★ ファーストインプレッション ★
■ 「霊と戦う」アクションはシンプル。まさに命綱であるカメラシステム
あまり霊力を蓄えずにシャッターを切ってしまうと、霊はすぐに体勢を立て直して襲って来るし、シャッターチャンスを逃すと攻撃自体ができなくなる。いうなれば、タメ撃ちワンチャンスのガンシューティングだ。 戦闘に関しては序章でレクチャーがあり、ゆっくりと移動する霊での戦闘が組み込まれてあるのでのみこみやすいだろう。ファインダー画面の中央にあるロックサークルは、霊が出現すると霊の中心位置へと移動する。姿をくらましながら接近してくる霊もいるので、このロックサークルをキャプチャーサークルの中に捉えるようにするのがコツ。 また、カメラには戦闘の他にも大切な機能がある。カメラを構えているときは画面上部に、構えていないときには画面右下に「フィラメント」が表示されている。このフィラメントが「青」になったときは、深紅が向いている方向に霊力を帯びた場所があるということ。「黄」になったときは、霊がいるということを示している。光の強さによって、反応した対象物との距離がわかり、接近すればより明るくなるし、遠ざかったり方向が異なる場合は光は弱まる仕掛け。いわゆる霊力に関するレーダーの役割になっている。 霊を攻撃すると、カメラに霊力を吸収できる。霊力を多く吸収すれば、キャプチャーサークルを大きくしたり、霊力のチャージタイムを短くする、チャージする霊力の上限を上げる(=多くダメージを与えられる)などの基本能力の強化が行なえる。また、封印を解くことで霊の動きを遅くしたり、攻撃時に霊を遠くに吹き飛ばせるなどの補助能力を「霊石」を使うことで使用できるようになる。
■ 制限された環境を意図的に作り上げることによる“恐怖”の演出 序盤をプレイして、このゲームが生み出している“恐怖”は、視覚、聴覚に訴える一種の制限による環境作りが生み出していると感じた。 まず画面が“暗い”作りになっている。頼れる明かりは主人公・深紅が携帯する懐中電灯と、室内にちらほらあるロウソクなど限られており、見通しもあまりよくない氷室邸をこの2つの明かりを頼りに移動せねばならない。カメラアングルも巧妙に深紅の動きに合わせて変化し、必ず「恐いもの見たさ」の興味を生み出すようなアングルになる。 カメラを構えての主観視点ではさらに視界は制限され、静かに忍び寄ってくる霊はかなりの迫力だ。 そういったことを体験していくと、普段、ロウソクに照らし出された自分の影がチラッと映ってビックリしたり、薄暗い部屋の奥に足を踏み入れようとして背後を霊がチラッと通り抜けてあせったり……と勝手に体が反応してしまうようになる。しかし、それは苦痛ではなく、いわゆる「肝試し」の気分。ドキドキしながら先に進みたい、そして怖いという気分がないまぜとなったあの感覚である。 それはなぜか? それは深紅が携行するもうひとつのアイテム、カメラのおかげである。フィラメントのおかげで、戦闘時以外にも直接はこちらに襲いかかってこない霊の撮影、つまり、非常に悪趣味な言い方かもしれないが霊のコレクションまでもが可能となっており、やり込み甲斐を感じさせるものになっているのは大きい。 さらにB.G.M.が前面には出てこないが常にプレッシャーをかける作りになっており、事態によって霊の雄叫びやドアの開閉音などが独自の立体音響システムによってまさしく効果的に飛んでくるというあたりも一種の制限といえよう。ふっと気が抜けたときに背後で「バタン」という音がしたときの、あの恐怖が見事に実現されている。 また、深紅や真冬の霊感能力が発現する触れたものの霊の記憶が再生されるシーンなどは映画化もされたドラマ「NIGHT HEAD」を思い起こさせるフラッシュバックによるインパクトの強い動きの激しいシーンが連続し、普段のシーンを「静」とするならこちらは戦闘シーンともども「動」の要素を持っている。この2つの要素がマンネリになることなく積み重ねられていくところに、アイテムなどによる謎解き、ストーリー展開が織り込まれており、飽きることなくプレイを堪能できた。
■ ムービーも公開 テクモさんからプロモーションムービーを提供いただいたので、ここで掲載しよう。ゲームの雰囲気を味わえるだけでなく、戦闘の様子などもわかるように作り込まれたムービーはまさに必見の出来栄えとなっている。
(C) TECMO,LTD.2001
□テクモのホームページ (2001年12月6日) [Reported by 佐伯憲司] |
I |
|