DVDプレーヤーとゲームキューブが合体 |
価格:オープン価格 (PanaSense価格 39,800円)
12月14日に発売が予定されている、ゲームキューブ互換機能を搭載する松下電器産業のDVD/GAME Player「Q」。その発売に先駆けて、Qのデモ機を入手したので、Qのハード面の仕様やゲームキューブ互換機能などについてチェックしてみたいと思う。
● 本体
シルバーボディと前面の鏡面仕上げが特徴のQ。ゲームキューブは、立方体をイメージしたコンパクトなキューブデザインを採用している点が特徴となっているが、Qも同様にキューブデザインを採用し、ゲームキューブのデザインが踏襲されている。
ただし、そのボディは、ゲームキューブよりもかなり大きくなっている。本体サイズは、ゲームキューブの150×161×110 (幅×奥行き×高さ) に対し、Qは180×217×198 (幅×奥行き×高さ) 。体積はゲームキューブの3倍ほどだ。ゲームキューブとQを並べておくと、Qの大きさがかなり目立つ。また、大きさだけでなく本体重量も約3kgと、かなり重くなっている。
ゲームディスクやDVDディスクなどのセット方法が、フロントローディングのディスクトレイ式になっている点もQの特徴の1つだ。ディスクトレイには、ゲームキューブのゲームディスクや8cm音楽CDをセットするための溝と、DVDディスクや12cm音楽CDなどをセットする溝の2つの溝が用意されている。これは、一般的な音楽CDやDVDデッキのディスクトレイと全く同じ構造のものだ。
ボディ前面には、ディスクトレイ以外に、電源ボタンやディスクトレイのオープンボタン、サウンド設定や映像設定用のボタン類と、ゲームキューブのコントローラ接続端子が4個、メモリカードスロットが2個用意される。また、本体上部には、DVDビデオや音楽CDなどの再生コントロール用ボタンが用意される。
本体後部には各種接続端子が用意されているが、ゲームキューブの出力端子とは若干異なっている。ゲームキューブはアナログAV出力端子とデジタルAV出力端子が用意されているが、QにはデジタルAV出力端子しか用意されていない。そのかわりQには、コンポジットとSビデオの映像出力端子が1系統ずつと、アナログステレオサウンド出力が2系統、光デジタル音声出力が1系統、さらにサブウーファー用の出力端子がそれぞれ用意される。そして、DVDビデオの再生映像やゲームキューブのゲームの映像や音声は、これら出力端子から直接出力される。つまり、ゲームキューブのように、専用の接続ケーブルを用意する必要はなく、一般のビデオ/Sビデオケーブルやサウンドケーブルを利用して接続すればよい。ちなみにデジタルAV出力端子には、ゲームキューブ用のコンポーネントビデオケーブルまたはD端子ビデオケーブルを接続して利用できる。ただし、デジタルAV出力端子から出力される映像はゲームキューブの映像のみで、DVDビデオの再生映像は出力されない。
ゲームキューブ本体後部にあったアーチ状の取っ手は、Qでは本体後部ではなく本体上部に用意されている。そして、取っ手部分の前部には液晶ディスプレイが用意されている。
この液晶ディスプレイには、DVDビデオや音楽CDなどを再生する場合の時間表示やトラック表示、Qに用意されている各種機能の状態表示などに利用される。ちなみに、ゲームキューブのゲームをプレイしている場合には、基本的に「GAMECUBE」と表示されるだけで、プレイしているゲームの情報などが表示されるというようなことはない。
本体底面には、ゲームキューブ同様に2系統のシリアルポートとハイスピードポートが用意されている。ゲームキューブ用として将来発売されると思われるモデムやネットワークアダプタなどの周辺機器がそのまま利用できるはずだ。
ところで、本体左側面にはゲームキューブ同様空冷ファンが取り付けられているが、このファンの音はゲームキューブのファンよりもかなりうるさく感じる。今回利用したのはデモ機のため、製品版では改善される可能性もあるが、若干気になる部分だ。ただし、このファンはゲームキューブモードの時にのみ動作し、DVD/CD再生モードでは止まるようになっている。
● 操作
Qを利用するときに気になるのが、ゲームキューブのゲームとDVDビデオの再生をどのように切り替えるのか、という点だろう。結論から言うと、利用時に切り替えボタンでモードを切り替える必要がある。
本体右下に用意されている「GAME」ボタンを押すとゲームキューブモードに、本体上部の「DVD/CD」ボタン(再生ボタンも兼ねている)を押すとDVD/CD再生モードにそれぞれ切り替わる。また、付属のリモコンにも切り替えボタンが用意されている。
ところで、各モードの切り替えボタンは、ディスクトレイにディスクが入っていない状態でなければ働かないようになっている。つまり、ディスクトレイにゲームキューブのゲームが入っていて、ゲームをプレイしている場合などには、DVD/CDボタンを押してもDVD/CD再生モードには切り替わらない。同様に、DVD/CDモードでディスクトレイにDVDディスクや音楽CDなどが入っている場合にも、GAMEボタンを押してもゲームキューブモードに切り替わらない。モードを切り替えたい場合には、基本的にディスクトレイを開ければよい。このあたりは、誤動作を防ぐための配慮だろう。
ちなみに、このモード切替によって、内部のハードウェアの動作が完全に切り替わっているようだ。つまり、Qにはゲームキューブの基板とDVD/CD再生用の基板が内蔵され、モード切替ごとにそれぞれの基板が動作するようになっているわけだ。そのため、ゲームキューブのコントローラを利用してDVDビデオや音楽CDの再生をコントロールしたり、付属のリモコンでゲームキューブのゲームを操作するといったことはできないようになっている。
また、先ほども書いたように、本体裏面のデジタルAV出力端子からは、ゲームキューブの映像しか出力されない。DVDビデオの再生時にはデジタルAV出力端子からは何の信号も出力されず、コンポジットまたはSビデオ出力端子からのみ映像信号が出力されることになる。つまり、DVDビデオのプログレッシブ再生には対応していないわけだ。
ところで、一点だけQオリジナルの機能が用意されている。それは、ゲームタイマー機能というものだ。30分から120分まで30分刻みに設定でき、タイマー設定後に設定した時間が経過するとブザーが鳴るようになっている。このゲームタイマー機能で強制的にゲームを終了させられるわけではないが、子供にゲーム時間を決めてプレイさせたい場合などに便利だろう。
● 設定メニュー
設定メニューは、ゲームキューブモードとDVD/CD再生モードのそれぞれに用意されている。ゲームキューブモードの設定メニューは、ゲームキューブの設定メニューと全く同じものだ。Q用のオリジナルメニューはない。
また、DVD/CDモードの設定メニューは、松下電器産業が発売しているDVDプレーヤーの設定メニューと全く同じものだ。ちなみに、音声出力の設定で、DTSの出力がオフになっているので、DTS対応のDVDビデオを再生させる場合には、あらかじめ設定メニューでDTS出力をオンにしておく必要がある。もちろん、ドルビーデジタルやDTSの出力は光デジタル音声出力端子からのみ出力されるため、別途ドルビーデジタルデコーダやDTSデコーダを内蔵するAVアンプなどが必要となる。
設定メニューや内容もゲームキューブのものと同じだ |
□松下電器のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn011019-1/jn011019-1.html
□「パナセンス」のページ
http://www.sense.panasonic.co.jp/
□「DVDGAME.JP」のページ
http://www.dvdgame.jp/
(2001年11月30日)
[Reported by 平澤寿康]
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