EA PLAYレポート その2

住民達が満足できる街作りを目指す「Sims Ville」など新作続々発表

会期:9月1日(現地時間)

会場:Electronic Arts UK本社

■ シム達が暮らす街を作り上げる「Sims Ville」

ゲームのイメージ画像にシム・ピープルのキャラクターが使われているように、シム・ピープルの家族データをSims Villeにインポートして、育成中の街に住ませることもできる
 EA UKの内覧会では日本でも人気の高いシム・ピープル(英語版名:The Sims)シリーズの拡張セットと、シム達が暮らす街を作成する都市育成ゲームの計2本のプレイアブル・デモが行なわれていた。
 いずれもシムと呼ばれるゲーム内の人間達の生活や人生をいじくることが題材となっていて、アクションやRPGはどうもなあ、といったライトゲーマー層にも楽しめる内容にしあがっている。

 ○ Sims Villeってどんなゲーム?

 Sims Villeは、シム(ゲーム内の人間)達が暮らす街を作るシミュレーションゲームだ。シム達の働きたいとか遊びに行きたいといった欲求のバランスを上手くとりながら、彼らが暮らす住宅と共に映画館や消防署、職場となるような工場や農場なども建てていかなくてはならない。住んでいる人達の気持ちと暮らしまで考えるところがポイントの都市育成ゲームなのである。

 建物はHouse(住宅)、Dining(飲食店)、Shopping(お店)、Entertainment(娯楽関係)、Industry(職場)、Civic(役所や施設)の6種類にわかれていて、それぞれにシムの生活や欲求に欠かせない要素を持っている。住宅を建てればよそからシムが引っ越してくるし、飲食店や娯楽施設、行政施設を建てれば生活に潤いを与えられ、職場を作れば彼らが自立して暮らせるようになる。シム達が働ける場所は工場などに限らず、例えば娯楽設備の映画館であればチケット販売員が必要といった風に、雇用の需要供給もなかなか複雑で、どんな種類の建物をどれくらい建てるかで、街とシムとの関係バランスも刻々と変わっていくのだ。

 また、街自体は、建てられた建物の種類などによって、良い雰囲気にも悪い雰囲気にもなる。実際の都市や街で想像してもらえればわかるが、乱暴者が集まる飲み屋やアダルト映画館、ストリップ劇場が軒を連ねていたら、当然、街の雰囲気は悪くなるだろう。Sims Villeでも同じことが起きる上、グラフィックスの変化でダイレクトに知ることができる。
 街の雰囲気をどうするのかはプレーヤーに任せられており、皆が幸せに暮らす気持ちのいい街にするのも、金と欲望にまみれた荒れた街にするのも自由だ。

 ○ 実際に遊んでみてどうだった?

 プレイした印象は非常に良好だった。ズームイン・アウトがかなりのところまでできるので箱庭感が強く、小さなお店や小さな住宅がひしめいている画面を見ているだけでもワクワク幸せな気分になれる。なおかつ、シム達を満足させるために「じゃあ今度はブティックとスーパーを作ってあげちゃおうかなあ」などと、ちょっとした神様気分が味わえるのも楽しかった。
 操作が簡単なのもポイントが高い。プレイに必要なアイコンメニューは画面下に集約されており、ボタンをクリックしてオブジェクトを設置していけばいいだけの楽チン操作でしたいことをその場で直感的にできて、ストレスなく遊べる。基本的に右クリックで場所の移動と建物情報、左クリックでメニュー決定と建物設置というふうに役割分担もはっきりしている。

 メニューの構成やグラフィックスはシム・ピープルのものを踏襲していたので、一度シムピープルシリーズをプレイした経験があれば、マニュアルなぞ見なくてもすいすい遊べるはずだ。また、始めてこの手のゲームを遊ぶ人でも、グラフィカルなアイコンと、カーソルを合わせると何のボタンなのかが文字表示されることとで、操作に迷うことがないだろう。
 Sims Villeはシムシティシリーズに負けない都市育成の楽しさと、シム達の欲求をかなえるというシム・ピープルのメインテーマとが合体した非常に魅力的な一本だ。英語版は2002年初めに発売予定となっている。

本当にどこかにありそうな街角風景。画面に映っているシム達は、もちろんそれぞれに動いている。街を見ているとちょっとアリの巣の観察に似ているかも!? 開発中の画面ではあるが、飲食店だけでも11種類も存在する。カフェやレストランを設置するだけでも楽しそう 雪の積もった街の様子。時間によって街のグラフィックスも変化し、昼間は明るく夜は暗くという風に、さりげなく臨場感を高めている
かなりズームアウトした状態の画面。メインストリートや住宅エリアなどをどのように分けるか研究しがいがありそうだ 展示されていたデモでは、まだグラフィックだけ名前だけの建物も多く、来年の完成が待たれる
実際のゲーム画面。最大限にズームイン (左) ・アウト (右) した状態の画面。ズーム・インすると街の真中の小さなお店が驚くほど拡大して見られるのがわかる

(c)2001 Electronic Arts Inc. All rights reserved. All trademarks are the property of their respective owners.

□Sims Villeのホームページ
http://simsville.ea.com


■ あなたのシムに熱いデートをさせる拡張セット「The Sims Hot Date」

 The Sims(日本語版名:シム・ピープル)はシム達の生活を観察し、彼らを操作して幸せな暮らしをさせる人生シミュレーションゲーム。生活の場である家の中に様々な効果を持つ家具を設置して、シムの食事や睡眠、娯楽や勉強といった部分の面倒を見てやるのが主な内容だ。
 細かくてリアリティあふれるグラフィックスと、シニカルでユーモアな世界感が見事にマッチしていて、現実での人間の生活をうまくゲームにきりとっている秀作なのである。

 今年の秋に発売が予定されているこのThe Sims Hot Dateはその拡張セットで、新しい家具などの他に、シム達がデートを楽しむための新たなロケーションや感情アクションなどが含まれている。
 新しい家具やオブジェクトにはCuddle Couch(イチャイチャ寝椅子)、Love Tub(愛のお風呂)、Sauna(サウナ)、Picnic Basket(ピクニックバスケット)、Lover's Swing(恋人達のスウィング)などが用意される予定だ。

デモでの人気も高かったThe Sims Hot Date。シム同士の熱い抱擁や痴話げんかでの平手打ちにギャラリーも盛り上がっていた 新しいオブジェクトがちらほらと見える実際のゲーム画面。ホームパーティを演出できた前作の拡張セットとは異なり、ちょっとアダルトでお洒落な雰囲気が特徴だ

□The Simsのホームページ
http://www.thesims.com


■ あの世界観はそのままにFPSとなって登場「Command & Conquer: Renegade」

 近未来を舞台にしたリアルタイムストラテジーとして名高いCommand&Conquerシリーズだが、この独特の世界観を元にしたFPS「Command & Conquer: Renegade」が登場だ。プレーヤーはGDIのエリートコマンドNick“Havoc” Parkerとなって、武器や時には戦車やバギーといった乗り物も操りながら、敵対勢力であるNodと戦うことになる。
 ミッションのクリアの仕方はプレーヤーにゆだねられており、例えばターゲットを始末するのに背後に忍び寄って頭を撃ち抜いても良いし、遠くからライフルで始末するのも良いし、はたまた人目を気にせずに重量級の乗り物でドドーンと踏み潰しても良いのだ。
 また、乗り物を操作できるというのが異色ならば、マルチプレイ時の「C&C戦」もFPSにしてはかなり異色。これは実際のストラテジーのように、両陣営が基地を持っていて、それを守りつつ、敵を倒したりエネルギー物質を精製したりで手に入れたクレジットを特殊ユニットに使用するというもの。C&Cの武器や乗り物の数々も使用するだけにダイナミックで激しい戦闘を楽しめそうだ。

ストラテジー本編でもおなじみのホバーなども登場。あの小さな世界が3Dに転換されているのも見物だ マルチプレイでのC&C対戦は、CTF戦にさらに基地とクレジットという要素がついたようなもの。守りと攻めの駆け引きがポイントだ 敵も人間だけとは限らない。武器を選びながら様々な障害を撃ちまくっていく

□C&C Renegadeのホームページ
http://westwood.ea.com/games/ccuniverse/renegade/index.html


■ 新たな世界危機を救え! 「Command & Conquer: Yuri's Revenge」

 秋に発売予定のC&Cストラテジー最新作Command&Conquer Red Alert 2の拡張パック「Command & Conquer: Yuri's Revenge」のプレイアブルデモが展示されていた。Red Alert 2にも登場したサイキックウォリアーのYuriが、それまで所属していたソ連に反旗を翻して独自の組織で戦い始めたというストーリーがメインとなっている。

 拡張パックのシングルプレイでプレーヤーは、連合国側としてこの新しい脅威の殲滅を目指すか、ソ連側となって謀反であるYuriの軍を叩くかを選んで戦うことになり、マルチプレイでは連合国、ソ連のほかにYuri軍となって戦うことができる。
 シングルプレイ用にはソ連側、連合国側それぞれの新しいキャンペーンが7つずつ、計14個が追加される。また、20以上のスカーミッシュ用の新マップや、実際の都市をモデルにしたマップもあり、サンフランシスコやロンドン、シアトルやハリウッドといったようなところで戦闘を楽しめる予定だ。

Yuri軍の兵士としてVirusやBruteといった多くの新ユニットが追加されている ロンドン市街での戦闘。おなじみのビッグベンに国会議事、テムズ川などが見える 実在都市のマップのほかに月面といったちょっと変わったマップも収録

□C&C Yuri's Revengeのホームページ
http://westwood.ea.com/games/ccuniverse/redalert2/english/newfeatures.html


■ 完成間近! 期待のハリー・ポッターもの「Harry Potter and the Philosophers Stone」

入り口でカメラを預けさせられる厳重警備。内部ではPC版のデモと共に、ゲームボーイやPS版のプレイアブルデモが行われていた
 世界でベストセラーを記録している小説ハリー・ポッターシリーズの「Harry Potter and the Philosophers Stone(邦題:ハリー・ポッターと賢者の石)」を題材にしたゲームがかなり完成に近づいていた。
 お披露目は他のゲームとは隔離された小部屋で、画面撮影は一切禁止という厳重なものだったが、見たところゲーム自体はほとんど完成しており、発売が楽しみだ。

 ゲームは、魔法使いの見習であるハリー・ポッターとなり、ホグワーツという全寮制の魔法学校に入学するというもの。魔法を使ってのアクション部分と、原作の雰囲気をいかしたレッスンやイベント部分とが融合した素敵な作品に仕上がっている。

 さて、今回のプレイアブルデモでは、ゲームの大まかな流れと、ハリーがどんな課題をクリアしていくのかを見ることができた。
 ホグワーツに入学したハリー(つまりプレーヤー)は最初は新入生として移動やアクション、魔法の唱え方などを覚え、徐々に原作のストーリーラインに沿った授業を受けたり冒険をしたりすることになる。そして、原作のストーリーに沿ってさまざまな冒険を進め、最後にはどうも「あの人」と対決しなくてはならないようだ。

 デモで見られたなかでおもしろかったのはハーマイオニ(ハリーの親友の少女)に鍵開けの魔法を教わる場面。画面内に表示されたスペルの形をマウスでなぞっていき、正確さが何%かで合格・不合格が決定するものなのだが、レッスンが続くほど要求される正確さもアップしていく。合格すればその魔法を使えるようになり、「グリフィンドールに2点」といったご褒美ももらえていた。
 学校内にはこのように、原作にも登場するハーマイオニーやロン、ウィーズリーの双子やダンブルドア校長やスネイプ先生などもおり、彼らに話し掛けることで新しい魔法を覚えたりストーリーが進むようになっている。
 ゲーム中は、マダム・フーチにホウキの乗り方を教わったり、ニンバス2000を操ってクィディッチの試合がそのまま楽しめる場面もあった。動く床の上を移動したり、空を飛んだりといったアクション部分も充実している。

 また、校内は不思議な抜け道や秘密の小部屋が満載で、これらの隠し要素を発見すると、自動的にノートに記録されるようだ。このノートにはおなじみの魔法使いカードをコレクションできるなど(でもギャラリーからは写真が動いていないとの突っ込みが)、原作ファンにはどこを開いても楽しめる要素が満載になっていた。
 英語版は映画の公開に合わせて11月の発売(US/UK)になっており、日本でもローカライズ後に完全日本語版となって登場する予定とのことなので楽しみにしていよう。


(2001年9月2日)

[Reported by 西尾ゆき]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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