カプコン「バイオハザード」シリーズ、ゲームキューブで独占供給
三上真司氏ディレクターに復帰。任天堂の宮本茂氏も現わる!!

2002年3月22日 発売 (バイオハザード)

価格:未定

ゲームへの想いを熱く語った三上真司氏
 株式会社カプコンは都内で発表会を開き、同社の看板タイトルであるサバイバルホラー「バイオハザード」シリーズをニンテンドーゲームキューブで独占供給すると発表した。2002年3月22日にシリーズ第1作「バイオハザード」を移植し、以後「バイオハザード0」、「バイオハザード 2」、「バイオハザード 3 LAST ESCAPE」、「バイオハザード CODE:Veronica 完全版」、そして最新作となる「バイオハザード 4」をリリースしていく。ここまでの作品に関してはゲームキューブでの独占供給となる。

 壇上に立った同社ディレクターの三上真司氏は「今回5年ぶりにプロデューサーではなくディレクターとして制作している」とディレクターへ復帰し、本格的に制作に取り組んでいることを明らかにした。「本来なら“4”を発表するところだが、ゲームキューブユーザーがいきなり4作目をプレイするのは戸惑うかもしれないので、1作目から順に作り直している」と続け、「バイオハザードシリーズをゲームキューブに独占供給する」と衝撃的な発表へと続けた。

 独占供給を決定づけた理由については「『CODE:Veronica』を制作したときにユーザーから、バイオハザードは好きだけどドリームキャストは持っていないからプレイできないとずいぶんとお叱りをいただいた。このことから、1台のハードを持っていれば『バイオハザードシリーズ』を全て遊ぶことができるようにしようと考えるようになった」と述べた。
 ゲームキューブを選択した理由として「グラフィック偏重の時代で、グラフィック重視のゲームがあっても良いと思うが、そればかりではいけないと思う。個人的には触って楽しいゲームを作らなければならないと思い、そのためのマシンとして制作された任天堂に共感したので、ゲームキューブを選択した」とコメントした。
 ゲームキューブ版「バイオハザード」が発売される3月22日は、'96年に「バイオハザード」のシリーズ第一作目が発売された日であり、このことからも「今回のゲームキューブ版をきっかけに、もう一度「バイオハザード」をホラーエンターテイメントとして4につなげていきたい」と決意を新たにしていたようだった。

 このほかにもゲームキューブに向けてプロジェクトを進めており、9月にも新プロジェクトをスタートさせたという。

■ 今回の「バイオハザード」は“生”感を大切にする

 三上氏は、ゲームキューブ版「バイオハザード」の制作ポイントについて「“臨場”感をもうすこし押し進めた、“生”感を大切にしたいと考えた」という。

 発表会場で流された開発中画面では、鬱蒼と茂った森の中、草木がざわめき、まるでその場にいるかのような緊張感があった。背景に関してはかなり細かくアニメーションし、同社得意の背景動画で描かれている。こういった技術については任天堂の多大な協力があったという。
 2つめのポイントとしては「光と影」が挙げられる。同氏によれば「単純に光と影のコントラストだけでは面白くないので、影を動かしていくことを考えた」としており、会場で公開されたサンプルとしては、部屋に設置された巨大なプロペラが回るのに合わせ光と影がチラチラと動くという、映画などで多用される表現を実現していた。

 3つめはキャラクタの造型についてで、こだわった表現がされている点。まずなんと言っても重要なのはゾンビだが、より気持ち悪い質感が出ているという。ただし「プレイしていて気分が悪くならない程度にはセーブしている」とリアリティを重視した暴走ではなく、“行き過ぎ”た表現には注意しているようだ。キャラクタにはフェイシャルアニメーションが採用され、口など細かいところでアニメーションするという。ムービーを見た感じでは、歩き方や銃の構え方の動きなどもなめらかで、不自然な感じが少なくなっていた。

 公開された映像を見た印象としては、色数を押さえモノクロっぽい冷たいイメージの映像で、不気味な感じがより増している。背景は細かいところまで描きこまれており、一つの画面の情報量がかなり増えている。公開映像の中には狭い廊下でゾンビ達に取り囲まれる映像や、プレーヤーが敵に首ごと切り取られるといったショッキングな映像も公開された。全体的により恐怖度は増しているようだ。

【スクリーンショット】
かなり細かいところまで描き込まれた背景には息をのむほど。冷たい感覚がグラフィックから伝わってくる 森の中は鬱蒼としている。背景は動画で、草がざわめくなど細かくアニメーションする
グラフィックの向上でさらに気持ち悪くなったゾンビの造型。でもゲームできなくなる一歩手前で自制しているとか 今回一新された「バイオハザード」のロゴ

■ 宮本氏「職人気質の三上氏の作るゲームは好きだ」

宮本茂氏も発表会場に駆けつけた
 発表会の最後に任天堂の宮本茂氏が登場した。宮本氏は「ゲームを職人的に作り上げる三上真司氏の作品は好きで、これまでから注目していた」とコメント。続けて「ゲームは触って初めてその面白さが伝わる珍しいメディアだ。触るまではわからないから、どうしても見栄えの良いグラフィックを重視する傾向となる。我々はあくまでも触って面白いゲーム作りを目指す」とゲーム作りに対する思いを語った。

 「ゲーム業界が悪くなったと言うのは簡単だが、魅力あるものに変えていかなければならないのも事実。任天堂はほかの会社と違い面白いことをやっていかないとほかにやることがないので、今後も楽しめるゲームを作っていく」と意気込みを語り、「“三上工房”の参入を敬意を持って歓迎する」と締めくくった。

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□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□ニュースリリース (PDF)
http://www.capcom.co.jp/company/shokai/pdf/010913.pdf
□「バイオハザード」のページ
http://www.capcom.co.jp/bio/index.html

(2001年9月13日)

[Reported by 船津稔]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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