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CES会場レポート |
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開催日:1月8日~11日 (現地時間)
米国ネバダ州ラスベガスで1月8日から11日まで開催されている消費者向け電化製品の展示会CES(Consumer Electronics Show)の会場には、家電やオーディオ、PC関連製品を含めて実にさまざまな製品が出展されている。今回、その一角で、ちょっと変わったUSB接続のグローブ型のゲームデバイスが展示されていた。
グローブ型デバイスというとファミコン用のパワーグローブが思い出されるが、Essential Realityが今年度の発売を予定しているグローブ型デバイス「P5」は、デスクトップ据え置きの赤外線センサーで手の高さや回転をキャッチすると共に、5つの指にそったベンドセンサー(折り曲げセンサー)で指の折り曲げなどを感知する。
空間の読み取りに関しては、グローブの甲の部分に、手の上下左右、前後の動きや回転をキャッチする米粒大のセンサーが複数あり、これをデスクトップの赤外線装置で読み取る。そして、5本の指に沿った5つのゴムべら状のベンドセンサー(折り曲げセンサー)では、手を握ったり開いたり、指を曲げたりといったアクションを補足する。ベンドセンサーではインクを利用した新技術が利用されているとのことだが、詳細は教えてもらえなかった。これに関してはパテントをとっているという。
使用する際は、P5の先端にあるリングに指を通し、甲にP5の手甲部分をあてて、手の内側をベンドセンサー用のコードでくるりと固定して装着する。実際に装着した感じだが、アメリカのゲームデバイスらしく大振りに作られているため、手が小さい私は指を曲げるのに不必要な筋肉を使うことになり、やや苦労した。だが、隣でP5を試用していたアメリカ人男性にたずねたところ、指の一本一本にベンドセンサー用のゴム板がフィットして、手との一体感がすばらしいとのことだった。
デモのひとつにはRage Softwareの「Incoming」というPCのシューティングゲームを使用していたのだが、上下左右の急激な振りへの補足がやや遅く、多少、無理をしてゲームをしているような気がしないでもない。ただし、指先を引き金を引くようにちょっと引くだけで、ドバドバと弾が発射されて敵を打ち落とせるのは楽しかった。
また、EAの「Black&White」を使用しての実演では、元々、マウスで地面をつかんで動かすとプレイヤーの視点が移動するという操作システムが採用されているゲームのため、グローブ型のP5を握りこんで手を動かすと実際に地面をつかんで動かしているような感覚がし、ゲームの中の動きとのシンクロ率が高くて気持ちよかった。
P5はPCにドライバを入れるだけで、ゲームデバイスとして認識され、マウスやそのほかのさまざまな動きを登録できる。P5の機能をすべて生かしきるにはゲーム側開発の段階で対応しなければならないので、現時点ではP5の真の力を確認することはできない。すでに発売されているゲームで利用する場合は他のゲームデバイス同様な使い方になる。物を握ったり指を曲げたりといったP5ならではの動きを利用した、完全対応ゲームでの威力を早く見てみたい。
第一世代のP5はまずWindows 98/2000用に発売され、ライセンスや技術的な許諾が得られ次第、PS2やXbox対応P5も発売したいとのことだった。また、MacintoshやLinuxなどにも順次対応していきたいとしている。担当者にゲームキューブへの対応について尋ねたが、USBポートのないゲームキューブでは専用のアダプタが必要になるため、現時点では何とも言えないとのことだった。
発売は今年度中で130ドル程度の価格で発売が予定されており、同梱で発売するようなゲームが製作され次第発売されるという。デストリビューターの名前は教えてもらえなかったが、日本では6月中に発売予定とのことだ。
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P5の手に装着する部分。手の甲のボタンはスタートボタンなどの機能を割り振る予定とのことだ | P5の実演風景。ゲームとの相性が悪いのか、俊敏な動きにはやや無理があった | デモではノートPCに接続して動かしていた |
(2002年1月10日)
[Reported by 西尾ゆき]
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