★ PS2ゲームレビュー ★
さて、私自身は業務用はすでにクリアしているので、家庭用オリジナルの新要素が気になって仕方なかった。そこで、まずは新しく追加されたモードの1つ、「トレーニング」モードから見ていこうと思う。 ■ レベルマークを3にするといいことがある「トレーニングモード」 始めに手を付けたのが、この「トレーニングモード」。ミニゲーム集のようになっていて、最初は3つのゲームしか選択できないのだが、クリアしていくことで次々とゲームが増えていく。また、それぞれのミニゲームには3段階のレベルが用意されていて、レベルマークを3つにするといいことがあるらしい。早速レベルマークを3にしてみると様々なご褒美が入手できた。手に入るものは「スペシャルモード」で使用できるアイテムや、「ハンターズファイル」で収集するファイルなどだ。この3段階というのがミソで、段階を経て難度が上がるトレーニングをクリアすることで、実力アップできる。
合計17のゲームは4つの階層に分けられていて、階層が深くなるにつれ、基礎から応用へと進んでいく。アイテムの入手を第1に考えると、簡単なトレーニングではそれほど大したものはもらえないが、難しい階層のトレーニングをレベル3までクリアすると、かなりおいしい権利が手に入る。それは、「スペシャルモード」内のショップで、これまで売っていなかったアイテムを購入できる権利。つまり店屋にこれまで無かったアイテムが増えるのだ。 ここで購入権利を獲得できるアイテムの中には、「スペシャルモード」を手っ取り早く進めていくにあたって非常に便利なものも数多く用意されている。また、お笑いアイテムなどもあり、つい収集熱をあおられる。 筆者はアーケードに親しんでいるだけに、とりわけキャラクターのファイルや設定資料が見られるようになるのには興味をそそられた。業務用は操作法を知るにも筐体に貼られたインストラクションカードだけで、家庭用のように詳しい説明書は無くロケーションだけで得られる情報はごく限られている。主人公が何物なのかとか、ボスクラスのキャラクターが吐くセリフの意味などは、インストやデモからなんとなく想像するしかない部分も多いのだ。しかも、本作はビジュアルも美しいだけに、絵やキャラの情報を集めてファイリングできるのは非常に嬉しいものがある。
腕の上達にあわせて、「トレーニングモード」と「スペシャルモード」を行き来して、レベルマークを増やすことと依頼をこなすことを交互に繰り返すのもいいのではないだろうか。筆者の場合はせっかちなので、「トレーニングモード」で先にアイテムに関して満たせる条件は満たしてしまった。
■ アイテムを利用して楽しめる「スペシャルモード」
しかしここへきて、はなから高価な品物の購入権を持っていても、銀を持っていなければ買い物ができないということに、プレイを開始してはたと気付いた。結局、地道に依頼をこなして報酬の銀を受け取ったり、チャプター2以降では置物を破壊するとランダムで出現する銀もせこせこと拾い集めることからスタート。
この「スペシャルモード」は、武器を装備したりあらかじめ選んだアイテムを利用して、村人からの依頼をこなしていくミッションクリア型になった「アーケードモード」といったところ。具体的には、ゲームをスタートすると村人が依頼を持ち込むシーンから始まる。ステージ内で依頼を達成すれば、報酬として銀やアイテムなどをもらえるので、そのアイテムを使用したりショップで銀を使って装備品を購入し、更なる高難度の依頼処理に当たるという流れになっている。使用するステージはアーケードモードと全く同じで、村人から依頼を受けた場合は特定のある場所に村人の捜し物が落ちていたり、所定の地形を撃つと扉が開いたりする。依頼された内容に関係する場所を探すには、村人の依頼内容に大抵場所に関するヒントがあるのでそれを参考にして探索しよう。
村人(時には犬!)からの依頼内容は、「アーケードモード」でガッチリ統一されたゴシックホラーの世界観に比べると、程よくコミカルだ。手早く依頼をこなすコツとして、依頼を受けられるだけ受けて処理にあたれば、同じ場所を何度も通る手間を省ける場合もある。依頼は4つまでストックできるので、まとめて処理に当たりたければゲームスタートしたら1度ゲームオーバーになって、再び本モードに入りなおせば次の依頼を受けることができる。効率よく進めようと思うとこれがいいようにも思うが、ちょっと面倒であることも確かだ。 依頼は、達成した段階でミッションコンプリートの文字が現れる。そこで更に処理するべき手持ちの依頼が残っていない場合は、わざとゲームオーバーにして次の依頼を受けにいくというやり方もある。また、無理に終わらせずに置物を破壊しまくって銀やアイテム稼ぎをするのもいいだろう。そうすることで、偶然発見できるステージ分岐もあるかもしれない。何と言ってもこのモードでは、ステージ内の分岐の存在がわからないことには永遠に達成できない依頼もある。村人がくれるヒントの場所に想像がつかない場合は、まだ知らない分岐があると疑ったほうがいいかもしれない。 個人的に依頼を達成して面白かったのは、墓場の近くの雪山に隠れた秘密の扉。撃つと突然なめらかに雪の真っただ中から建物が突き出てくるのには笑った。また、小動物の捕獲を依頼してくる、金のねずみや赤いコウモリを集めている村人が非常に気になる。この人の正体を知りたくてたまらない。
■ 世界観で魅せる「アーケードモード」 最後になったが、「アーケードモード」は、今更ながら1つの物語を見ている感覚でプレイできた。何度も言うようだが、本作は実にビジュアルが綺麗なゲームだ。背景がぼんやりして遠近感がある建物を背景に人が登場するシーンや、最初に遭遇するボスの第1段階の攻撃で、陽炎のようにゆらめく中から出現する表現などは何度見ても美しいと思う。通常、説明に傾倒しがちなデモも、シーンごとに切り替わるカメラワークが効果的で、雰囲気を非常に大切にしている。画面は、得点表示など余計なものを排除し、ライフ回復もわかりやすい救急箱にせずにあえて十字架にして、世界観を大事にしている。
それでも、徹底した世界観や美しいビジュアルで本作を好んでいた人も多かった。筆者もヴァンパイアには苦しめられたが、ラスボスはある程度強くあってほしいと思うし、肉の芽狙撃も少し練習して撃ち抜けるようになればすごく面白いと思う。ゲーセンでは思う存分できなかったという人も、本作なら購入しさえすれば何度でもプレイできる。ゴシックホラーの世界観が好きならば、買いだと思う。
個人的には、今のところ様々なモードでプレイを進めることで集まっていくファイルの収集に熱を上げている。本作ではアイテムを集めたり、ファイルを増やしてのんびり楽しみたいところだ。コンプリートするにはどうやら1コインクリアを避けて通れないようだが、家庭用にはアイテムという強い味方がついているので、有効に使って楽しく遊びたいと思う。
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□ナムコのホームページ (2001年12月13日) [Reported by 河本真寿美] |
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