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★ PS2ゲームレビュー ★
PS2で初登場の割に「第8作目」と言われてピンとこないかもしれない。「マイト&マジック」は、日本で世界三大RPGと称されることの多い海外産RPGだ。AppleIIやCommodore64、IBM PCなどで次々とシリーズ作品が展開され、98年にWindows用に発売されたマイト&マジック6がかなりの人気を博した。また、ファンタジーストラテジーのヒーローズ オブ マイト&マジックとストーリー的なリンクも果して、マイト&マジックワールドとも言える、一大叙事詩な世界を築いている有名なシリーズなのである。 ■ 最大5人のパーティプレイ
ゲームが始まるとまずキャラクターを作成する。ナイトやクレリック、ダークエルフといったそれぞれに戦闘の得手不得手がある種族の中から一つを選び、能力パラメーターや名前を変更して自分だけのオリジナルキャラクタを作り上げる。
ただし、マイト&マジック8でプレイヤーが作成するキャラクターは最初の一人だけで、その他のメンツは、冒険の途中で出会うNPC(ノンプレイヤーキャラクター)をその場で仲間にするようになっている。仲間は冒険者ギルドで好きな時に好きなように入れ替えられるので、冒険の深度に合わせて強いNPCをどんどん入れ換えていってもいいし、最初からの仲間を換えずにじっくりと育てることもできる。 ■ 自由度の高いクエストと戦闘システム
メインストーリーに関わるクエストをクリアしていくことでゲーム全体のストーリーが進むのだが、それ以外の星の数ほどあるサブクエストはどんな順番で取り掛かってもいいし、解いても解かなくても平気だ。つまり、ゲーム内でプレイヤーは本当の冒険者のように、自由に各地を放浪しながらいろいろな事件やイベントを楽しむことができるのである。
戦闘のシステムはちょっとユニークで、ターン制とリアルタイム制を切り替えて行なう。フィールドやダンジョン内を歩いていると向こうから敵モンスターがやってきて、そのまま戦闘に突入するので、そこでターン制に切り替えるわけだ。そのため、3Dフィールド内を歩き回っている臨場感はそのままに戦闘に突入し、焦ることなくターン制で戦闘を行ない(リアルタイムのまま戦闘も行なえるがなれないうちは難しい)、そしてゲームに戻れるのだ。
スキルのレベルが一定以上になれば、各地にいる技能の師匠に教えを乞い、さらに技能を強化することができる。キャラクターの強さの変化は、モンスターとの戦いでダイレクトに威力を発揮するので、キャラクターの成長はゲームの中で大きな楽しみになっている。 ■ コントローラーでの操作性はどうだろう?
ただ、攻撃や魔法攻撃をボタンを連打して行なえるのは爽快感があったのと、戦闘時のターン・リアルタイムの切り替えがアナログスティックの押し込みで行なえるのが楽だったので、コントローラーで操作すること自体にそれほど不満は感じなかった。特に、アナログスティックで感覚的にキャラクタを操作できるのが気持ちよく、慣れればキーボードよりお気楽にプレイできるだろう。 ■ PC版との相違点について
ゲームの冒頭にはPC版になかった移動と戦闘の仕方が練習できるチュートリアルも付属している。ただし、これはボタンをグラフィカルに表示をしながら親切に教えてくれるというものでなく、マニュアル片手に実地練習という感じのものだった。 もう一つの違いは、PC版ではいきなり始まってなんの紹介もなかった主人公の立場に、多少の説明を加える戦闘が挿入されていること。ゲームが始まるとすぐに、キャラバンを襲うパイレーツが目の前に登場し、キャラバンの護衛であるプレイヤーが敵を撃退しなくてはならないという状況が用意されている。これをクリアするとお金と経験値がもらえるので、何もも足されずにいきなりゲーム世界に放り出されるPC版よりかなり親切だし、その後のダガーワンド諸島でのストーリーにすんなり入ることができた。
また、PC版では固定だったキャラクターウィンドウ枠を、Windowsのツールバーのように好きな時に出し入れできるため、さらに臨場感のある操作が可能になっている。 ■ どういった人が楽しめるRPGなのか?
だが、マイト&マジック8は、キャラクターをちょっとずつ成長させていく喜びや、見知らぬ土地を探険してドキドキするといった感覚が、とびぬけて強いゲームだ。性格も考え方も違う主人公を操作するのでなく、ゲーム内キャラクターが自分の分身であるため、ゲーム世界との一体感も強い。自分がした冒険がストーリーになり、自分自身が主人公であるという、操作キャラクターとのシンクロ性が気分のいいRPGなのだ。
自分とは違う考え方のセリフをしゃべる主人公に違和感を覚えたり、規定の一本道ストーリーをなぞるだけのRPGに飽きた人にこそお勧めしたいゲームなのである。
□イマジニアのホームページ http://www.imagineer.co.jp/pc/index.html □「マイト アンド マジック~デイ・オブ・ザ・デストロイヤー~」のホームページ http://www.imagineer.co.jp/ps2/mm/ (2001年8月27日)
[Reported by 西尾ゆき] |
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