クリエイティブの次世代サウンドカード「Sound Blaster Augidy」
PCゲームサウンドプラットフォームとしての可能性を探る

9月上旬発売予定

18,800円(Sound Blaster Audigy Digital Audio)
29,800円(Sound Blaster Audigy Platinum)
38,800円(Sound Blaster Audigy Platinum eX)


 クリエイティブメディア株式会社は、本日都内で同社の次世代サウンドチップ“Audigy”を搭載したサウンドカード「Sound Blaster Audigy」シリーズのデモンストレーションを行なった。その模様や各製品ラインナップの詳細などの情報についてはPC Watchの記事を参照してもらうとして、GAME WatchではSound Blaster Audigyが実現するPCゲームサウンドについてお伝えしていく。

 クリエイティブの「Sound Blaster」シリーズは、現行のハイエンドラインナップ「Sound Blaster Live!」で実装された3Dサウンドテクノロジー「EAX(Environment Audio Extension)」により、ゲームサウンドプラットフォームのデファクトカードにのし上がった。ゲームユーザーがLive!を選択するのは、何もEAXで鳴らせるからというだけではなく、アナログ5.1出力端子や光出力端子といったAVアンプとの接続を考慮に入れた設計、フロントパネルによる容易なボリュームコントールなど、あらゆる利用ケースを想定した仕様を低価格で盛り込まれていることにもよる。このLive!をベースに全方位的な改良を施した上位モデルがAugidyである。

Audigyのエントリーモデル「Sound Blaster Audigy Digital Audio」。端子はすべて金メッキ仕様。Live!のゲームポートの位置に1394端子が付いた ミドルモデル「Sound Blaster Audigy Platinum」。5インチベイに収めるフロントユニットが付属する ハイエンドモデル「Sound Blaster Audigy Platinum eX」。外付け型のインターフェイスユニットが付属する。これのみ同梱の拡張カードでゲームポートをサポートする

発表会では「EAX ADVANCED HD Goldmine Demo」を使ったデモが行なわれた
 Augidyは、EAXの上位規格である「EAX ADVANCED HD」を新たに実装し、EAXで実現した音響効果に加えて、よりリアルな音響効果を実現するための新開発のライブラリをいくつか追加している。その中でも目玉といえるのが、従来1つで固定だった音響効果を最大4つまで同時処理し、リアルタイムで再生可能なマルチエンバイロメント機能。本日のデモでは、魔王の高笑い、ネコの鳴き声、清流が流れる音、カラスの鳴き声といった複数の音響効果が配置されたデモフィールドが用意され、実に臨場感溢れる音響効果を体験することができた。4つの音源ポイントから発生される音響効果は、それぞれ位置情報と距離情報がリアルタイムで計算されており、仮に遊び慣れたマップでこの効果を実現すれば、音だけで正確な位置と向きが測定できそうな臨場感だ。

 マルチエンバイロメントのほかにも、あるフィールドから別のフィールドへ移動する際(たとえば野外から屋内など)、それぞれの音響効果をスムーズに移行していくエンバイロメントモーフィング。デモでは野外から洞窟に入るシーンが使われ、野外の喧噪音が徐々に靴音が発する反響音に変わっていく様子が体験できた。ほかにも音を発しながら動く物体が生み出す反響の程度を自然な形で表現するエンバイロメントパンニングなど、多種多様のライブラリを実装している。

 ただし、こういったリアルな音響効果をゲーム内で体験するためには、EAX同様、ゲーム側が対応している必要があり、EAX対応ゲームをAudigyでプレイしても、EAXの音響効果しか得られない。本日の発表では、残念ながら「EAX ADVANCED HD対応ゲーム」についての具体的な話は一切行なわれず、開発者向けのSDKの配布もこれから行なうとのこと。

 Live!発表時に、EAX対応ゲームがずらりと並べられたのに比べると実に対照的だが、こういった事情から、Augidyを発売日に買っても同梱のデモ(EAX ADVANCED HD Goldmine Demo)以外でEAX ADVANCED HDの音響効果が体験できるゲームが無い可能性が高い。プレス向けに配布された資料によれば、EAX ADVANCED HD対応ゲームが発売されるのは今冬予定とのこと。予定どおりとしてもAudigyの発売からしばらく待つ必要がありそうだ。すぐ試せないのは少し残念だが、Audigyが秘めるポテンシャルは、これから発売される各種ゲーム機を含めても圧倒的といえるので、新しもの好きのゲーム開発者の奮闘に期待したいところだ。

【マルチエンバイロメント】
音が発生する場所の音響効果を最大4つまで同時再生できるマルチエンバイロメント。将来のFPSでは、暗闇の先がどうなっているのか音を聞いただけでわかるようになるかもしれない

□クリエイティブメディアのホームページ
http://japan.creative.com/

(2001年8月24日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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