「ファイナルファンタジー X　公式ライセンス商品」として発売されている株式会社ダイマジックの「beat shock」。この専用サブウーファとして8月4日に発売となった「beat force」を、「beat shock」とともにお借りする機会に恵まれた。プレイステーション 2でも5.1ch対応が話題になっているさなかに発売された製品群だけに、GAME Watchでも無視できないところ。さっそくチェックしてみましょう。なお、「beat shock」に関してのインプレッションはAV Watchの「魁! 藤原流アイテム道」に詳しいレポートが掲載されているのでそちらを参照してもらいたい。

　付属物はウーファ本体と、ACアダプタ、「beat shock」との接続に使用するモノラルミニプラグというシンプルな構成。サイズは手計測で178×247×170mm(幅×高さ×奥行き)で、ウーファは50mmコーンタイプの防磁型を使用している。出力は15Wで、再生周波数帯域は40Hz～250Hzとなっている。正面には電源のon/offを示す青色LEDがあるぐらいで、接続用端子、ボリュームなどはすべて背面に集中させてあり、すっきりとした印象。

　だが、実際配線してみると、やはりACアダプタの大きさがとても目についてしまう。「beat shock」のACアダプタもかなりの大きさなので、せっかくのコンパクトさなのに電源コード+音声コード(光ケーブル)で計4本のコード(+アダプタ)を目立たないようレイアウトするのはちょっと大変かも。

一般的サブウーファに比べるとコンパクト、かつ軽量である本体。鳴らしてみると正面のバスレフ用穴からはかなりの風を感じる
直径約110mmほどの開口部をもつウーファユニット部分	背面下に集中レイアウトされた端子類。左からプッシュ式電源ボタン、ACアダプタソケット(14W)、「WOOFER IN」と書かれたモノラル入力端子、ダイヤル式ボリューム	本体に比して大きいACアダプタ。しかも重い

■「beat shock」のサポート役としては十分な音

　さっそく「beat shock」とともにPS2から接続し、いくつかのDVDソフト、PS2用ゲームソフトを試聴してみた。「beat shock」だけではどうしても中～高音域が目立ちがちだったが、「beat force」を鳴らしてみたところ、ちょうど抜けていた低音域がキレイにフォローされている印象を受けた。ただし、スーパーウーファ的重低音を感じるか、と言われると、周波数特性を見てもおわかりいただけるように床が震えるほどの音は出ておらず、ビリビリと重低音を体感したいという人には向かないと思われる。

　また、指向性の強い「beat shock」の特性を受けてか、「beat force」もスピーカーの正面を外れるとピントがボケたような音像になるので、2つのユニットの正面にリスニングポジションを持っていくようなレイアウトが望ましい。かといって、「beat force」の音が耳にばっちり届くセッティングにすると「もこもこ」といった中～低域の音が気になる感じもあるため、正面床に置くなどして、「beat force」が目立たない位置にセットしたほうが比較的聞きやすい音になった印象を受けた。また、ボリュームの調整もある程度必要だが、再生領域を変えられるわけではないので、劇的に音の印象が改善できるわけではない。

　全般的印象は、ウーファのそれである。「beat shock」をツイータとして考えると、「beat force」を組み合わせることで2～3ウェイのスピーカーユニットになったような雰囲気である。セッティング次第だが、集合住宅で1人というパーソナルユースの使用環境で使うにはバッチリの能力だと思われる。他のコンシューマターゲットのバーチャル5.1chシステムの低域をフォローするユニットとしての使用も十分可能だろう。

□ダイマジックのホームページ
http://www.dimagic.co.jp/
□製品情報
http://www.dimagic.co.jp/products/index.html
□関連情報
【8月3日】ダイマジック、FF X公式スピーカー専用サブウーファ(AV Watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010803/bd.htm
【7月3日】魁! 藤原流アイテム道：FF X公式バーチャルサラウンドスピーカー
“公式”の実力はいかに?「beat shock」(AV Watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010703/saki20.htm

(2001年8月17日)

[Reported by 佐伯憲司]