「KAMEX 2001」レポートその3
韓国でナルシスティックなアミューズメントマシン発見

会期:12月7日~10日 開催

開催場:韓国COEX

 韓国のゲームがどういった状況なのかを垣間見ることができる「KAMEX 2001」。弊誌では矢作氏のレポートでお伝えした通りだが、ここでは日本にはまだない、ちょっと変わり種を詳しく紹介しよう。


■ CGダンサーになれる新しいプリクラ? 「AVA STUDIO」

 1つ目は「AVA STUDIO」というアミューズメントマシン。「KAMEX 2001」のブースを覗くとアニメ調のバニーガールのようなキャラクタが大きく張り出されている。ところが置かれているマシンを見るとその画面にはそんなキャラクタは見られず、むしろリアリスティックな3DCGのキャラクタが踊りまくっている。日本のプリクラなどに比べると比較的すっきりした筐体の下の方には「CD……」と書かれた取り出し口がある。どうやら、なんらかのCDをくれるマシンなのだが、すべてハングルで書かれているためよくわからない。

 しばらく人が遊んでいるのを見ていると、このマシン「AVA STUDIO」の謎がわかった。「AVA STUDIO」は、まず最初に自分の分身となるアバター (Avatar) の服装 (体型も含まれる) 、髪型、性別などを入力。その後マシンの全面に取り付けられたライトがパッと派手に点灯し、筐体に取り付けられたカメラで顔の写真を3回撮影。その中から自分の気に入った1枚を選択。その撮影した顔写真を若干位置調整するとCGのアバターの顔の部分に自動的に貼り込んでくれるのだ。作業をすべて終了すると画面上では、自分の分身となる自分の顔写真が貼り込まれたアバターが勢いよく踊りまくってくれる。
 実はこの踊っている間に、筐体内では8cmCD-Rに先ほどのデータとPCで再生用のアプリケーションが焼きこまれており、1コーラス (2分程度) で下のCD取り出し口からカタンと出てくるのである。

 この8cmCD-Rにはアプリケーションが2本収録されている。「MissPlayer.exe」を起動するとアバターの踊りを色々な角度から観賞できるアプリケーションが起動する。一人で踊るか、バックダンサーを付けるかといったキャラクタの選択と背景の選択、そして収録されているMP3の曲を選択すると画面上ではダンスがスタートする。カメラワークは自動で変化するが、“C”キーを押すことで自分の自由にカメラを切り替えることが出来る。グッとアップにしたり引くことができたり、グリグリグルグルマウスで視点をリアルタイムに変更することができる。
 もう一つのアプリケーション「MySpriteLE.exe」はデスクトップアクセサリとして、自分の分身が画面の隅っこのほうで存分に踊りを披露してくれる。ループで踊らせることができるなど、いくつかのフィーチャーも用意されている。

 対応OSはWindows 95/98/ME/Xp/2000となっている。さてこのソフト、驚いたことにある程度日本語で表示されるのだ。というのも開発元によれば、現在、日本でもパブリッシャと交渉中で、今後日本のゲームセンターなどで見かけることになるかもしれないのだ。韓国においては12月には稼働開始となり、1回3,000ウォン (300円程度) が予定されているという。日本ではもうすこし高くなるかもしれないと言うことだが、ここで作られた3DデータはゲームやIMT-2000でのアプリケーションなどにも利用することができる優れものなのだという。

 日本での利用料金にもよるが、このダンサーの踊りがかなり面白く、一度は試してみる価値があると思う。

結構すっきりした筐体。「AVA STUDIO」と書かれた中央の黒いアナがカメラ。下の方にはCD取り出し口が見える 写真撮影時には左右のライトが点灯する。このあたりはプリクラと同じ 目の位置や鼻の位置、口の位置などを微調節する
これが取り出された8cmCD-R。アニメ調のキャラがよくわからない MissPlayer.exeを起動して全画面表示にしてみた。記者は写真撮影時にふざけて撮影したら案の定気持ち悪いキャラクタになってしまった。しかしこのキャラが気持ち悪いほどにカッコイイ腰のうねりを見せてくれる!! このグルービィな踊りは必見……かも。バックダンサーのアニメ調キャラがこれまたふしぎな感じ
これが「MissPlayer.exe」。少々使いにくいことは確か…… こちらはMySpriteLE.exe。デスクトップ上でこれまた素晴らしい踊りを披露してくれる


■ カラオケボックスの発展形? 自分の踊りをDVDなどに撮影できる

 もう一つは「DBD-3000」と呼ばれるマシン。こちらは基本的にカラオケの発想で作られたマシンだ。ボックスの中に入ると曲が流され、それに合わせて踊るとその踊りを撮影。リアルタイムで背景映像と合成してくれる。さらにはその合成映像をVideo-CDやDVDに記録してくれるシステムを作り上げているのだ。ちなみに「DBD-3000」の“DBD”はDANCE WITH BACK DANCERの略なのだそうだ。

 さすがに年輩の方には踊るのは辛い人だっているだろうし、踊りがうまくない人だっているだろう。ということで、同様のシステムで、ズバリカラオケ編も用意されている。ちなみに見ていると、カメラは複数台用意されており、自動的に切り替わり、出来上がった映像はまるでカラオケのビデオそのままの仕上がりとなっていた。

 「AVA STUDIO」にしてもこの「DBD-3000」にしても言えることだが、日本にくらべナルシスティックなマシンが多く見受けられた気がする (音ゲーのプレイする人々にも同じ傾向を感じた) 。これが国民性の違いというヤツだろうか……。

「DBD-3000」の外観。これは扉を閉めたところで思ったよりは小さい感じ 撮影するために扉を開けてもらったところ。このように中で踊りまくる。ちなみにデモしていたときは中の映像がすべて外に放送されており、さすがに恥ずかしくてプレイできなかった

□KAMEX 2001のホームページ(韓国語)
http://www.kamex.or.kr/

(2001年12月10日)

[Reported by 船津稔/Photo by 矢作晃]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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