。
 コンテンツについては、セガを含めた計16社が検証試験への供給を予定。セガは関西マルチメディアサービス株式会社(サービス名称:ZAQ)と日本テレコム株式会社(サービス名称:J-DSL)と共同で、それぞれ2001年12月より開発子会社が供給する「ファンタジーゾーン」、「フリッキー」、「バーチャコップ2」、「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド2」、「ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド」といった5タイトルのモニター試験を開始している。

 セガは、オープンISP方式を採用したネットワークゲームのビジネスモデルの構築に着手している。これは、セガがPCゲームソフトやアプリケーションなどのコンテンツ、および認証などの基本配信システムを各ISPに供給し、その運営手数料としてロイヤリティを事業者から徴収する。コンテンツ制作会社はセガからソフト代金を受け取り、エンドユーザーはコンテンツの利用料を各々が契約するISPに対して支払うというもの。

 コンテンツは各ISPのサーバーで管理されるため、利用者はソフトを購入することなく必要なときだけ利用できる。ソフトは暗号化やブロック処理を経て配信されるため、ユーザーは必要最低限のデータを受け取った時点で起動できる。残りのデータはプレイ中でもダウンロードが可能で、これにより待ち時間を短縮することができるという。
 利用料は契約するISPから接続料などと一緒に清算できるため、従来のECサイトのようにクレジットカード番号を入力する手間などが不要になる。

 コンテンツ制作会社は、既存もしくは新規コンテンツの配信をセガに依頼することで、ネットワークに関する開発部分を負担する必要がなくなる。サーバー認証やデータ暗号化により、不正利用や無断コピーの防止にもつながるという。利用ごとにサーバーへの接続が必要とされることから、ISPはソフト利用料金の一部を継続的な収益源とすることができるとしている。

 同社は、今後もモニター試験を順次展開して検証を行なうとともに、ゲーム、映像、音楽といった供給コンテンツ数を増やし、より収益性の高いネットワークビジネスモデルの構築を図るとしている。セガでは、提携する全ISP16社が擁するブロードバンドユーザーの総数を、2002年度末で約540万人、2005年度末で約1,700万人と想定している。

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□ニュースリリース
http://sega.jp/release/nr020204_1.html

(2002年2月4日)

[Reported by 北村孝和]

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