★ PCゲームレビュー ★
高尾から東京まで行って見てきました!
鉄道ファンに贈るスペシャルレビュー第2弾
リアルアドオンシリーズ1 JR中央線 東京-高尾 |
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- ジャンル:Microsoft Train Simulator用アドオンソフト
- 発売元:トワイライトエクスプレス
- 価格:5,800円
- 対応OS:Windows 95/98/Me/2000
- 発売日:8月24日発売
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時速300kmで走行する新幹線、夜を徹して走る寝台列車、そして各都市を結ぶさまざまな特急列車。日本の鉄道には、本当にいろいろな列車が走り回っている。そのなかでも一番なじみがあるのが、普段通勤や通学の足となってくれる通勤列車だろう。
今回紹介するトワイライトエクスプレスの「リアルアドオンシリーズ1 JR中央線 東京-高尾」は、数多く存在する通勤列車の代表格、JR中央線の各通勤電車をテーマにしたMicrosft Train Simulator(MSTS)用のアドオンソフトとなっている。
■ 多摩地区の各市と都内を結ぶ花形区間「JR中央線 東京-高尾」
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JR中央線をインストールすると、運行アクティビティが追加される。できれば、ボーっと沿線を眺めることが可能な路線の紹介も用意してほしかったところ
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JR中央線は、東京駅から長野県の塩尻駅を通って愛知県の名古屋駅までを結ぶ中央本線の略称で、全区間を一気に走る列車がないため、東京では甲府や松本などへ向かう路線と認識されている。その中でも花形区間となるのが、今回アドオンとして発売された東京-高尾間。東京のベッドタウンである多摩地区の各市と都内を結び、通勤時間帯の混雑も全国で一、二を争うほど激しい。
そのため、新型の通勤電車が重点的に投入され、新性能電車の先駆けとなった101系、省エネ電車201系などがいち早く走り始めたところだ。また、路線もお茶の水ー三鷹間は複々線化(上りと下りのペアが二つあるということ)され、千葉方面へ向かう中央総武緩行線が走っている。そのほか、中野で営団地下鉄東西線と相互乗り入れ運転を行なうなど、少しでも通勤ラッシュを緩和しようと数々の工夫が行なわれている。
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201系、E231系の列車の詳細説明。201系は中央線に導入されてから20年以上も経つので数々の改良が加えられている。このアドオンでプレイ可能な201系は、シングルアーム式パンタグラフが取り付けられた最新の車両だ
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このアドオンソフトでもそのバラエティに富んだ通勤線区が再現されており、プレーヤーは中央線カラーであるオレンジ色の201系、中央総武緩行線カラーであるカナリヤ色の201系のほかに、昨年登場したばかりの最新通勤電車E231系を運転することが可能だ。とくに201系よりも幅広の車体を採用し、軽量ボディ、ポルスタレス台車など数々の新機軸を取り入れたE231系を早くも運転できるのは鉄道ファンにとってたまらないかもしれない。
また、CPUに制御された列車としては、地下鉄東西線に乗り入れる301系、特急「かいじ」号の183系、そしてカーブを高速に駆け抜けることが可能な振り子機構を持つ特急「スーパーあずさ」E351系が登場する。12月にデビューが予定されている新型「あずさ」E257系や、営団地下鉄東西線の05系や5000系がないのが残念だが、それらの車両については今後に期待したい。
また、MSTSの特徴ともなっている運行アクティビティについては、「快速 東京行 最終の快速列車」、「各駅停車 千葉行」など9種類あり、それぞれの運行アクティビティにCPUに制御された列車が登場しないことでPCの描画負荷を軽減した描画優先バージョンが用意されている。
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マスコンとブレーキレバーの2ハンドル式コントロールを採用する201系の運転台。前後に動かすタイプのマスコンは、201系登場当時最新式のもの。そのため201系試作編成では、上り側、下り側の運転台で異なるタイプのマスコンを使い、その評価試験が行なわれた |
さすがに最新型となるE231の運転台はメーターがあまりなくシンプルな作り。速度計の手前にある1ハンドル式のコンバインドパワーハンドルで車両をコントロールし、主要な情報は右隅にチラリと見えているディスプレイに表示される。201系、E231系ともパンタグラフの操作が可能だ |
■ 人がいないのが少し寂しい……辛口試乗レポート
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高尾-西八王子間を走る201系通勤特快。国分寺から新宿をノンストップで走り、遠距離からの通勤客向けだ |
通勤電車というとなんだかプレイがおもしろくなさそうだなと思う人もいるかもしれないが、さにあらず。神田川沿いを走るお茶の水-市ヶ谷間、ビルの林立する新宿駅付近、複々線の高架を走る中野-吉祥寺間と変化に富んでおり、さらに西へ行くと途端にのどかな感じのする風景になるなど沿線風景を十分楽しめる。
車両に関しても、マスコン(マスターコンローラ)とブレーキハンドルが独立した2ハンドルの201系、マスコンとブレーキハンドルが一体化したコンバインドパワーハンドル1本のE231系と、それぞれ代表的な運転方法で遊べるのがうれしいところだ。細かい点だが、パンタグラフ(電車の屋根にある終電ユニット)も操作可能で、意味もなく上げ下げしてしまった。
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こちらは御茶ノ水近辺を走るE231系。クリーンな外観が都会の風景とマッチする。このほか中央総武緩行線用の201系が用意されている |
ただ、実際に何度か走らせているうちに肥薩線とは違い違和感を感じるようになった。最初はその違和感が何なのかわからなかったのだが、よくよく考えてみるとMSTSには人が登場しない。JR中央線は、通勤時間帯には人を車両に詰め込むための押し屋が、そして終電近くになっても多くの酔客がいるほどの路線。始発は始発で、終電に乗りそびれたお客が乗っているほどだ。筆者自身も中央総武緩行線で毎日通勤しているだけに、見慣れた風景と異なるのは寂しい感じを受ける。
これは、このアドオンの問題ではなく、MSTSのシステムの問題なのだが、「何か違うかも」と思ってしまった。それを除けば東京の通勤大動脈であるJR中央線を存分に楽しめるこのアドオンソフト、普段中央線で通勤している人もそうでない人も、一度はプレイしてみる価値ありありの1本だ。なお、JR中央線に関しても肥薩線と同じく現地取材を敢行したので(て言うか、徹夜明けに東京-高尾間をところどころ途中下車しながら往復しただけだが)、そのリアルな画面を見比べていただければと思う。
【中央線徹底比較】 |
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テクスチャデータで構成された201系の室内。実際の室内と比べても遜色はないものの、やや立体感に乏しいかなという感じを受ける。201系の導入当初は、オレンジを基調とした暖色系の配色だったが、現在はシートカラーがグリーンになっている。ちなみに実写に人がいないのは、6時半に高尾駅の始発電車を狙ったから |
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E231系の室内比較。E231系は従来の通勤型車両に比べて幅広の車体を採用しているため、室内が広く感じる。その再現性は抜群で、三角形の吊り輪の表現などに注目してほしい |
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国分寺駅西側の陸橋から、201系を俯瞰してみた。右から2面4線の島式ホームが中央線、一番左のホームは、西武国分寺線となる。実写のほうがゲームに出てこない青梅特快なのは、勘弁してね |
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代々木駅方面から新宿駅にすべり込む総武緩行線E231系。両駅で山手線との乗り換えを便利にするため、この近辺はやや複雑な路線配置となっている。多数の路線が乗り入れる新宿駅の雰囲気がよく出ているカット |
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八王子付近で201系とすれ違う「スーパーあずさ」E351系。そして実写は高尾駅通過時のものだ。LEDを使用したヘッドマーク、丸みを帯びた先頭車の形状がよく再現されている。運転してぇ!! |
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高尾駅のホームに鎮座する天狗像も見事に再現。MSTSは視点の自由度がそれほど高くなく、天狗像をじっくり見られないのがちと悲しい |
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というわけで、実写の天狗像のアップです。鼻たかだかぁって感じでしょうか。この像が高尾駅に設置されているのは、近くの高尾山に天狗伝説があるため。会社帰りに電車で寝過ごし、この天狗像を悲しい思いで見た人は、筆者だけではないだろう |
JR中央線の起点となる東京駅の丸の内口。赤煉瓦造りの風格のある建物は、辰野金吾設計によるものだ。その屋根は関東大震災……なんてテツな話はともかく、あまり知られていないのは、この建物に宿泊できること。東京ステーションホテルがそれなので、ぜひ一度利用してみてはいかがだろう |
(C) 2001 Twilight Express Inc. All rights reserved
【動作環境】
- CPU:Pentium II 300MHz以上
- メモリ:64MB以上(Windows 98/Me)、98MB以上(Windows 2000)
- HDD:400MB以上(MSTSで別に1.2GB必要)
- CD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時必須)
- 解像度:800×600~1,280×1,024ドット
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□トワイライトエクスプレスのホームページ
http://www.twilight.co.jp/
□「Microsoft Train Simulator」のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/trainsim/
□「リアルアドオンシリーズ1 JR中央線 東京-高尾」のホームページ
http://www.twilight.co.jp/trainsim/
□関連記事
【8月24日】PCゲームレビュー「Microsoft Train Simulator」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010824/train.htm
【6月6日】PCゲームファーストインプレッション「Microsoft Train Simulator」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010606/trainsim.htm
(2001年10月14日)
[Reported by DOS/V POWER REPORT編集長 谷川 潔]
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