★ワンダースワンカラーゲームレビュー★
■ へビィなアイツもラブリーに大暴れ ワンダースワンカラー発売と同時期にリリースされ、スマッシュヒットを飛ばした2D対戦格闘『ギルティギア プチ』。しかし――発売から半年あまりの時間しか経っていないと言うのに、ヤツはさらに一回りパワーアップして帰ってきた! それが、ワンダースワン下半期最大級の2D対戦格闘アクション『ギルティギア プチ2』である。 『ギルティギア プチ2』は、そのタイトルから見て取れるように『ギルティギア』をディフォルメナイズして制作された作品である。『ギルティギア プチ2』の大元のベースとなっているのは、アーケードで大ブレイクした2D対戦格闘の最高峰『ギルティギア ゼクス』(以下GGX)であり、『ギルティギア プチ2』に導入されているシステムも『GGX』に準じたものとなっている。 『GGX』といえば、ハイスピードかつハイテンションの目まぐるしいゲーム展開が好評を博していたが、それを携帯用ゲーム機で再現できるのか? とユーザーの大半が疑問に思うだろう。『ギルティギア プチ2』は、ギルティのネームバリューに“おんぶにだっこ”した名ばかりのタイトルではないのか……などという疑問を抱いているソコの君! その心配は杞憂であり、考えすぎだと言っておこう。
『ギルティギア プチ』は、なりこそディフォルメされているが、ゲーム内容は立派に『ギルティギア』している。使用するボタンは基本的に方向ボタン+ABボタンというシンプルなものであるが、ボタンの組み合わせなどにより、予想以上に豊富なアクションを繰り出すことができるのである。しかも、キャラクタの動きもクイックレスポンスで驚くほど快適! 小さいボディに恐るべきポテンシャルを秘めたタイトル――それが『ギルティギア プチ2』なのである。
■ 「2」の名が示すパワーアップの証とは? 『ギルティギア プチ』も今作で2作目を迎えるわけだが、一体どこが強化されているのか? との問いに最も顕著に応えてくれるのが「キャラクタ数の増加」という点であろう。今回登場するキャラクタは前作の約2倍、大ボリュームの13キャラオーバー! 全国的には平均的な核家族のつもりが、ふと気が付けば一気に大家族になってしまっていた……というか、まさにそんな感覚。今回参入した新キャラクタは、『GGX』で活躍中の人気キャラクタたち。御津闇慈、ジョニー、ファウスト、チップ、アクセル、ザトー・ONEという、オール野郎キャラという男気溢れる布陣である。
それぞれのキャラクタは上手くディフォルメナイズされており、かわいらしくなっていると言えども、技、動き、とれる戦法は原作であるところの『GGX』を彷彿させるものとなっている。何よりも、キャラクタの“イメージ”を損なうことなく『ギルティギア プチ』の作品世界にコンバートさせているところが凄い点なのである。覚醒必殺技や一撃必殺技も『ギルティギア プチ』の世界観にマッチするようアレンジがなされていて、ファンならずとも必見の仕上がりになっている。
「2」になって新しく追加されたのはキャラクタだけではない。何人のキャラクタを連続して倒せるかを競う「サバイバルモード」の追加や、11月22日にPS2で発売される『ギルティギア ゼクス Plus』とのパスワードによる連動も用意されており、前作を大きく凌ぐ遊び甲斐のある要素が盛り込まれていると言えるだろう。もちろん、2台の本体を接続して遊べる対戦モードは健在であり、CPU相手ではもの足りないプレーヤーは、人間同士の熱い戦いを楽しむことも可能だ。
■ 『ギルティギア プチ2』が“遊べる”アクションゲームになっている理由 対戦格闘ゲームなどのアクションで求められるのは、なんと言っても「快適な操作性」であろう。いかに画面が綺麗で派手な演出が盛り込まれていたとしても、プレーヤーが求める操作性に応えるだけのレスポンスアビリティがなければ、アクションゲームが持つ最大の特徴である“爽快感”が得られないばかりか、ストレスだけが募ることとなってしまう。だが、この『ギルティギア プチ2』は、想像以上の操作性を持ってして、プレーヤーの要求に応えてくれる。方向ボタンを駆使したダッシュや、空中戦の要である2段ジャンプなどの基本アクションはもちろん、攻撃ボタンをタイミング良く押していくことで繰り出せる連続技など、非常に心地いい操作感覚が味わえる。複雑なコマンド操作をこなす場合も、コマンド受付の入力時間にある程度の余裕が設けられていることもあり、小さなボタンにアタフタすることなく、確実に技を出すことができるのである。
ただし、余裕を持って操作できるとはいえ、ギルティギアシリーズは目まぐるしいハイテンポな展開が売りとなっている作品で、それを具現化するのはプレーヤーの素早い入力操作に他ならない。それはこの『ギルティギア プチ2』も例外ではなく“ギルティならでは”とも言えるプレイ感覚を再現できる点が、プチの持つ“快適な操作性”の一面でもある。キャラクタが小さいため、初めは下段や中段の区別などアクションの判別がやや難しいものの、慣れればハイスピードな攻防や熱い連続技などを存分に楽しむことができる。
原作となる『GGX』がハードな世界観描写であったのに対し『ギルティギア プチ』シリーズは、好対照ともいうべきコミカルなキャラクタ描写が光っている。『GGX』に親しんでいたファンならば、そのギャップに思わず笑みがこぼれること請け合いだ。
□サミーのホームページ (2001年10月25日)
[Reported by 田渕健康] |
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