セガ、テクモ、カプコン、コナミ
Xbox同時発売を目指して制作中のタイトルを公開

8月27日 発表

 マイクロソフト株式会社が発売を予定しているコンシューマーゲーム機「Xbox」の発売日が2月22日に決定したことで、ソフトウェア側の輪郭もおぼろげながら明らかになりつつある。今回行なわれた発表会において、もっとも開発が進んでいると思われる大手ゲームメーカー4社によるプレゼンテーションが行なわれた。


Xbox事業部の大浦氏と握手する稲船敬二氏
 まず最初に登場したのは株式会社カプコンの第二開発部部長でありプロデューサーを務める稲船敬二氏。カプコンがプレゼンテーションを行なったのは「幻魔 鬼武者」。同タイトルに関して言えば、プレイステーション 2ですでに発売され100万本以上のセールスを記録している。稲船氏自身も「なぜXboxなのか? と問われる」とコメントしている。これに対する答えに、同氏は「スタッフともミーティングしたが、『鬼武者』に対して不満がある。プレイしていればどんどんうまくなっていくから、ゲームが簡単に思える。でもより多くの人にプレイしてもらうためには難易度を調整しなければならない。これは制作者としては不満だった。Xboxのユーザーを想定したときすでにPS2版を遊んで貰っている人が、さらに楽しんでもらえるような、やりごたえのあるものを目指している。ただ焼き直しただけではユーザーは納得しないし、稲船としても納得できない」と語った。

 では、システム的にどのように違うかについては「難しくすると言っても、ただ敵を堅くするだけではダメ。今回、新たに“緑色の魂”を登場させている。この魂は主人公の左馬介が吸い込めるだけではなく、敵方も吸い込むことができる。もし敵が吸い込んだ場合は敵がパワーアップしてしまう。敵を倒すタイミングや魂を吸い込むかどうかの判断など、これまでにない戦略要素も発生しているという。
 また、「鬼武者」はアクションだが、「幻魔 鬼武者」に関してはユーザーを怖がらせる演出も用意しているという。これは新しく登場する敵にも関係するようで、「登場するとその部屋から逃げ出したくなる (稲船氏) 」というほど恐ろしいらしい。
 PS2版ではパンダのコスチュームが用意されていたが、今回は米国での発売も考慮して忍者のコスチュームになるという。

 すでにかなり完成しており、「ほぼ完成している。ハードが早く発売されて欲しいくらい」と自信のコメントが登場するほどの進行具合。稲船氏によれば「同じ性能を出すのにPS2に比べて時間がかからない」という。


Composed by (C)Mamoru Samuragoch.
Character Samanosuke Akechi by(C)Amuse/Fu Long Production,
(C)CAPCOM CO.,LTD.2001 ALL RIGHTS RESERVED.
Guest Creator:Takeshi Kaneshiro


 続いて登場したのはコナミの「サイレントヒル2」を制作しているコナミコンピュータエンタテインメント東京の北尾剛三氏と、「エアフォースデルタII」を制作中のコナミコンピュータエンタテインメントスタジオの神子敏康氏。

 「サイレントヒル2」のXbox版は完全版とも言える内容で、タイトルも「サイレントヒル2 最期の詩 (うた) 」となっている。北尾氏によれば「Xboxはテクスチャが鮮明に出る。他機種では空気感を演出するためにわざとノイズをのせているというが、今回公開された映像はXboxのパワーだけで表現できるために、ノイズをのせていないバージョンが公開された。ただし発売されるバージョンが、同じ映像になるかはまだ決定していないという。
 システム面に関しても「かなり手の込んだ追加を行なっている」という。発売は本体と同時の2月22日を目指すとしているが、現時点でこちらも完成間近だという。

 「エアフォースデルタII」に関しては、操縦できる戦闘機総数が約70機。ステージは40以上ということで確実にパワーアップしている。今回公開された映像も戦闘機のエンジン熱で空気が揺らぐなどの演出が素晴らしかった。神子氏によれば「大きな声では言えないがかなりできています」とのこと。こちらも2月22日発売予定。

エアフォースデルタII

(C)1999 2001 KONAMI

サイレントヒル2
最期の詩
コナミ東京の北尾剛三氏 コナミスタジオの神子敏康氏

(C)1999 2001 KONAMI COMPUTER ENTERTAINMENT TOKYO


 セガからは、まず最初にワウエンターテイメントの中川力也代表取締役社長が登場。現在制作中であるという「segaGT2002 (仮称)」を公開した。まだ開発に入ったばかりのようだが、車の質感や映り込みなどにこだわりが感じられ、車の中できちんとドライバーが運転している。車をいかに気持ちよく運転できるか、各車固有の挙動を出せるか、競い合いの楽しさなどを表現するべく現在、開発中であるという。東京ゲームショウではプレイアブル版を出展できるという。

 続いて登場したのはスマイルビットの川越隆幸氏。紹介されたのは「ガンヴァルキリー」と「ジェットセットラジオフューチャー (仮)」の2作品。

 「ガンヴァルキリー」はスティック2本を使用し、キャラクタと照準をそれぞれ操作するアクションシューティング。敵は虫型の異星人で、映画「STARSHIP TROOPERS」を彷彿とさせるようにワサワサと襲ってくる。わりと派手な演出がされており、かなり熱くなれそうな印象だった。

 もう一作品の「ジェットセットラジオフューチャー (仮)」はE3で公開された映像に比べ、効果などの点でかなりの進歩を見せており、ステージもかなり出来上がっている。今回は螺旋状にループするステージや、戦車やヘリコプターと戦うシーンなどが公開された。川越氏によるとアクションはもちろんパワーアップしているが、今回はアドベンチャー部分を強化しているという。また、もっとも大きな変化はマルチプレイが収録されている点。ネットワークプレイに対応するかどうかは不明だが、公開されたムービーでは左右画面分割のバージョンは用意されているようだった。今回はグラフィティをWEBで一般ユーザーから募集するなどの企画も計画されている。発売は2月22日の同時発売を目標としているという。

segaGT2002

(C)WOW ENTERTAINMENT INC./SEGA CORPORATION,2001

ガンヴァルキリー
ジェットセットラジオフューチャー (仮)

(C)Smilebit, Corporation/SEGA Corporation, 2001

ワウエンターテイメントの中川力也氏 スマイルビットの川越隆幸氏


 最後に登場したのがテクモの板垣伴信氏。もちろん「デッド オア アライブ 3」を紹介するため。今回のバージョンで遂にプレイアブル版の公開となった。これまでと同じ電飾が砕け散るシーンや海岸のシーン、林のシーンなどが公開されたが、いずれも確実にグラフィックのクオリティはアップしている。まだ、キャラクタのチューンナップがされていないため、入力に対するグラフィックの反応は制作途上のものだが、グラフィックは何度もいうが、素晴らしいの一言。発売は2月22日だが、米国版は発売と同時になるため、海外で先行発売と言うことになる。

 プレイアブル版では「クリスティ」、「ヒトミ」、「ティナ」、「レオン」、「ジャン・リー」、「レイファン」、「エレナ」がセレクターに姿を見せていた。このほか、最初に実機で公開されたデモシーンには「あやね」の姿も見受けられた。Team NINJAのロゴも新しいものになり、嵐の海からスタートしたデモは、前回のスクリーンショットで公開された城の内部からスタート。青の新衣装に身をつつんだレイファンと、ライダースーツに似たコスチュームのエレナが戦い、エレナの旋転後蹴腿の2発めを中段キックホールド(固有)でいなしたレイファンが背折靠で吹き飛ばすと、本丸の屋根へと舞台は移動。今度は逆にエレナが屋根からレイファンをたたき出し、攻勢をかける。二起脚からの蹴り(新技)を繰り出すレイファンは、最後をへい身撃(中段パンチホールド)でしめた。

 続いては雪が降り積もるステージでのヒトミとクリスティの戦い。ヒトミが飛び蹴りでクリスティを木に叩きつけると、積もっていた雪がドサッと落ちる。すかさず起き上がり反撃するクリスティ。「2」同様、壁やられからの起き上がりは無敵のようだ。アイン似ている技群を繰り出すヒトミに、蛇拳らしいダイナミックな動きの技で応じるクリスティ。2人が通った場所にはちゃんと跡が残る。

 さらに舞台は海岸へ。ゼブラカラーのパンツに青いショートトップをまとったティナと、「2」の家庭用で追加された赤のレザーパンツにタンクトップ、サングラスをかけたレオンが戦う。椰子の木にデザートファルコンでティナを叩きつけるレオン。フロントロールで接近するティナを脇固めから腕ひしぎ逆十字固めで極め、最後はジャイアントアッパーからショルダータックルの空中コンボで攻めまくっていた。

 次はレイファンとジャン・リーの3作にわたる因縁の戦い。このデモで初登場の「3」のジャンは多少上半身がガッシリした印象。スクリーンショットレポートでハヤテとバースが戦っていたステージで2人が戦う。ジャンがロードラゴンハンマー→キックアッパー→スナップキック→ドラゴンスパイクでレイファンを吹き飛ばすと、窓ガラスが粉々になり、レイファンはビルの上から落下。この記事のネオンに激突し、激しい火花とともに地面に叩きつけられる。

 そしてデモでしか姿が見えなかったあやねとヒトミのこの海岸の戦い。風舞陣(中段キックホールド)から秋月輪のコンボでスタートし、華蝶幻戯(投げ)、神宵(上段パンチホールド)で攻めるあやね。

 最後に「2」のレスリングスタイルのティナと、クリスティの戦い。ダイナミックな技でコンボを決めるクリスティに、ドルフィンアッパー(?)からショルダータックルで反撃するティナの戦いが林で展開されるところで幕は閉じた。

 このデモで現状のシステム面でわかることとしては、フリーステップのレスポンスがあがっていること、壁システムは「2」とあまり変更が見られないこと、クリティカルコンボは健在であることなどであった。



 このほか、発表会では公開されなかったが、資料として新タイトルのグラフィックが届いているのでご紹介しよう。

ダブル・スティール エクスチェイサー 式神の城
キングダムアンダーファイアII メタルダンジョン レリクス
トランスワールドサーフ トライアングル・アゲイン 斬 歌舞伎

(C)BUNKASHA PUBLISHING CO.,LTD. 2001
(C)2001 IDEA FACTORY (C)2001 XPEC Entertainment
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(C)Phantagram Limited
(C)2001 PANTHERSOFTWARE
(C)BOTHTEC
(C)Infogrames Inc.All Rights Reserved.
(C)MIG Entertainment Inc.
(C)2001 GENKI

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp/
□Xboxのページ
http://xbox.jp/
□関連情報
【8月27日】Xbox、2月22日発売! 価格は未定。DVD再生キットは別売で提供
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010827/xbox_01.htm
【8月27日】ナムコ、アトラス、フロム・ソフトウェア、新規参入を表明
話題作、意欲作を続々とXboxへ投入
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010827/xbox_02.htm

(2001年8月27日)

[Reported by 船津稔 / Photo by 矢作 晃]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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