★ PCゲームレビュー ★

帝国建設ストラテジー「Civilization」から
新たなパワーを引き出した新シリーズ第2弾!

コール トゥ パワー II
完全日本語版

  • ジャンル:帝国建設ストラテジー
  • 発売元:マイピック
  • 価格:8,980円
  • 対応OS:Windows 95/98/Me/2000
  • 発売日:7月26日


 現在我々が使っているコンピュータについて考えれば、それは独自でいきなり歴史に登場したわけではないことはすぐにわかるであろう。コンピュータ自体の開発はもちろん電気の発見や大量生産、近世での物理学の確立、アラビアでの数学の登場、もっと根源的にはピラミッドの時代に遡る天文学の発見が必要不可欠であったはずだ。メディアクエストから発売される「Call to PowerII」は、そうした人類の営みに思いを馳せる機会を与えてくれる数少ないゲーム「Civilization(以下Civ)」の流れをくむターン制のストラテジーゲームだ。

 もともとボードゲームであった「Civilization」は天才ゲームデザイナーSid MeiyerによりPCゲーム化され、一躍その知名度を上げた。前作の「コール トゥ パワー」は、Sid Meiyerのオリジナルシリーズをベースにしながらも、現代よりも数世紀先の未来技術まで模索した部分と、独特のアイディアが多数盛り込まれていたことでファンにも評価が高かった。が、今回ご紹介する「II」ではSid Meiyerのシリーズと一線を画すような変更も行なわれている野心作となっているのだ。


■ 「Civilization」というゲームの魔力

最初は周囲のほとんどが真っ暗だ。道をどう切り開くかはプレーヤー次第
 「Civilization」をご存じない方のためにゲーム概要を簡単に少し説明しよう。ゲームは山や平地、ジャングル、ツンドラなど、地形特性を持った菱形ヘックス(マニュアルではタイル)で構成されたマップ上で争われる(標準マップで48×96)。最初にプレーヤーには唯一都市を建設することができるユニット“開拓民”がひとり与えられ、まわりが何も見えない暗黒世界の状態からスタートする。開拓民を動かし、都市を造ると周囲のタイル(最初は半径1タイル周囲)から食糧、資材、金が集めることができるようになる。

 プレーヤーは3種の資源の収集バランスを変えることで、違った成長をさせることができる。食糧を多く集めればより早く人口が増え巨大な都市になり、資材を集めれば戦闘ユニットや都市の環境を改善する施設を素早く作ることができる。金があれば、より多くの科学研究に費用を当てることができるのだ。科学研究は一見無駄なようだが、ゲーム初期は法律や貿易、宗教でさえ発明されていない状態でスタートするので、いかに他文明よりも早く科学の進歩を遂げるかが重要となっているのだ。また都市には民衆の暮らしがあり、労働条件や食糧供給、賃金などもプレーヤーが設定でき、彼らが幸福かどうかにも気を配らなければならない。

【帝国のパラメータの数々】
帝国の基本方針を決定する部分で、民衆への食糧供給、労働時間、科学技術へのGoldの投資割合などを決定。

 こうして都市を成長させ、新しい開拓民ユニットを作成し周囲に都市を広げていく過程で、暗黒の世界からいきなり現れる未知の他文明との接触がこのゲームの次の段階といえる。文化交流、交易、戦争など自分の帝国を拡張しつつも、全世界を敵に回すようなことは避けねばならない。乱暴なようだが、基本的なゲームの流れはリアルタイムでない「Age of Empire」、というとわかりやすいのかもしれない。が、ユニット同士の決戦が主な面白さであるリアルタイムゲームとは異なり、密度の濃さは圧倒的だ。

 文明が成長する過程で選択することになる「政治体制」には、君主制や神権政治、ファシズムほか多種多様に用意され、政治体制の特徴が科学や経済の発展を左右する。外交では条件を細かく設定しつつ交渉時の態度まで選択できる駆け引きの醍醐味が味わえる。“七不思議”の建設の競争のために、過酷な労働条件で民衆を働かせてしまう自分に歴史の一ページを垣間見たりしてしまうのである。自分の主義に則って、じっくりそしてみっちりと戦略を練っていけるのがこのゲームの醍醐味といえる。戦闘ユニットでガンガン押しまくるもよし、他国と同盟しひたすら自国の科学発展につくすもよしで、マルチプレイではプレーヤーの性格がむき出しとなるのも楽しみの一つだ。

【七不思議の数々】
一種類につき世界で一つしか存在できず、建設に成功すれば物に応じた特権的な利益を得られる


■ 「コール トゥ パワー」シリーズの特徴

海底に都市ができるサイバーな光景も「コール トゥ パワー」ならでは
 オリジナルシリーズが基本的に現在までを対戦期間としているのに対し、本シリーズでは文明発祥と思われる紀元前4000年から2300年までの未来となっている。このA.D.2300年というのがポイントで、これから登場するであろう未来技術、海底開発のほか、地球規模に拡大していく環境汚染への対応なども戦略的に重要となっている。それゆえ重要度が増しているのが外交交渉。地球温暖化を放っておけば海面が上昇し、沿岸の都市が水没してしまうような事態になるのだ。そうした状況を防ぐために、汚染物質の削減を外交的に求めたりすることが必要となってくる。今まで「外交なんか知ったこっちゃねぇ」という人でも、次々と海中に没していく自分の都市の姿を見れば愕然とするに違いない。もちろん外交には従来のマップ交換や金の提供、核兵器やBC兵器の削減を求めたりする機能もあるので、色々試してみるとよいだろう。

画面中央で拉致疑惑発生!! 連れてきた(あるいは戦闘で捕虜にした)奴隷は一番近くの都市の人口に付け加えられる(が給料を支払う必要はない)
 もうひとつの特徴といえるのが、破壊工作や情報収集のプロである「スパイ」のほか、豊富に登場する非戦闘系ステルスユニットの存在があげられる。「奴隷商人」は他文明の「開拓民」を捕獲したり、軍事ユニットと行動を共にしていれば戦勝時に敵を捕虜にできる。「聖職者」は他国の都市を改宗させたり、免罪符を売りつけることで自国に金をもたらす。彼らステルスユニットはステルスユニットにしか発見できないため、「開拓民」が知らぬ間に「奴隷商人」にさらわれたりといったこともたびたびだ。そのほか「弁護士」による都市への訴訟攻撃ほか、現代に近づいてもあの手この手の過激で熱い非戦闘戦争を繰り広げることができる。これがどうしようもなくおもしろい。

 ところで、オリジナルシリーズや10年ほど前の「信長の野望」「三國志」といった日本のシミュレーションゲームを知っている方にはおわかりになると思うが、ゲーム終盤に都市が多くなるにしたがって命令を出す地域が広範になりすぎて、何から手を付けていいやら途方にくれてしまうことも多い。本作では、帝国の肥大化によるプレーヤーのダレを極限まで減らす努力をしており、このゲームシステムも特徴として数えていいだろう。

 まず公共労働力という概念。これは要するに公共事業の労働力で、これを生産力から差し引いて貯めることにより、道路や鉱山などのタイル改善を簡単に行なえるようにしている。そして今作から追加された「市長」システム。これにより都市の委任ができるようになった。生産、人口増加、幸福度などの重点目標を設定することもでき、しかも暴動や飢饉に陥るような心配もなく、着実に職務を遂行してくれるというのもありがたい。

 その一方で現代にいたるまでの技術やユニットがかなり間引かれているので、オリジナルシリーズのファンにはがっかりかもしれない。また、先進技術の発見により時代遅れになる七不思議が極めて少ないため、他文明の独走を一度許すと逆転が難しくなっている。


■ サクサクと進むプレイは「II」になってさらに進化

鉱山タイルも平地に建てることができる。新しいタイル改善には市場も登場
 最初に書いたように、「II」では基本的な仕様に変更が見られる。その最たるものが都市。これまでは、プレーヤーが労働者を働かせるタイルを選ぶことができた(山や丘では生産力が高いが、平地では食糧が多く取れるといった具合に)。これによって都市全体で収集される食糧、資材、金の配分を調節することが重要な要素となっていたが、「II」ではそれが一切できなくなった。それらは食糧、生産力、商業力として、都市が含むタイルの内容と人口に応じて一括で徴収されるようになったのだ。そのため収集資材の調節は、農場や鉱山といったタイルの改善、農民、商人といった新導入のスペシャリストを雇うことによって行なうようになっている。このため公共労働力をきちんと貯めて、適切にタイルを改善していかないと、山がちの都市ではたちどころに飢餓が発生してしまう。

 戦闘部分にも違いが見られる。前作は、頭数と戦闘力の単純計算に加えて、遠距離攻撃の要素を加味することで、Civilizationシリーズより多少戦略性が増した程度だったが、「II」では同じユニットでも動員レベルが違うことで体力に変化が生じるようになっている。低い動員レベルでは維持費が低いかわりに極端に体力が低くなるという具合だ。さらに、1対1で戦われる近接戦闘において、戦う相手のいない「騎兵」や「戦車」などは、移動力の高いユニットが挟撃ユニットとして横から同時攻撃ができるようになった。

 これによりほとんどすべての戦闘ユニットに必然性が生まれ、戦闘での戦略にさらなる深みが増している。また前作では、時代の経過と登場するユニットの変遷のバランスが悪く、各時代(特に古代)を楽しんでいる余裕があまりなかった。「II」ではバランス調整が行なわれているのか、古代やルネッサンス時代のユニットである「装甲歩兵」や「弓騎兵」、「侍」、「投石器」などのユニットでも存分に戦争が楽しめる。また「奴隷商人」や「聖職者」などのステルスユニットの出番も少し遅くなり、スタートしてまもない頃にいきなり「開拓民」を拉致されて、プレーヤーのやる気をそぐようなこともなくなっている。

【戦闘シーン】
ルネッサンス期に行なわれた大決戦。最初「投石器」の嵐の前に敗れたものの、こちらは「大砲」を先に開発して再度激突!!

貿易の設定画面。収益が一目でわかるようになっているので簡単に始められる。
 ほかに新しくなった部分をいくつか挙げると、まず貿易に関しての小さな変更がある。これまでは交易ルート1つに対してキャラバンユニット1つが必要だったが、「II」ではルートの困難さに応じて(困難であればあるほど儲けも大きい)複数のキャラバンユニット生産が必要になった。その一方で自分の交易ルートが他勢力の海賊行為にあってもルートがなくなることはなく、交易収入が奪われるだけになった。また、たびたびの海賊行為に悩んでいる場合には思い切ってルートを廃棄することで、キャラバンユニットを別のルートに使用することもできる。

偉業の一つである「火薬の発明」。敵都市の城壁の防御力が25ターンの間減るので、都市攻略に絶好のチャンス。
 さらに「II」では世界一周や火薬の発明といった歴史の転換点となる行為を「偉業」とみなし、最初に達成した帝国には数ターンのボーナスが与えられる。コンクリートの開発や帝国の征服など思わぬところに設定されているので、探してみるのもいいだろう。また規模によって都市圏が半径最大5タイルにまで広がるとのこと。これまでと同じ調子で都市を作っていると、お互いの都市がタイルを食い合って、後々成長が困難になるので注意しよう。最後に「T」でサポートされていた宇宙での開発は今回バッサリとカットされている。


■ 勝利の目標もプレーヤーのお好み次第

 「コール トゥ パワー II」では勝利目標が4つ用意されている。まず世界征服。他のすべての文明の都市をマップ上から消し去るのだ。2つ目は平和共存。外交交渉によって他のすべての文明と恒久的な同盟を結ばなければならない。3つ目は科学的勝利。科学進歩の最果てにある「ガイアコントローラー」の製造をすることで達成できる。4つ目はハイスコアでの勝利。2300年までの6300年間を粘りに粘って、その時点で獲得しているスコアが一番高ければ勝ちとなる。つまりプレーヤーがどの分野に力を注いでも勝利の可能性があるというわけで、この果てしない懐の深さも「Civilization」の特徴ともいえるだろう。

「コール トゥ パワーII」のローカライズにおいてはメディアクエストの「CivilizationII」に携わったチームが担当しており、翻訳やマニュアルの作りもかなりしっかりしている。初心者はもちろん、マルチプレイにも向くように作られており、オリジナルシリーズ以外はちょっと……という人にもお勧めのタイトルとなっている。

Call to Power II is a trademark and Activision is aregistered trademark of Activision, Inc (c)2000 Activision,Inc,All rights reserved. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.


【動作環境】
  • CPU:Pentium 166MHz以上(Pentium II 266MHz以上)
  • メモリ:64MB以上
  • HDD:320MB以上+150MB以上の作業領域
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時必須)
  • 解像度:640×480〜1,280×1,024ドット


□マイピックのホームページ
http://www.mediaquest.co.jp/
□「コール トゥ パワー II 完全日本語版」の公式ページ
http://www.mediaquest.co.jp/hot/hot_0.html/

(2001年7月24日)

[Reported by 嶋村智行]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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