★ PCゲームファーストインプレッション ★

童話の世界をそのままゲーム化したような
元気いっぱいのアクションRPG

ツヴァイ!!

  • ジャンル:アクションRPG
  • 開発/発売元:日本ファルコム
  • 対応OS:Windows 95/98/Me/2000/XP
  • 発売日:12月20日


 日本ファルコムの新作アクションRPG「ツヴァイ!!」が、12月20日にいよいよ発売される。ツヴァイ!!とはどういったゲームなのか、その魅力とはどの辺にあるのか、最新画面とともにたっぷりお伝えしていきたい。


■ 極めて個性的なふたりが織りなす冒険活劇「ツヴァイ!!」

ツヴァイ!!のヒロインピピロは、良い意味でも悪い意味でも我々の期待を裏切ってくれる。甘いもの好き
 ツヴァイ!!は、「アルジェス」と呼ばれる浮遊大陸を舞台としており、そこで平和に暮らす少年少女を主人公に物語が展開していく。一見普通の見えるこのふたりの人物造形が実にユニークで、少年ポックルはしっかり者だがダジャレ好きで綺麗なお姉さんに弱く、少女ピピロは魔法の天才らしいが本人のやる気はゼロで、異様に醒めた目で世の中を見ている、といった具合。

 ふたりは、両人の詳しい間柄は不明ながら、ひとつ屋根の下に共に暮らし、常にふたり一緒に行動している。物語は平和な一日から始まり、ふたりはいつものように勉強するために教会へ赴くことになる。彼らが暮らすプック村にはたくさんの村人が生活を送り、教会へ行く前に彼らに話しかけることができる。

石像を盗みだす、覆面の男。何の前触れもなしにいきなり魔法攻撃を仕掛けるピピロがいい感じである
 ところが村人たちと会話を行なうと、ポックルのどうでもいいダジャレとか、ピピロの醒めた意見や余計な突っ込み、あるいはふたりのやりとりなどが展開され、肝心の情報収集がろくに進まない。柔らかい雰囲気で満たされた透明感の高いBGMや丁寧なサウンドエフェクト、キャラクタの軽快な動きなど、よくよく見ればファルコム節全開のつくりなのだが、当の主人公たちの反応に関してはまったくの予想外で、肩すかしを食わされた気分だった。「なんなんだ、このゲームは」というのが私の第一印象だ。

 しかし、彼らが教会で勉強を終え、日も傾いてきたころ、平和な村にひとつの大事件が起きる。村はずれのアプリエス神殿に奉られている6つの石像が、「謎の覆面男」によって盗まれてしまうのだ。来るべき大冒険活劇に燃えるポックルと、ポックル程度じゃ雑魚モンスターにやられるのがオチと彼の意気をへし折るピピロ。「まずは1人で冒険に出るのかな」と思わせておいて、報奨金が出ることがわかったピピロは素早く前言を撤回、こうしてふたりは浮遊大陸アルジェスを股に掛けた冒険へと旅立つことになるのである。

まずは2人と1匹の名前を決める。デフォルトではポックル、ピピロ、タマになっている。タマは犬と猫から選べ、攻撃補助や敵が落としたアイテムの回収など、ふたりの身の回りの世話をしてくれる便利なペットだ

家を出て歩道を進むといきなり断崖絶壁で、遙か下方に雲がゆっくりと動き、さらに下には大陸が見え、ここが浮遊大陸であることに気づかされる

とにかく話を引っかき回しまくるピピロ。完全にツヴァイ!!のムードメーカーと化している


■ 食べ物を食べて成長する異例のレベルアップシステム

美しい景観が広がる浮遊大陸アルジェス
 村を出ると、アルジェスが一望できる全体マップに切り替わる。全体マップには敵は出現せず、気の赴くままに浮遊大陸を自由に駆け回ることができる。アルジェスには森や草原、砂漠、火山、古代遺跡など、近くまで行くと「!」マークが表示される領域があり、そこで右クリックを押すと中に入ることができる。

 中は複数の階層に分かれたモンスターの巣窟となっており、まずはレベル上げのために彼らを繰り返し倒していくことになる。ツヴァイ!!は、レベル上げに必要な「EXP」の考え方が根本的に違っていて、いくら敵を倒してもEXPは入らない。EXPは倒した敵が残していく食べ物を食べることによって獲得できる。

 食べ物には、おにぎり、たこ焼き、するめ、プリン、レモンなど獲得EXP別に多数用意されており、ふたりはこれらを食べまくることによってレベルを上げていく。ツライのは、敵を倒しても必ず食べ物を落とすとは限らないところで、この感覚はブルーの5ルピーを求めて敵を倒しまくる初代「ゼルダの伝説」に近い印象だ。

おにぎりがいっぱい。これを食べることで経験値を獲得する
 さて、ここで簡単にインターフェイスを説明しておくと、左クリックでその位置へ移動、右クリックで攻撃、アイテムの使用は画面下のアイテムバーを右クリックすればいい。また、ダンジョンなどに入ると、画面右下に「クリティカルゲージ」が表示される。ゲージは常に激しく動いており、満タンのときにタイミング良く右クリックを押すとクリティカルヒットが繰り出せる。クリティカルヒットはダメージが2倍になるだけでなく、麻痺などプラス効果も付与される。が、狙って出せるほどのゆとりは戦闘シーンにはなく、連射しているとたまに出るといった感じだ。

また、静止した状態でしばらく待つと、左下に操作キャラのグラフィックが吹き出しヒント付きで表示される。ここで顔をクリックすると操作キャラを切り替えることができる。ポックルは鋭い突きによる物理攻撃を得意とし、ピピロは弾幕を張るように連続して魔法攻撃を繰り出せる。

 どちらが有利かはケースバイケースで何ともいい難いが、序盤に限って言えば、雑魚キャラの一掃にはポックル、攻撃を食らうと痛いボス戦はピピロといった感じだった。もちろん、操作しないキャラも攻撃に加わってくれるので、使いやすいキャラを重点的に使っても良さそうだ。この際の行動は「作戦」で決めることができ、「いけいけ」(攻撃のみ、回復しない)、「命を大切」(攻撃より回復を重視)など5種類が用意されている。

ゲームの自由度はかなり高い。話しかけることでアイテムが貰えたりするので、人に会ったら必ず話しかけておきたい。あとペットがいると何かと便利なので、戦闘に入る前に見つけておこう

自動的に更新されていく日記や図鑑のたぐい。モンスター図鑑では敵の弱点がわかるので、こまめに覗くことになりそうだ


■ ファルコム節全開のファンタジーアクションRPG

担当キャラのHPが0になるとゲームオーバーとなる
 今回評価に使用したβ版は、バランス調整やバグチェック前のもので、思うように物語を進ませることができなかった。このあたりの話はレビューに譲るとして、以下ではアクションRPGの核である戦闘シーンの印象について述べておきたい。

 結論を先に書くと、万人が楽しめる軽快なアクションゲームに仕上がっていると感じた。ゲーム解像度は640×480ドット固定で、最初のうちは狭っ苦しく感じたが、そのためにふたりのアクションや敵キャラクタたちの愉快な動きを丁寧に見守ることができ、この部分にこそツヴァイ!!の醍醐味が凝縮されている。

 グラフィックも2Dベースながら、実に丁寧に描き込まれ、特に攻撃時はもちろん、ことあるごとに画面を彩るエフェクトの数々がゲームを賑やかなものにしている。敵モンスターは、総じて捕獲してペットにしたいぐらい可愛らしく(ペットは1匹別にいるが)、大人がある程度手助けしてやることで子供でも楽しめそうな雰囲気だ。

レベルがあがり、ある程度まともに戦闘ができるようになると持ち物が食べ物で一杯になる。同じ食べ物を10個集めて、酒場のクライティーさんに渡すとより獲得EXPの多い食べ物と交換して貰える

 各ダンジョンは、たんに敵が待ち受けているだけでなく、随所に謎解きやワナが散りばめられており、いきなり敵に包囲されることもしばしばで、とにかく飽きさせないつくりが好印象だ。ちなみに、今回は試せなかったが、敵に攻撃を連続ヒットすると必殺技がストックでき、それを消費することで超必殺技(ふたり掛かりで発動)や、超超必殺技(ペットも交えて3人で発動)などを繰り出せると言うことだ。

 また冒険中に横スクロール式のシューティングゲームも楽しめるという。このあたりにくると、もはや本気なのか冗談なのかよくわからないが、ともかくも本気と冗談の微妙なところをファルコムならではの絶妙なバランス感覚で仕上げたアクションRPGがツヴァイ!!と言えそうだ。

ダンジョンには仕掛けや謎が盛りだくさん。油断するとすぐ死んでしまうが、ダンジョンは総じて愉快で楽しい。簡単操作で派手な戦闘が楽しめるアクションRPGである

※ゲーム内容および画面はベータ版のものです

(C) 2001 Nihon Falcom Corpolation.


□日本ファルコムのホームページ
http://www.falcom.co.jp/
□「ツヴァイ!!」の公式ページ
http://www.falcom.co.jp/zwei/index.html
□関連情報
【10月16日】日本ファルコム、新作アクションRPG「Zwei!!」 3大特典付きで12月20日発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011016/zwei.htm
【4月4日】日本ファルコム、春の新作ラッシュ! 「Zwei(ツヴァイ)」「イースI・II完全版」ほか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010404/falcom.htm

(2001年11月9日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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