★ PCゲームファーストインプレッション ★

ついに登場! すべてが新しくなった
特殊任務遂行型RTSの決定版

Commandos 2:Men of Courage

  • ジャンル:リアルタイムストラテジー
  • 開発元:Pyro Studios
  • 発売元:Eidos Interactive
  • 対応OS:Windows 98/Me
  • 発売日:9月28日(日本語版は11月30日発売予定)


 英国最大のゲームパブリッシャーEidos Interactiveが放つ本年度最大のタイトル「Commandos 2:Men of Courage」が欧米でついに発売された。シリーズ3作目となる本作は、クォータービュー視点のプレイスタイルはそのままにフル3D化を果たし、北極や日本のミッションも含まれるなど、全方位的な拡張が施されている。日本子会社アイドス・インタラクティブより完全日本語版の発売も11月30日に予定されている。今回は英語版を用いたファーストインプレッションをお届けする。


■ 丸ごと再現された軍事拠点を俯瞰視点から攻略する
異色ストラテジー「Commandos」

ミッション選択画面。ステージを完全にクリアしないと次のステージには進めない仕組み
 「Commandos」シリーズの特徴といえば、フォトリアリスティックなグラフィック、神の視点から特殊任務を遂行していく繊細かつアクロバティックなゲームデザイン、圧倒的な自由度の中で限られた正しいルートを捜し出す難解な謎解き要素、などが上げられる。平たく言うと、精巧に再現された第二次世界大戦期の軍事拠点を舞台に、一騎当千のスペシャルスキルを備えた特殊部隊の隊員を操り、枢軸軍(前作の場合ドイツ軍)の堅い守りを突破して極秘任務を遂行するゲームである。

 このような本来ならFPS(First Person Shooting)に最適な要素を、RTSの土台で組み上げたところにシリーズの醍醐味があるわけで、その魅力の根元となっている画面数十枚分(1,024×768ドット表示で)のフィールドマップは「Commandos 2」でいよいよ広くなり、提供メディアもついにCD-ROM3枚組までふくれあがり、フルインストール時で2.5GBの空き容量が必要という、文字通りの超大作に仕上がっている。3枚組で2.5GBというと、これも大作のRPG「Baldur's Gate」シリーズがある。こちらもクオリティの高い2Dマップに容量をたっぷり使った作品だが、「Commandos」シリーズが凄いのはマップ全体に定期巡回を行なう警備兵が待ちかまえ、地雷や警報機といったワナが仕掛けられているところで、マップ全体が単なる風景や景色ではなく、凄まじい緊張感で満たされている。

 さらに「Commandos 2」では、マップ上のすべての建物の内部に入ることができるほか、水中に潜ったり、電柱に登って電線を伝ったり、はたまた建物の壁を伝って警備兵の巡回をかわしたりなど、敵地へ侵入を果たすための選択肢が膨大な数用意されている。いずれにしても、敵に発見されるやいなや、建物という建物から続々と武装兵が出現し、蜂の巣にされて一巻の終わりとなる。任務を遂行するためには、敵の行動パターンを完全にマスターし、こちらが取れるあらゆる行動のひとつひとつを吟味推考したうえで、迅速な行動を取らなければならない。基本的に制限時間はなしで、また正しいルートもひとつだけではないというところもおもしろさのひとつで、1ステージを何度でも楽しむことができる。

オプション画面。ゲーム解像度を1,024×768ドット表示にしておきたい


■ 痺れる難易度! 「Commandos 2」のチュートリアルは実戦形式

これが「Training Camp 1」。必修ステージであり、これをクリアしなければキャンペーンは開始できない
 それではさっそくインプレッションに触れていきたい。「Commandos 2」のゲームモードは、「Single Player」「Multiplayer」の2モードと非常にシンプル。そのほかに「Option」モードがあり、ここで解像度の変更(640×480ドット~1,024×768ドット)や各隊員のショートカットコマンドのカスタマイズが行なえる。

 「Single Player」を選択すると、いきなりキャンペーンミッションが始まるのかと思いきや、そうではなくしっかり2本のチュートリアルをプレイさせられる。ちなみに前作のチュートリアルは、特殊部隊の訓練場のようなものが用意され、そこで各隊員のスキルの効果的な使い方をひととおり学ぶことができた。ここでいう「スキル」とは、特にGreen Beretの「Knife」、Sniperの「Sniper Rifle」、Marineの「Aquagun(水中銃)」など、各隊員固有の特殊技のことを指す。

 で、「Commandos 2」のチュートリアルは、いきなり実戦形式となっており、「Training Camp 1」は、SupperとThiefの2人で敵司令官を含めたドイツ兵の一掃を狙う。マップの大きさは1,024×768ドット表示で、だいたい1画面弱ほど。マップ中央には画面を横断するように鉄条網が引かれ、鉄条網の先には地雷が敷き詰められている。鉄条網の手前に4名の偵察兵が銃を片手に巡回しており、スタートポイントは手前の茂み。手持ちの武器はSupperがピストルとマインスイーパ、Thiefがロックピックアイテムのみ。「えー! これでホントにクリアできるの?」というシチュエーションである。

難所を突破したら「Quick Save」。ステージをクリアするために必要不可欠のテクニックだ
 最初のうちは、手前の4人すらうまく捌くきれずに、発見即射殺され、また始めから、ということを繰り返すことになるだろう。「ピストルを使えば楽勝だろう」と思うのは甘々の考えで、射撃時の銃声で全員に気づかれてしまう。Commandosというゲームは、完全にアウトレンジから攻撃できるスナイパーライフルと敷設式の地雷を除き、銃器を使用できるケースはひどく限られている。このゲームには敵それぞれに目があり、耳がある。敵の視界は、カメラを敵に合わせることで表示でき、音の発生は隊員を中心に波紋のような3Dエフェクトで表現される。基本は殴って気絶させるか、たばこやデコイなどの撹乱アイテムを使って敵の目をそらして侵入を果たしていく。

 Commandosは、第二次世界大戦をモチーフにしたパズルゲームという見方すらできるゲームで、マップをじっと睨みつつ、頭をフル回転させて正しいルートを導き出す、この過程が楽しくてたまらないゲームだ。なお、「Training Camp 1」をクリアするための最大のポイントは、新キャラであるThiefの運用法にある。彼のスペシャルスキルは「電信柱を登って電線を渡れる」というもの。それに気づくと一気に解答が見えてくるはずだ。

目の前の敵の視線はカメラを当てて常にチェック。殴って気絶させたドイツ兵の持ち物はすべて奪える。鉄条網手前の4人を退治したらさっそく綱渡り(?)だ


■ 「Training Camp 2」には戦車も登場! ますますおもしろいチュートリアルステージ

左隅で匍匐状態でいる3人が登場キャラクタたち。すぐ上の舗装地では銃撃戦が展開されている
 続いての「Training Camp 2」は、2画面分ほどの広いマップ。米軍とドイツ軍の間で銃撃戦が行なわれており、ミッションの目的は、画面左側の小屋の中にある通信機器まで到達して本部との連絡を取ることだ。

 登場キャラはGreen Beret、Supper、Driverの3名。スタート地点は、主戦場から1段降りた未舗装の赤土地帯で、戦場に上がるためにはマシンガンを構えたドイツ兵が防衛戦を展開している階段を利用しなければならない。戦闘中であるため、今回は自由に銃器類が使用できる。しかし、手持ちの武器はピストルと火炎瓶のみ、といった状況。

 このステージは、主人公格のキャラであるGreen Beretがメインになるため、前作をプレイした人ならラクにクリアできるに違いない。彼は敵の背後から音もなく刺殺できるナイフを使用でき、ピンチになるとスコップで穴を掘って隠れることができる。さらに銃弾が数発当たっても死なないタフさを備え、ある程度の銃器を扱うことができるという、乱戦では圧倒的な強さを発揮するキャラクタだ。

 このステージは、彼が大車輪の活躍をすることで目的の小屋までたどり着くことができる。ポイントなのはラストに登場するドイツ戦車の対処法で、これはEidos UKのBBSでも話題になっていたが、戦車はバズーカクラスの兵器でなければ破壊することができず、バズーカはこのステージでは手に入らない。しかし、戦車を破壊しなければクリアにはならない。もっとも、マップ上にはさまざまなアイテムが落ちており、それを有効に使うことで破壊できる。トドメを刺すのはあらゆる兵器の使用に精通したSupper、というわけだ。

「Training Camp 2」では画面の向きを変えないとマップ全体を見渡すことができない。ラストの戦車登場シーンはかなりのインパクトがある。むやみに近づくと戦車砲にやられるので注意

司令官室の金庫の中に厳重に秘匿されたエニグマ。これは「Objective(目的)」を見ることでいつでも確認できる
 さて、これら2ステージをクリアするとようやく本編スタートとなる。最初のステージ「Night of The Wolves」では、ドイツ軍の潜水艦基地に潜入を果たし、ドイツ軍の最高機密である暗号解読器“エニグマ”を盗みだす。登場キャラはThiefひとりで、基地の沖合に浮かぶ小型ボートに潜んでいる状態からスタートする。チュートリアルステージでは目的はひとつだけだが、キャンペーンミッションではあらかじめ最終目的に達するまでのいくつかの手順が示されるようになっている。

 たとえば、「Night of The Wolves」では、囚われれの身となっている負傷兵とコンタクトを取ること、エニグマを盗み出すこと、ドイツ軍の潜水艦基地に勤務している米軍のスパイNatashaとコンタクトを取ること、の3点がメモに記されている。負傷兵とコンタクトを取ることで犬のWhiskeyが仲間になり、Natashaとコンタクトを取ることで、エニグマを盗み出すまでの具体的な手順が明らかになり、彼女そのものが仲間として操作可能になる。彼女の特殊スキルはドイツ軍の服装を着込むことで、ドイツ兵の監視をかわすことができることで、敵地に堂々と踏み込んで、鉄条網に流れる高圧電流を切ったり、ワインに眠り薬を入れたりできる。ただし、一定時間が経つとバレるようになっており、その行動は迅速に行わなければならない。

 エニグマを盗み出すまでの手順は非常に込み入っており、メモ帳に記された手順をひとつひとつこなしていくのがたまらなくおもしろい。特にエニグマを盗み出すシーンは非常に劇的で、欧米での評価どおりの大作だと実感した。正直に告白すると、私自身まだ「Night of The Wolves」までしかクリアしておらず、早く続きをやりたくてしょうがない気分でいっぱいである。ちなみにマルチプレイは、参加隊員の人数分のプレーヤーとの協力プレイが楽しめる。ただし、プレイできるステージは、ホストとなるユーザーがクリアしたステージのみとなっている。日本語版まであとひと月余り、もうしばらくの辛抱だ。

潜水艦基地潜入の様子。左の画面は上陸前に早くも見つかったところ。小型ボートはかなり大きな音を立てる。中央の画面はドイツの制服を着込み堂々と侵入している。監視兵の視線が痛い。右の画面は本部への連絡後、最後の目的地へ向かうべく偵察兵の背後に潜んでいるところ。サーチライトの表現が最高に素晴らしい

本編では建物も多数登場。内部にもドイツ兵が多数ひしめいている。発見されれば一巻の終わりなのは野外と同じ。外に逃げても追ってくる。右の画面がエニグマ暗号機ゲットの瞬間

(C) Eidos Interactive Ltd 2000. All rights reserved.


□Eidos Interactiveのホームページ
http://www.eidosinteractive.co.uk/
□「Commandos 2:Men of Courage」の公式ページ
http://www.eidosinteractive.co.uk/games/embed.html?gmid=78
□関連情報
「Commandos 2:Men of Courage」Streaming Video
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010928/demo0928.htm

(2001年10月4日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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