★ PS2ゲームレビュー ★

3Dになってアクションの爽快さもパワーアップ!
「マキシモ」

  • ジャンル:アクション
  • 発売元:株式会社カプコン
  • 価格:通常版6,800円
  • プラットフォーム:プレイステーション 2
  • 発売日:発売中(2001年12月27日)

【ゲームの内容】
 アーケード、コンシューマで名を馳せた名作アクションゲーム「魔界村」にインスパイアされた作品で、3D化されたステージで冒険を繰り広げるアクションゲーム。イラストレーター・松下進氏をキャラクタデザイナーとしてフィーチャリングしたことでも話題を呼んだ。40種類以上のパワーアップアイテムや特殊能力により、プレーヤーは成長し、新しい鎧やトランクス姿、「年寄りマキシモ」や「赤ちゃんマキシモ」になったり見た目も変化。武器や防具もパワーアップするという、「魔界村」テイストを継承しながらも新たなアクションゲーム像を目指した作りになっている。



 発売日から少し時間が経ったので、もうゲームの概要を知っている人も多いと思う。ここで改めて、ひと通りざっとプレイした感想を交えながら、「マキシモ」の面白さについて解説したい。

 本作は、純粋な3Dアクションゲーム。主人公マキシモは剣を振り回し、盾で身を守り、ジャンプで足場を渡って、各ステージをクリアしていく。ぶった斬って、突いて、敵を蹴散らして疾走する感じがたまらない。自分が気に入ったのは、何と言ってもこのアクションの爽快さだ。二段ジャンプで空中高く飛び上がり、下突きで敵を木っ端微塵に粉砕する爽快感や、剣を振った直後にスティックを一回転させて繰り出すスピニングアタックなど、キャラクタを操る気持ちよさが気に入っている。

 本作は頭を悩ませる地形に関する謎解きはほとんどなく、純粋にアクションの技術を必要とされるタイプのゲームだ。謎解きがないと言っても、何も考えなくていいという訳ではない。ザコ敵に対してですら、ただ剣を振り回すような戦い方をしているとどんどん体力が削られるので、敵に応じて戦法を考えて攻撃方法を使い分けることが要求される。


 地獄からの使者と渡り合い、黄泉の国で戦え!

松下進氏によって描かれた愛嬌あるキャラが、3DCGとなって駆け回る。マキシモの相方となる死神などの脇役も、人間味あふれる表情でストーリーを盛り立てる
 全体を通して非常におどろおどろしい雰囲気を持つ本作は、同社の「魔界村」の持つ雰囲気を引き継いでいる。ニューゲームを始めるときに流れるサウンドが魔界村のアレンジ曲なので、知っている人は「おっ」と思うだろう。「何もない場所でジャンプすれば……?」といった魔界村でさんざん試したアクションも、想像通りなところがニクイ。装備がはがれてパンツ1丁になってしまったときの緊張感、その時、ヤマカンでジャンプして偶然出現した宝箱から鎧をゲットしたときの嬉しさなどは相変わらず健在だ。

 とは言っても、主人公は今までのシリーズで活躍したアーサーではない。本作は、雰囲気は共通しているが、続編というよりはアナザーストーリーという感じ。全く知らない人でも、問題なくプレイできる。

 主人公は勇敢な戦士にして心優しき王子、マキシモ。信頼していた軍師アキリーに裏切りられ、邪悪な力をもって国を奪い、婚約者のソフィア姫までもがアキリーの手に落ちた。国土を取り戻し、姫を救出するため、マキシモは魔王アキリーの居城を目指すのだ。


 5つの世界を駆けめぐる冒険アクション

 それでは、ゲームの内容について説明していこう。

  • エリアの構成

     戦いの舞台は5つのエリアで構成されている。墓場、ジャングル、氷の世界、黄泉の国、アキリーの魔城の各エリアの最後にはボスが待ち構えている。

    1つのエリアには、広場とボスのステージも合わせると6つのステージがある。各エリアにはボスの居場所へと繋がる広場があって、広場から各ステージへワープしたり、セーブを行なう エリア内の全てのステージをクリアすれば、広場の中央でボスが待ち受ける塔へのゲートが開く。つまり、どのステージから攻略するかは選択できるが、避けて通れるステージは1つもない ボスを倒すと次のエリアに進むことができ、広場のセーブポイントからクリアした各エリアへとワープできるようになる

    同じステージに何度もトライできるので、慣れたステージで鍵やコイン、ライフといった消耗品を貯めるといい

  • ステージ内容

     ステージはほぼ1本道となっており、スタート地点からゴールを目指して敵を倒しながら進んでいく。道中でやるべきことは、コインやアイテム、スピリットの回収。そして各ステージ最後に設置されたスピリットエナジーコレクターを破壊すればステージクリアとなる。鍵のかかった門は、どこかにある鍵を見つけよう。敵が持っている場合もあるし、どこかに置かれている場合もある。

     また、クリア後に表示されるステージ攻略率は、クリアとは関係ない分岐も網羅しなくては100%を達成できないようだ。

     集めたコインは、アイテムやプレーヤーのストックを買うことができるだけでなく、何とセーブを行なうにも必要となる。地獄の沙汰も金次第なので、しっかり稼いでいこう。

     またスピリットを50個集めれば「デスコイン」が1枚手に入り、このアイテムはコンティニューのときに死神に渡さなければならない。スピリットはほのかな光を放つモニュメントに封印されているので、見つけたら破壊して回収しよう。コンティニューは回を重ねるとデスコインを要求される枚数が2枚、3枚と増えていくので、あまり調子に乗って何度もコンティニューしすぎると後々面倒なことになる。

    ライフゲージが1つ以下になるとアーマーを失って、パンツ1丁になってしまう! これはかなり危険な状態なので、早くアーマーを購入するか、拾うかして調達しよう

  • アイテム、アビリティ、装備のこと

     マキシモの装備は、アーマー、シールド、ソードの3つ。道中ではこれらを強化するアイテムが入手できる。

     また、戦いを有利にするアビリティを入手したら、マキシモをパワーアップさせることができる。シールドをブーメランのように投げる「シールドショット」や、突き降ろしの衝撃波の威力を高める「ワイドショックウエイブ」など役に立つものが数多くある。取って損する物はないので、どんどん拾っていこう。数が多くなれば、優先して使いたいものをアビリティ画面で選択しよう。

     シールドとソードにはそれぞれ異なる役割を持つゲージが用意されている。シールドは、敵の攻撃を防御すると耐久度が減り、ゲージがなくなると壊れてしまう。ソードはアイテムを取ってクリスタルの色が変化している間は、アイテムの効果を発揮するが、シールド同様ゲージがなくなると効果が切れる(ソードは壊れてなくなることはない)。

フレイムソードをゲット! 赤いクリスタルの周囲にゲージが充填される 敵の攻撃を受けると、ライフの下にある青いシールドの耐久度ゲージが減少していく


 敵それぞれにベストな攻撃方法で倒していこう

 この作品は、3Dアクションという意味ではニンテンドウ64の「ゼルダの伝説」に似ているが、さらにアクション要素に搾りこんだチューニングになっていると感じられる。謎が解けずに袋小路に陥って右往左往する、ということはない。飛び移るタイミングが悪い、戦い方がヘタといったことでライフを失うことはあるのだが、これはプレーヤーが腕を磨けば回避できるわけで、プレイしていて非常に納得がいく。

 それぞれの敵に対して、攻撃方法を考えさせられる点が面白かった。各エリアに共通で出現するザコ敵の骸骨兵士を例に挙げると、一番最初に遭遇するタイプは素手で殴ってくるだけで、適当に剣を振り回していれば倒せる。だが、そのバリエーションとして剣と盾を装備したタイプ、斧を投げてくるタイプ、地中に消えて背後に出現するタイプなど、様々な骸骨兵士が現れる。これらは外見は似ているが、同じ戦い方をしては即ダメージを受けることとなるので、装備品や色で見分けてそれぞれに応じた対策を考えることが必要だ。スピニングアタックがいいのか、突き降ろしがいいのか、縦切りか横切りか、しかもタイミングは?等、それぞれに有効な方法で戦えば、ダメージを受けなくなっていく。

 要所に関所のように立ちはだかる中ボスには、弱点を狙わないと倒せないものもいるので、どこを狙うかが考えどころ。

 特にエリアボスは、マキシモの様々なアクションを試して弱点を探していくところが楽しかった。特に地形を利用して倒すボスなどは、最初はそんな倒し方をするとは想像もしていなかったので、見つけたときの喜びは大きかった。

最初は距離感がつかめなくて多少とまどう敵も、対策を考えればダメージを受けずに済む。少しずつ削られる体力が、塵も積もれば山となることを忘れずに! 通路のど真中に立ち塞がる敵。どこが弱点か、よーく考えてみよう 巨大なボスは、それぞれ個性的な攻撃方法で襲いかかってくる。押してダメなら引いてみる、というようにあらゆる手段を試せば倒す方法が見つかるだろう

 さて、プレイ中に気になった点を挙げるとすれば、視点の仕様だろう。

 背後視点の場合、走り回ってカメラがマキシモを前から捕らえているとき、L1ボタンを押すと、マキシモの後ろから見る位置に戻る。しかしこの時、マキシモの居る場所によってはそれができない。例えば背後が壁と密着していて、カメラが回り込めないような場合がそれ。そんなとき、前方から敵が来るのがわかっているのに視点を変えられずストレスを感じた。

 そして同様のことが主観視点でもおこる。R1ボタンを押すとこの視点に切り替わり、左スティックを動かすと首を振ってあたりを見回せる。これは目の前の段差を確認したり、飛び移る足場の距離を測るには非常に便利。ところが、ボタンを押したときに背後や横に壁があると切り替えられない。例えば城の外壁などに張り付いて狭い足場から前方の足場にジャンプしたい時など、距離を測りたいのに視点が変えられないということがあった。マキシモのアクションが絶品だからこそ、視点の切り替えがままならない時にもったいなさが感じられたのだろう。

 しかし視点については、カメラがキャラから遠いお陰で、得することもあった。崖っぷちの真下の壁面がどうなっているか見たいような時に、マキシモを足場ギリギリに立たせて崖を背にした状態で後ろから見た視点にすれば、壁面を確認することができるのだ。崖の下に通路があるかないかなどを確認するには便利で、これは痒いところに手が届くという感じだった。

こんなふうに壁に接着している場合、視点を変えようと思っても背後にカメラが回りこまないため、正面を確認できなくてちょっと歯がゆい こういう位置でL1を押して、マキシモの後ろから見た視点にすれば、崖下や壁面をある程度見渡すことができる


 一通りクリアし終えても、攻略パーセンテージを上げるために隠れた通路を探したり、やり足りないところを埋めていく楽しみがある。3Dアクションでこってり遊びたい人には、是非プレイしてもらいたい。

 ボスを1人倒すごとに、魔法評議会の委員が1人ずつ解放されるのだが、このとき3つのアイテムのうちどれかひとつだけ選択させてくれて、選んだものを与えてくれる。その中に「◯◯のキス」という謎のアイテムがあり、評議委員4人全員分のキスを集めると何か起こりそうな気配。目下、これが非常に気になっているところだ。



(C)CAPCOM CO., LTD. 2001 ALL RIGHTS RESERVED.
CHARACTER BY (C)2001 SUSUMU MATSUSHITA COMPANY/MASTER LICENSOR DREAM RANCH INC.

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□製品情報 http://www.capcom.co.jp/newproducts/consumer/ps2maximo/
□関連情報
【2001年10月29日】カプコン、「マキシモ」の初回特典はなんと“勇気のパンツ”
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011029/capcom2.htm

(2002年2月4日)

[Reported by 河本真寿美]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.