★ PCゲームレビュー ★
「e-Racer」は、ネットワークでの車同士のバトルを重視して作られたレースゲーム。最大8人の同時プレイが可能で、観戦モードも搭載されている。グラフィックエンジンは「プロラリー2001」と同様の物を使用しているようで、車のボディへの映り込み、車の動きに合わせて首を傾げるドライバーの様子などが再現され、リアルな部分とゲームとしての楽しさを両立させようという意図が伺える作品となっている。
■ ユニークなコースで楽しめるレースバトルゲーム PCのレースゲームというと、とかくリアル指向のものが多いように見受けられるが、このゲームの場合、ショッピングアーケードや船の甲板、雪道、家の中を駆け巡るなどといった楽しいシチュエーションが用意されている。その中をごちゃごちゃとダンゴになって走りまくるというのがこのゲームの面白味といえる。 コース、車の選択肢を増やしたいなら、「CHAMPIONSHIP」モードで勝ちにいかねばならない。難易度は「amateur(アマチュア)」と「professional(プロフェッショナル)」の2つあり、アマチュアでは4位以内、プロでは2位以内で完走する必要がある。それぞれ完走のごほうびとして、「ボーナスコース」、「ボーナスカー」が手に入るようになっている。
また、データのダウンロードによって新しいコースやリプレイデータも手に入るので、長く遊べる作品になっている。
■ 練習には「ARCADE」「TIMETRIAL」モードを活用 通常、レースゲームでは、コース対自分、という状況が重視されるが、このゲームではまずコースに慣れたら、他車との駆け引きに勝たねばなかなか勝てない。壁やコーナー、そしてライバル車を利用して順位を上げる、混戦でのサバイバルテクニックが序盤でのポイントになる。そこで重宝するのが「ARCADE」モードだ。1戦ごとに気軽に参加できる形態になっているので、どんどん走り込んで駆け引きを覚えたい。
ただし、あまりガンガンぶつけることに慣れてしまうと、「CHAMPIONSHIP」モードでは車のダメージは修理費用にはねかえり、賞金から引かれてしまうので、多用は禁物。序盤はいいとしても、前走車が少なくなる後半は安全運転第一で走りたい。そのためにも、新たなコースにチャレンジするときには「TIMETRIAL」モードでコースの下見とライン取りを考えておいたほうが楽だろう。コースレイアウトから考えるに、いわゆるサーキットを走る感覚よりは、どちらかといえばジムカーナ的なイメージが浮かぶ。タイトな360度コーナーなどの多いショッピングアーケードなど、シチュエーションによってはサイドブレーキターンを多用したほうが早く走れることも覚えておきたい。
■ 豊富な視点で魅せる楽しみもあるリプレイ リプレイはレース終了後に見ることができ、セーブした後に呼び出して閲覧することも可能。ブレーキランプの光跡、タイヤスモークや、建物の間から差し込む日の光など、グラフィックの美しさもあって、非常に見ごたえのあるものになっている。
今や珍しくはないだろうが、リプレイの再生スピードの変更や、巻き戻しなどにも対応。必要十分なカメラアングルと過不足のない造りだ。
■ シンプルですぐにアクセスできる専用サーバー ネットワークプレイは、あらかじめアカウントの登録だけをすませておけば、「ONLINE」モードで直接このゲームの専用サーバーにアクセスしてくれるのは非常に親切だ。チャットが英文字しか通らないが、それほど話し込むこともなくレースをガンガン遊ぶには申し分ないだろう。 また、ネットワークプレイ時は、すべての車とすべてのコースが選べるようで、1人でプレイすれば実はまだ見ぬコースの練習になったりもする。
8人同時プレイするとさすがに重さを感じないわけではないが、パーティ気分で激走、っといった気軽なバトルが楽しめそうだ。
■ ブレーキの役割に疑問あり 今回のレビューでは、ギルモ株式会社のTHRUSTMASTERブランドの「FFB RACING WHEEL(Licenced by Ferrari)」でプレイしてみたが、このゲームのハンドルセッティングはデバイスに対して敏感過ぎる。特に後方視点からでは、拳ひとつハンドルをひねれば、ターンインどころではなく、独特のグリップ感覚もあって、あっという間に立て直し不能状態に陥ってしまう。基本的にこのゲーム、コクピット視点が基準となってステアリングレスポンスを設定しているようだが、視点ごとにある程度レスポンスのチューニングは行なったほうがいいんではないだろうか? しかも、ブレーキ=リバースギアの役割設定は、路面のせいもあるだろうが非常にリアブレイクしやすく、サスセッティングのためだろうか特にふわふわした足まわりなので、ちょっとでも不安定な状態でステアするとリアがあっというまにブレイクする。ハンドブレーキとアクセルオフを多用することにして解決したが、きっちり走るには。カウンターの練習はもはや必然だろう。 ふわふわした足回りは視界にも多少影響を与え、FPSでもあまり酔わない筆者だが、このゲームのコクピット視点には多少酔ってしまった。
このゲーム、どちらかといえば、ネットワークを使った同時プレイでパーティゲーム的にプレイするという楽しみ方が一番合っているかな、と感じられた作品だ。専用サーバーもあるのでぜひ気軽にトライしてもらいたい。
(c)2001 Rage Games Limited. All Rights Reserved.
■ 番外編:ギルモ・THRUSTMASTER:「FFB RACING WHEEL(Licenced by Ferrari)」レビュー
ステアリングは小さすぎず大きすぎず、多少内部スプリングの強さは感じるものの、とても操作しやすい。スポーク部にあつらえたラバーグリップ、そしてがっちりとコラムをロックできるクランプ部の恩恵も大きい。 シフトはアサインによってバタフライシフト、右のシフトレバーが選択できる。バタフライシフトは軽く薄くできており、ステアリングのジャマになることもなく使いやすい印象。シフトもショートストロークで操作感は軽い。
ペダル部は逆に大きめな作りで、垂直気味に立った状態のセッティングになっているため、イスに腰かけてのプレイでは足が多少疲れた。踏力も大きめなので、こちらもできれば固定したいところだ。
□イマジニアのホームページ http://www.imagineer.co.jp/ □ギルモのホームページ http://jp.guillemot.com/ □製品情報 http://www.imagineer.co.jp/pc/products/eracer/ □製品情報「FFB RACING WHEEL(Licenced by Ferrari)」 http://www.imagineer.co.jp/pc/products/eracer/ □関連情報 【10月6日】イマジニア、「e-Racer」専用ゲームサーバーを設置 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011005/eracer.htm 【8月22日】イマジニア、今秋発売予定の新作2本を発表 「e-RACER」「ブレード オブ ダークネス 完全日本語版」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010822/image.htm 【5月22日】本日到着! DEMO & PATCH 「e-Racer DEMO版」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010522/demo0522.htm (2001年10月19日)
[Reported by 佐伯憲司] |
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