ECTSレポート

元気のいい韓国ゲームメーカーが続々出展
海洋MMORPGからワイヤレスガンデバイスまで様々なジャンルを網羅

会期:9月2日~4日(現地時間)

会場:ExCeL London

 今年のECTS会場で何より目立っていたのは韓国メーカーの大攻勢だ。東京ゲームショウやE3でもおなじみになった韓国のゲーム振興団体「Game Infinity」がUbiにも匹敵する大きさのブースで各社のゲームのアピールをしており、来場者の注目度もかなり高かった。Game Infinity以外にも単独ブースを構える韓国メーカーがあり、ECTS全体の出展状況の中でも強い印象を受けた。
 展示されていたPCゲームは、これまでに多かったLineage風のオンラインRPGにとどまらず、硬派な3Dアクションや正統派ヒロイックファンタジー、パステル調のキャラクタが可愛らしいコミュニケーションRPGまで、ありとあらゆるジャンルが出揃っていた。

■ 海の上で活躍のMMORPG「Tetra Morph」

 これまでは地上に縛られていたMMORPGがほとんどだったが、Tetra Morphは広大な海に乗り出して、他のプレーヤーと商売を行なったり、襲いかかってくる艦隊を撃破したりと、冒険の場が海の上という異色のMMORPGだ。
 船がこのゲームの中心であり、戦闘や探検、商売やトレジャーハンティングなどを行ないながら、自由にTetra Morphの世界の中で生活することになる。1サーバ5,000人程度のプレーヤーが予定されており、経済などもプレーヤーの行動によって変動するため、バーチャルな世界を満喫できるだろう。
 キャラクタのクラスが海洋RPGならではで、Navy(海軍)、Pirate(海賊)、Midas(商売人)、Engineer(技師)、Explorer(探検家)、Scholar(学者)などがあり、街や地上では3人称視点で人型のキャラクタを操作する。
 そして、街にある港から船でパッと海に出ることができ(デモではウィンドウメニューで移動していた)、そのままスムーズに3人称視点の海上シーンに切り替わるのである。

 出色だったのは船同士の海戦シーン。海上を動き回っていると、向こうからやってきた敵の船とそのままシームレスに戦闘が始まり、非常に臨場感のある戦いを経験できる。海戦では、船から垂直に攻撃弾がはじけとび、一呼吸をおいて相手の船に着弾していた。この間合いが実に絶妙で、相手との海上での距離を感じさせて勇壮感もあり、ポーンポーンと投げつけるような攻撃がとても心地よかった。
 船はプレーヤー自身の手でカスタマイズでき、エンジンや帆なども自由に選択できるようになっている。例えば、近接戦を重視して射程距離は短いけれどパワフルな大砲を備え付けたり、船のスピードを生かすため、威力は落ちるが射程距離の長い大砲を備え付けたりといったことも可能だ。
 既存ゲームにだぶるものが多い韓国ゲームの中では、これまでのゲームの良いところを取りいれつつも、非常にオリジナリティあふれた作品だった。

(c)2001 JoyImpact co. All rights reserved.

□JoyImpactのホームページ
http://www.joyimpact.com
□「Tetra Morph」のホームページ
http://www.tetramorph.net


■ 3D学園ホラーアクションADV「White Day」

 「a Labyrinth named School(学校という名の迷宮)」というなんともそそられるコピーのついた3Dホラーアドベンチャーゲームだ。主人公は、好きな女の子の席にお菓子を置いておこうと、ホワイトデイの前日夜に学校に忍び込んだ少年。しかし、その晩の学校は恐ろしいことになっていて……というストーリーの元、他の生徒と共に生きて学校を出ることが目的となっている。

 ゲームは一人称視点の完全3Dで、公舎内では幽霊が現れたり、暗がりの中を懐中電灯とバットを持った男が追いかけてきたりと、トラウマになって夜の学校に入れなくなりそうな場面の連続。夜中の理科室(解剖人形つき)を思い浮かべてもらうと、雰囲気がわかってもらえるだろう。学校の中はかなり綿密に作ってあるため、とても臨場感があった。
 マルチプレイでは生徒としてだけでなく、先生や幽霊としても行動でき、超能力などを使った攻撃で対戦プレイができるようだ。2001年の9月発売予定となっている。

(c)2001 Sonnori Co., Ltd. All rights reserved.

□Wizard Softのホームページ
http://www.wzsoft.com
□Sonnoriのホームページ
http://www.sonnori.co.kr/


■ 西部劇調テーマパークが舞台のオンラインゲーム「PLASTICS」

 中世ファンタジーやSFなMMORPGが大勢を占める中で、きらりと光っていたのは、この作品。Westoniaと呼ばれるおもちゃの世界の、西部劇テーマパークが舞台となっている。  ここではバッテリーつきのプラスティック・トイ達がロデオや決闘ごっこに興じていたのだが、ある時、ほかのテーマパークからモンスター・トイが襲ってくるようになってしまった。そこで、テーマパークの平和を守るため、伝説の巨大ロボットを復活させてモンスターを撃退しなくてはならない、というストーリー。プレーヤーはこの西部劇テーマパークのおもちゃの1人となって、ロボットを復活させるために99個のGod Stoneを集めなくてはならない。
 ゲーム中は西部劇スタイルのミニゲームやイベントもあり、1対1の決闘や、銀行強盗とのガンファイト、賞金首の追跡などが楽しめる。
 キャラクタの動きがかなり遅く、操作性には難ありだったが、ゲーム中のミニゲームやコミュニケーション重視のゲーム内容は、本格的なMMORPGと3Dチャットの中間といった感じで、ライトゲーマーに受けそうだ。

(c)2001 NOG Entertainment inc. All rights reserved.

□NOG Entertainment INC.のホームページ
http://www,inog.co.kr


■ 親しみやすい世界観とゲームシステムのファンタジーMMORPG「Shining Lore」

 ゲームフィールドもキャラクーも可愛らしいパステル調のファンタジー世界で統一されたMMORPGだ。
 「レベル上げのためだけのつまらない戦闘は必要ありません」と豪語するだけあって、好きなことを好きなようにすることでキャラクタの能力を伸ばすようになっているのもポイントだ。もちろんモンスターと戦ったりクエストをこなしたりもできるのだが、自分で武器を作ったり、ミニゲームをしたりといったことでも経験値は増えていく。

 キャラクタの職業名には、戦士、エンジニア、デザイナー、錬金術師、コックの5系統があり、それぞれにもっと細かくタイトルが用意されていて、キャラクタがスキルに習熟することで得られるようになっている。また複数の職業タイトルを持つと、例えば「中華コック+戦士=カンフーコック」のようにレアな職業タイトルを得られるようになっている。職業やスキルに特化したクエストもあり、キャラクタの育成が楽しめそうだ。
 豊富なボディパーツ(髪型、顔、服装、手袋、靴)やアップグレードでも増えていくアイテムなどで、より自分の理想に近いキャラクタ像が作れるのも特徴で、デモでもパッと見、同じように見えるキャラクタはいなかった。

 この他にも、広い世界をポータルや複数人用の乗り物、個人の乗り物などで移動できたり、家やギルドホールが購入できたりと、至れり尽せりな内容のファンタジーMMORPGに仕上がっている。韓国では2002年の1月からサービスが始まり、その他のアジア地域は3月、インターナショナルバージョンは6月からサービス開始予定だ。Xbox、PS2への移植も予定されているという。

(c)1998-2001 Phantagram Interctive Inc., All rights reserved.

□Phantagramのホームページ
http;//www.phantagraminteractive.com/
□「Shining Lore」のホームページ
http://shininglore.com/


■ 自然派のファンタジーオンラインRPG「Forestia」

 血みどろで汚らしいRPGにはサヨウナラ、というわけで「Forestia」は自然や昆虫をモチーフにした、優しくてすがすがしい雰囲気のオンラインRPGだ。
 昆虫とForestiaの住人達は共に自然あふれる美しい世界で暮らしていたが、ある時、黒い霧が世界を包み、昆虫は突如として住人達を襲うようになってしまった。プレーヤーは、昆虫の病んだ魂を癒しながら、世界を混乱させている原因を探っていかなくてはならない。

 アーチャーやフェンサー、ダンサーといったクラスのキャラクタを操作して数々のクエストをこなしていくのだが、シナリオはMPS(Multi Scenario Progress)式を採用しているため、単体クエストの繰り返しに飽きるといったことがなく、以前のクエストの結果が後のクエストにも影響するなど、自然な冒険を楽しむことができる。遊んでいるだけで心が和むようなグラフィックスと、一歩進んだゲームシステムが上手く合わさった、魅力的な一本だ。

□ARAIDCのホームページ
http://www.araidc.com
□「Forestia」のホームページ
http://www.forestia.co.kr


■ ストラテジーっぽい戦闘が特徴「ELIXIR」

 重厚なシナリオとストラテジックな戦闘が売りのアクションRPGだ。TRPG風のゲームシステムを生かしたマルチプレイにも対応している。
 4人パーティのキャラクタは、フィールド上でクリック&ドラッグで選択でき、右クリックで移動していく簡単操作。画面右下には、パーティ内の隊列がグラフィカルに表示されており、いつでもチェスのコマのように移動することができた。
 NPCに話しかけづらいなど、操作的にはやや辛い部分もあったが、どこまでも緻密なグラフィックスは印象的な作品だ。

□eSoftnetのホームページ
http://www.esofnet.com


■ 恐竜と人間が入り乱れるリアルタイムストラテジー「Jurassic Era Primitive War II」

 キワモノ系かと思いきや、細やかなグラフィックスとレスポンスのいい操作感が意外に硬派なリアルタイムストラテジーだ。プレーヤーはそれぞれに建物やユニットに特徴のあるミュータント、恐竜、人間、混血種などの種族を操作して戦うことになる。マルチプレイは最大8人まで。2001年末に発売予定で、韓国本国のほかフランスのメーカー、arxel tribeからの発売も決定している。

(c)1999-2001 Wizard Soft Ltd. All rights reserved.

□Wizard Softのホームページ
http://www.wzsoft.com


■ 派手な魔法と軽快な操作感のアクションRPG「Beneshion」

 数ある韓国メーカー製のゲームの中で、操作感がピカ一だったのは「Beneshion」だ。ゲーム自体はオーソドックスなファンタジーアクションRPGなのだが、キャラクタの走る、攻撃する、の各種動作が素早く行なえ、キャラクタ移動スピードがもったりとしたゲームが多い中でとてもプレイしやすかった。マルチプレイにも対応しており、最大8人でのプレイが楽しめる。

(c)1999,2001 VR Entertainment. All rights reserved.

□Wizard Softのホームページ
http://www.wzsoft.com
□VR Entertainmentのホームページ
http://www.vr-entertainment.com


■ ワイヤレスなガンデバイス「DREAMGUN」

 単独メーカーブースの中でも大勢の人を集めていたのは、ちょっと変り種のゲームデバイス。ワイヤレスのマシンガンとアーチェリーのデバイスで、専用の狩猟ゲームと共に展示を行なっていた。PCのほかPS、PS2、Xboxでも使用できる。

□GameBox Entertainment & Technologyのホームページ
http://gamebox.contentsmall.com/
□Dreamgunのホームページ
http://www.dreamgun.com/


□ETCS2001のホームページ
http://www.ects.com/

(2001年9月5日)

[Reported by 西尾ゆき]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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