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「Meltdown Tokyo 2001」開催 |
株式会社マイクロソフトは、ソフトウェアおよびハードウェアベンダー向けの技術カンファレンス「Meltdown Tokyo 2001」を、新宿のセンチュリーハイアットにて開催した。今回の各種セッションで話題の中心になったのは、Windows XP発売直後に公開が予定されている最新API「DirectX 8.1」。今年は、DirectXそのものに劇的な進化は見られなかったものの、最新OS Windows XPをフルサポートし、その一方でWindows 95がついに未対応になるなど、時代の移り変わりを感じさせる内容となった。
Direct3D 8.1のセッションを行なった米MicrosoftのDave Aronson氏 |
キーノートスピーチでは、DirectXの現況と今後の展開予定が示された。それによると、国内でのDirectX 8.1の公開はWindows XPの発売(日本語版は11月上旬予定)から少し後を予定しているとのことで、正確な日付は公開されなかった。8.0から8.1への変更点は、ピクセルシェーダに3つの新しいモデルの追加、Windows XPのサポート、Windows XPのグラフィックス、ネットワーク、入力に関するアップデートなど。そして先述したようにWindows 95が未サポートとなる。つまり、DirectX 8.1で開発されたゲームは、Windows 95上ではプレイできなくなる可能性が高い。ちなみにDirectXの次なるバージョン「DirectX 9」は来夏公開予定とのことだ。
続いて行なわれたWindows XPセッションでは、DirectX 8.1との親和性を前面に押し出した内容で、特にProfessional Editionは、ゲーマーとゲーム開発者のためのOSと位置づけ、ゲーマー向きOSの一例として、ログオフすることなくユーザー設定を切り替えられるスイッチング機能を紹介した。用例としては、ゲームをいったんポーズし、ワンタッチで息子のユーザー設定に切り替えて、息子がPCを使う、またはその逆など。一見手軽で便利そうだが、切り替えた状態でもゲームにリソースを使用したままなので、真の意味で効率よく使うためには、ゲーム開発時にあらかじめスイッチング機能を考慮に入れたプログラミングを行なう必要があるだろう。
互換性テストで一番気合いが入っていたのがNvidia。GeForce3、nForceのほか、ノート向けグラフィックチップ「GeForce2 Go」を搭載したDELL製のノートPCをテスト用に出していた。画面はセガの「ゲットバス」 |
なお、午後から行なわれたDirectPlayのセッションでは、現行のDirectPlay 8の技術解説のほか、「可能性のある機能」として将来的な話も聞くことができた。実装の可能性が高そうなのはセキュリティまわりの要素で、ゲームで送受信するすべてのパケットの暗号化や認証のための署名、チーターのエントリーをシステム的に拒否する「ブラックリスト」、そして監視機能付きの「トラフィックモニタ」といった提案が出された。トラフィックモニタはネットワークプレイ中にトラフィック状態を監視し、本来来るはずがないトラフィックがある場合は、通告や警告を出し、場合によっては以後のトラフィックを制限する、といったことも考慮に入れているとのことだ。
ほかにも、対戦プレイを自由に観戦できる「マルチキャスト」機能、Xboxやプレイステーション 2といった非マルチスレッドのプラットフォームにも移植可能な「シングルスレッド仕様Direct Play」などが研究対象として明らかにされた。いずれも実現が楽しみだが、シングルスレッド版が実現化し、各プラットフォームメーカーが採用すれば、PCがコンシューマ機と日常茶飯事的にネットワークプレイを楽しめる日が来るかもしれない。
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□「Meltdown Tokyo 2001」の公式ページ
http://www.meltdown-tokyo.com/
(2001年7月30日)
[Reported by 中村聖司]
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