ニンテンドー ゲームキューブ発売記念
~とにもかくにも触ってみました~

9月14日 発売

価格:25,000円



 '99年5月にコードネーム「Dolphin」として開発が表明された、あの任天堂の新型ゲーム機「ニンテンドー ゲームキューブ」が遂に発売された。DVDはもとより、音楽CDの再生機能すら搭載しないという、徹頭徹尾「ゲーム機」であることに固執したハード構成。いったい、どのような作りになっているのだろうか? 今回GAME Watch編集部では、一通りの周辺機器やソフトとともに「ゲームキューブ」本体をゲット。購入者の目線で眺めたファーストインプレッションをお届けしよう。

■ 化粧箱もさることながら、中身はさらにコンパクト!

本体、ACアダプタ、コントローラ、取扱説明書。メモリーカードは別途購入。映像出力用ケーブルはスーパーファミコンおよび64用と同規格。既に持っていれば流用可能
 記者は「ゲームキューブ」本体をローソンで予約購入。予約票と引き換えに店員さんがレジの奥から取り出したのは、「Loppi専用」と書かれたダンボール箱。それ以外は、メモリーカード59を別途手渡されたのみ。ダンボール箱があまりにも“ちんまりと”していたため、思わず「あのぉ……俺、周辺機器やソフトと一緒に予約したんですけど?」と聞いてしまったが、店員さんは冷静に「あ、箱の中に(ソフトや周辺機器と一緒に)入ってますヨ」と即答。

 別に店員さんを疑っていた訳ではないが、自宅に戻るやいなや即開封。取り出した製品の化粧箱、さらには中身のゲームキューブ本体を見て「うぅむ、コンパクトやな……」と二度唸る。ふと、ロシアの民芸品「マトリョーシカ」が思い浮かぶ。といっても、中からさらに何かが出てくる訳ではないのだが。

■ 小学生でも片手でラクラク運べる適度なサイズと質感

 単に「コンパクト」を連発しても伝わりにくいであろうことから、対比として横にゲームボーイアドバンスを配置してみた。手で持った時の重量感は、ホビー層向けの小型MDラジカセよりも軽いかな? といった程度。これなら低学年の小学生でも片手で楽に持ち運べるだろう。なお、本体後面のハンドルは取り外し不可。据え置きのまま使う人のなかには外したくなる人もいるだろうが、無理やり外したところで結局は映像ケーブルが出っ張るため、あまり意味がないとだけ言っておこう。

本体は実にコンパクト。横のGBAと見比べれば一目瞭然。これなら部屋から部屋への持ち運びもラクラク 左上にパワーボタン、左下にリセットスイッチ、右下にディスクカバーを開けるオープンボタンを配置 本体正面には左から1~4番の順にコントローラポートを配置。メモリーカード用のスロットは2つ

ディスクカバーを開けたところ。ソフトは8cmシングルCDサイズのディスク。ディスクがセットされたまま運搬されるケースを想定しているのか、ホールド感は実にしっかりとしている。取り外すときは、中央のディスクリリースボタンを押せばOK。ゲームプレイ後にディスクを取り出すときは、電源が入った状態でオープンボタンを押せばディスクのスピンは止まる

 本体横にはそれぞれスリットがあり、右側面が「吸気口」、左側面が「排気口」となっている。排気音は、ドリームキャストやプレイステーション 2と比べても同等かそれ以下。よほどサウンドを絞らない限りは、プレイ中に気になって仕方が無いといったこともないだろう。なお、本体正面の右下には、ゲームキューブに「フリッパー」と呼ばれるグラフィックス・プロセッサチップを供給している「ATI」社のロゴが見える。CPUクーラーライクな排気口ファンともども、PCユーザーは思わずニヤリとしてしまうかも。

右側面が「吸気口」、左側面が「排気口」。手をかざすと良く判る。本体だけを起動していると排気音はそれなりに聞こえるが、プレイ中のゲームサウンドを妨げるほど酷いレベルではない 本体正面の右下には「ATI」社のロゴが燦然と(?)輝く

 本体底面には、ゲームキューブの未来を予感させる3つの拡張ポートが存在する。ひとつは、底面左上にある「ハイスピードポート」。専用の拡張機器を接続する……と取扱説明書には記されているが、現時点では何がつながるのか全くもって不明。底面左下の「シリアルポート1」には、これまでに行なわれた展示会などで「モデムアダプタ」、「ブロードバンドアダプタ」といったネットワーク用機器が接続されていたことを覚えている方も少なくないだろう。底面右下の「シリアルポート2」は、ポート1とコネクタのサイズこそ異なっているが、名称などから機能的にはポート1と同等ではないかと推測される。

底面左上にある「ハイスピードポート」。“ハイスピード”という名称が、ユーザーにまだ見ぬ何かを期待させてやまない 底面下部にあるシリアルポート1と2。発売が予定されているネットワーク用機器「モデムアダプタ」、「ブロードバンドアダプタ」は、このポートに接続して使用する。ネットワーク用アダプタ以外にも対応する周辺機器は出てくるのだろうか

 本体背面には、DC入力端子、デジタルAV出力端子、アナログAV出力端子がある。デジタルAV出力端子はゲームキューブ専用のケーブルを購入しなければならないが、すでにスーパーファミコンやニンテンドウ64を持っているユーザーは、映像出力用のケーブルがそのままアナログAV出力端子ケーブルとして流用できる(RGBケーブルのみ非対応)。なお、デジタルAV端子ケーブルで接続を考えているユーザーは、音声出力用にアナログAV出力端子に接続するケーブルを別途購入しなければならない点に注意しよう。デジタルAV端子ケーブルだけを買ってくると、音声ナシで遊ぶことになる。このあたりは仕様ということで仕方ない面もあるのだろうが、ユーザーの利便を考えると少々残念な点ではある。

スーパーファミコンやニンテンドウ64のユーザーであれば、映像出力ケーブルがそのままゲームキューブに流用できる

デジタル端子への接続は、音声出力用のアナログAV端子ケーブルが別途必要 一度配線してしまえば、そうそう何度も見るものではないのだろうが……本体背面から2本も似たようなケーブルが生えている様は、正直あまり良い見栄えとは言いがたい

■ 手にシッカリとおさまるコントローラ

 一見すると操作がややこしそうなコントローラだが、実際に持ってみると実に使いやすくホールド感も良好。ひときわ大きいAボタンと、その周辺に配置されたB、X、Yボタンについては、ユーザーの混乱を招かないよう配慮し尽くされているといってもいいだろう。

 ただし、気になる点も若干ある。RおよびLトリガーボタンのストロークはやや深めといった印象で、十字キーは手が大きい人にとって細かい操作を要求する格闘ゲームなど少々ツライかもしれない。これらについては、ユーザーによって好き嫌いが分かれる部分かと思われる。また、Rトリガーボタン上のZボタンは、ポジション、サイズ、硬さなど全てにおいて使いやすいとは言い難いが、その性質から察するに、使用頻度の低い機能やメニューが割り当てられるボタンなのだろう。

大きく押しやすいAボタンなど、全体的な完成度の高さはさすがの一言。同時発売のソフト3本をプレイした限りではプレイに支障を覚えることはなかった コントローラ上面にあるRおよびLトリガーのストロークはやや深めといった印象。Rコントローラのすぐ上に配置されたZボタンは、サイズもさることながら、正直固くて押しにくい。ゲーム中では、あまり頻繁に使わない機能が割り当てられるものと思われる

■ シンプルで使いやすいメインメニュー

 ソフトを入れずに本体を起動すると、ゲームキューブのロゴが表示された後、すぐにメインメニュー画面が表示される。この間、約10秒。ソフトがセットされていれば、ロゴの表示直後すぐにゲーム画面へと移行する(コントローラの操作を受けつけるまでの秒数はソフトごとに若干の差がある)。メインメニューでは、ゲームの起動、内臓時計の設定、サウンド、画面位置の調整、メモリーカードデータの管理が行なえる。

起動時のゲームキューブロゴ。購入直後の起動時はカレンダーとオプションを設定する必要あり さりげなく(?)キューブ型に配置されているメインメニュー メモリーカードの管理画面では、データの移動、コピー、消去が可能。使用ブロック数や作成・更新日付も一目瞭然

■ その他 ~メモリーカード59、同時発売ソフト~

ゲームキューブ本体同様、メモリーカード59もこれまた非常にコンパクト。単体でその辺りに放り出しておいたら、見つけるのに苦労しそう

同時発売ソフトは「ルイージマンション」、「ウェーブレース ブルーストーム」、「スーパーモンキーボール」の3本。既に触れているとおり、ソフトは8cmシングルCDサイズのディスク形式。ケースは、DVDのそれを一回り小さくした感じ。念のため(?)一般のCDプレーヤーにゲームディスクをかけてみたが、音楽CDとしては認識されず。PCのCD(DVD)-ROMドライブにも挿入してみたが“Track01.Cda”という44バイトのファイルが見えるのみ。当然ながら再生できない


□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□「ニンテンドー ゲームキューブ」のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/ngc/
□関連情報
【8月24日】ニンテンドーゲームキューブ用ソフト、発売日一覧を公開。パッケージサイズを米国より小さく変更
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010824/ninlist.htm
【9月14日】ニンテンドーゲームキューブついに発売! 秋葉原、池袋、有楽町編 秋葉原では外国ユーザーが列の半数を占める
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010914/gc_aki.htm
【9月14日】ニンテンドーゲームキューブ発売【新宿編】 徹夜組を含むゲームファン200人前後が新宿に集結!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010914/gc_shin.htm

(2001年9月14日)

[Reported by 北村孝和]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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