ECTSレポート

ECTS 2001開幕 PC向けタイトルに強さを見せるヨーロッパ企業
コンソールメーカー不在で、いまひとつのコンシューマ系ソフト

会期:9月2日~4日(現地時間)

会場:ExCeL London

 現地時間の9月2日、ヨーロッパでは最大規模となるインタラクティブ・エンターテイメントのトレードショウ『ECTS 2001』が開幕した。昨年まで会場としていたロンドン市内のオリンピアホールから、今年は郊外の大型コンベンション施設であるExCeL Londonへと会場を移している。ちなみにオリンピアでの開催イメージはずいぶんと定着していたようで、開催パンフレットやプレス向けの案内メールなどには、会場が移行していることに関して注意を喚起するメッセージがたびたび見受けられた。

 会場へのアクセスは、無人運転のライトレール「DOCKLANDS線」が中心。ロンドン塔そばのTOWERGATEWAY駅から15分ほどだ。ロンドン市内を走る地下鉄との乗り継ぎを利用すれば市内からは30分から1時間ほどの行程になる。日本で例えるなら、都内中心部から東京ビッグサイトへアクセスするようなイメージに近い。無人運転のライトレールが走っているところなどもよく似ている。

 ETCS 2001への出展社数は300社以上。来場者もイギリス国内はもとより、ヨーロッパ全域から訪れているほか、韓国を中心にアジア地域からの来場者もちらほらと見かける。

 今年は、SONY COMPUTER ENTERTAINMENT EUROPE、NINTENDO of EUROPE、そしてXboxでコンシューマ市場に参入するMicrosoftの三社が揃って出展を見送っていることで、開場後のホールを見渡しても、コンシューマ系は総じて手薄という印象が強い。もともと欧米ではPCゲームのシェアが高いため、実数としてはそれほどの変化はないのかも知れないが、やはりゲームコンソールメーカーの不在は、派手なイメージに欠け、出展傾向にも影を落としている。近日中にゲームキューブやXboxのラウンチが行なわれる日本や米国に対し、いずれも2002年春以降というヨーロッパとの温度差もあるのだろう。実際、ゲームキューブやXboxのコントローラを手にとって試遊することができるブースやソフトはまだ極めて限られている。

 ECTSは東京ゲームショウとは異なりトレードショウとして機能しているので、一般入場は行なわれていない。18歳以下の入場も不可だ。こうしたスタンスはE3と同様で、ブースには必ずといっていいほどミーティングスペースが用意されている。こうしたミーティングスペースの大きさはE3で見ることができるそれ以上で、アンフォグラムやミッドウェイなど大手デベロッパのなかには、ブースすべてがミーティングスペースというところすら少なからず存在している。

 意外にも展示会場内でよく目立つのは韓国系のソフトメーカーだ。E3や東京ゲームショウにも出展している「GAME INFINITY」という韓国のゲーム振興団体による総合ブースの他にも、独立して大きなブースを構えているところがたくさんある。E3では日本企業の現地法人による出展が目立つが、ここECTSでは韓国企業がその位置を占めている。もちろん、韓国では日本のゲームコンソールは、公式には販売されていないのでPC向けのゲームが大半を占める。こうした韓国系ソフトハウスによるゲームタイトルは、明日以降詳しく紹介していく予定だ。

ゲームキューブのコントローラーを手にして、実際に試遊ができる数少ないブースであるケムコ。「Batman - Dark Tomorrow」と「Universal Studios」が出展されている。同社をはじめ、Xbox向けの「Shrek」などが出展されているTDKなど、コンシューマ向けタイトルを擁するブースは、明日以降詳しくレポートする Microsoftは会場の片隅で、DirectXに関するミーティング用のスペースだけを設置。一般展示エリアにあるXbox向けタイトルはまだ少ないが、Developersエリアでは、オンラインゲームや3Dシューティングのゲームエンジンなどが紹介されている ExCeL Londonは南北にそれぞれ展示ホールが設置され、中央をコンコースが貫く構造。東京ビッグサイトの東ホールと似た感じだが、ホールの規模はひとまわり大きい。コンコースはかなり広く、飲食・休憩のエリアが設けられている。ECTS 2001は、北側ホールのおよそ三分の二を使って開催されている
お国柄か、ホールの中央には『ECTS BAR』と名付けられたバーコーナーが設置されている。ソフトドリンクはもちろん、ビールからワインまでが販売されていて開場時間内は終始満席の活況。来場者は思い思いにボトルやグラスを傾けながら談笑している 展示ホール内でおおいに目立つ韓国系のソフトハウス。写真は、E3や東京ゲームショウでもお馴染みのゲーム振興団体「GAME INFINITY」のコーナーだが、独立して大きなブースを構えているところも多数。これら韓国企業のゲームは、明日以降まとめて紹介する ジョイスティックなどゲーム用周辺機器メーカーの老舗、スラストマスターからは、マットとポールを併用するモーションコントローラが登場。他にも、ユニークなインターフェースが各社で展示されている。明日以降、こうした周辺機器のレポートもお届けする予定だ

□ETCS2001のホームページ
http://www.ects.com/

(2001年9月3日)

[Reported by 矢作 晃(akira@yahagi.net)]

I
【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.