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ボタンを押して楽しさが伝わる「Rez」 |
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イベントでは特設ステージにおいてUGA代表取締役社長で同作品のプロデューサーを務める水口哲也氏自らがPS2コントローラを持ちプレイ。VJ (ビデオジョッキー) がリアルタイムに映像をコントロールし、一種独特の雰囲気を作り上げた。
「Rez」では、画面上のカーソルを敵に合わせるだけでまずロックオンされる (数は無限にロックオンできるわけではなく数が決まっている) 。この時一度音が鳴り、レーザーを発射し敵を撃破した瞬間、今度は違った音が発生する。このほかにも発生する音が変わるギミックや、音楽やグラフィックの雰囲気がガラッと変わるギミックなどが数多く用意され、これらを駆使して音楽に乗ってプレイする新しいタイプのシューティングゲームと言える。
壇上でプレイしてみせた水口氏を始めスタッフの小林潤氏、横田克巳氏もプレイに熱中するほどに次第に体が揺れ始め曲に乗ってプレイしていた。
会場には8つの試遊台が用意され、順番待ちができるほどの人気で、多くのユーザーがプレイしていた。基本的にゲームユーザーをターゲットとしたイベントではないため、ライトユーザーと思われるユーザーが数多くプレイしていたが、概ね好評で、特に女性が「カッコイイ!」と叫びながらプレイしていたのが印象に残った。
個人的にもプレイしてみたが、ただ見ただけの印象はカッコイイ程度なのだが、一度ボタンを押した瞬間からその印象はガラッと変わった。ボタンを押すことによって発する音がこれほどまでに気持ちいいのか……といった印象を受けた。この感覚は体験しなければ伝わらないものなので、ぜひとも多くの人に体験して欲しいと思う。次回は東京ゲームショウで出展される予定だという。
会場の試遊台にはかなりゆったりした雰囲気のソファが設置されていたのだが、そのソファには音に反応して振動するバイブレータが仕掛けられていた。これはUSBでPS2と接続されており、ゲームと連動する。このデバイスはソフトと同梱で発売される予定だが、価格は未定。水口氏はこのデバイスについて「ソファなどにしかけてもいいし、隣にいる恋人に持たせてもいい。僕なんかは上に足を乗っけてマッサージ機がわりにしてるけど (笑)。こういうこれまでにないプレイスタイルも企画がスタートしたときから考えていた」とコメントした。
会場にはかなりのゲーム好きとして知られている電気グルーヴの“ピエール瀧”氏が会場を訪れプレイを楽しむ一幕もみられた。いつもはわりと面白い雰囲気のピエール氏だが、この時ばかりはまじめな顔で画面に見入っていた。水口氏によればピエール氏はUGAに遊びに来たことがあり、すでにプレイした経験があるのだという。
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まったりしたムードのシートに深々と腰を掛けてプレイする来場者たち。イベントがイベントなだけに一般層のユーザーが目立った | 入り口には外人の係員がいてスタンプを押してくれる。スタンプ無き来場者は屈強な黒人さんがとおせんぼ……なぜ? |
水口氏は「Rez」について、「今回シューティングを選択した理由は単純にシューティングが好きだったから。ゼビウスとかR-TYPE、イメージファイトとか単純に没頭できたし、誰でもプレイでき多くの人がプレイしていた。最近ゲームが難しくなりユーザーが離れていったと思う。『そうじゃない』という気持ちで今回作ってみた。昔のゲーム性を思い出しながらも、そこには新しい体験も感じることができる」と制作の発端について語った。
また、“気持ちいいコト”と“ゲームをするコト”は別物だが、この2つを融合させることの難しさについて「バランス取りは考え抜いたことで、彫刻を作るように (ゲームを) 作り上げていった。『Rez』では後半になると自分のやってきたこと (プレイ) を振り返る時がある。こういうプレイをしたからこういった結果になったと感じるときが来る。その時ドラマを感じ、達成感を感じられると思う。そこらへんは巧妙に設定していて、体験としてのゲームを作り上げることができたと思う」と語った。
「Rez」でテクノを選択した事については「現状においてゲーム機で表現するときテクノが一番だと思う。いまのゲーム機は音に関して言えば'90年から'92年程度のシンセサイザーの機能しかない。クラシックなどもやりたいが現状では無理だ。しかしゲーム機が進化するということは、グラフィックや音のうわべだけの進化になりやすく、それが現在のゲーム業界が陥っているバッドループだと思う。体験として楽しいゲームを提供するために我々も必至だし、そういったゲームを作りたい」と熱く語った。
このほかに「スペースチャンネル5」にも触れ、「これまでにも音楽ゲームがあったけど、音楽はみんな楽しんでるのに音楽ゲームは下手だからやらないと言う人がいる。どうしてそういったことが起こるのかと考えたところ、“リズムを取る”というスキルが必要だと思い、これをなくせば多くの人に楽しんでもらえるのではと考えた。リズムを取ることから解放されたことで、自分の音楽、プレイスタイルが見えてくる」とコメント。新作についても「『Rez』と同時進行で順調」だという。
色々な音の発見など、数々の要素が仕込まれている「Rez」。スコアアタックなどゲームマニアにはたまらない要素が用意されている一方で、誰もがボタンを叩くだけで気持ちよくなれる無敵モードがあるなど、かなり作り込まれているこの作品。ボタンを押した瞬間、気持ちいい感覚を感じられるゲームなので、ぜひとも一度は試して欲しいゲームだ。
(2001年9月10日)
[Reported by 船津稔]
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