PS2用内蔵型専用HDD「SCPH-10260」先行発売分レポート

「PlayStation 2 GT3 Racing Pack(SCPH-35000GT)」を思い起こさせる真紅のパッケージ
7月19日 発売

価格:18,000円



 プレイステーション・ドットコムで先行販売された「『PlayStation 2』専用ハードディスクドライブユニット」が7月19日、編集部にも到着した。今回はSCPH-30000およびSCPH-35000GTに対応する内蔵型の「EXPANSION BAYタイプ」である「SCPH-10260」をチョイス。実際に装着し、HDD対応ソフトである「ファイナルファンタジーX」を試用してみた。

HDD本体はほぼむき出し! ネットワークアダプタは極薄仕様

HDD本体は固定用のホルダーにセットされてはいるが、中身はかなり大胆に見えている
 まずビックリしたのは真っ赤なパッケージ。「Hdd」のロゴが入ったシンプルなものだが、SCPH-35000GTを思い起こさせる強烈なカラーリングである。

 中を開けてみると、UNLOCKボタンが付いた専用のアダプタ(ハードディスクドライブホルダー)がついてはいるものの、ほぼ本体むき出しのHDDユニットと、PS2専用ネットワークアダプタ、HDDユーティリティディスクVersion1.00、マニュアル2冊(ハードディスクドライブユニットとHDDユーティリティ用)がセットになったシンプルな構成。

 HDDユニットは、PS2本体後部にあるEXPANTION BAYにセットされている仮蓋を取り、ネットワークアダプタにあらかじめ取りつけられているマイナス仕様のビスでネットワークアダプタごとロックさせる仕組みでセットする。このビスはコインなどで回せる大きなものになっている。

 コネクタ関連を見てみると、HDDはIDE仕様のコネクタと電源コネクタが、ネットワークアダプタの裏面には、IDEコネクタ+電源コネクタに加え、本体からの電源供給とデータ転送を受け持つ接続用コネクターが、表面には100BASE-TX/10BASE-T対応Ethernet用ソケットが1つ。Ethernet用に、LINKランプとACTランプが各1つづつ設けられている。基本ハードウェア構成は「PS2 Linux Kit」で販売された外付け仕様のHDDユニットと、本体との接続部分を除いてさほど変化はなさそうだ。

 と、外観をマニュアルと比較しながら確認していたところ気付いたのが、PS2(SPCH-30000)本体の前面通風孔左部分にHDDのアクセスランプがあるという事実。赤みがかかった色で、通風孔の陰に隠れる形にセットされており、光量もそれほどではないので非常に目立たないが、HDDのセットが終わり、実際にHDDにアクセスしてみると、なるほど確かにランプが点灯する。

ネットワークアダプタ(本体接続側)。IDEコネクタなど、シンプル ネットワークアダプタの裏側。LANポートが1つと、ランプが2つあるだけ このような組み合わせ方で本体にセットされる
SPCH-30000のEXPANTION BAYの蓋を取ったところ スムースにベイにセットできる Ethernetコネクタにケーブルをセットして終了
PS2本体のユーティリティディスク同様、紙のジャケットに入ったHDDユーティリティディスク ホログラム仕様のユーティリティディスクの盤面 SPCH-30000本体の左下通風孔にあったHDDアクセスランプ

USBキーボードやマウスにも対応したHDDユーティリティ

 「HDDユーティリティディスク」をドライブにセットし、PS2を起動させると、ほどなくタイトルが表示され、基本操作が示される。ちなみに、ディスクをセットする前に本体のメニューを眺めていたら、詳細設定の部分にMACアドレスの表示が追加されていた。ネットワークアダプタが本体に認識されている証拠である。

 この「HDDユーティリティディスク」で可能なのは、「HDD対応のブラウザによるデータの閲覧やコピー、フォルダの作成やデータの移動」、「HDDドライブのデータの整理(いわゆるフラグメンテーションの解消)」、「HDDの診断と修復」、「HDDの初期化」、「音楽CDの再生」など。ちなみに、同ユーティリティディスクには「DVD Player Version 2.10」も同梱されているが、これは従来のものと同様、PS2専用メモリーカードにデータをインストールする形式を取っている。

 まずHDDを初期化し、ブラウザなどのデータをインストールする。それほど時間はかからない。実測値としては初期化に1分30秒、ブラウザなどのインストールも同じく1分30秒で終了した。ブラウザであとから見ると、HDDの総容量は38,144MB、空き容量は36,096MBとなっており、ブラウザやCDプレーヤーのデータはブラウザ自体から見ることはできなくなっている。

 フォルダの作成などで文字を入力する際には、画面キーボード(ソフトウェアキーボード)のほか、USB接続のキーボード、マウスも使用可能となっていた。
 また、HDDを20分以上放置しておくと、一時的に停止状態になる(スタンバイ)。

ユーティリティソフト起動画面 本体設定画面で追加されたMACアドレス ユーティリティ起動直後に基本操作が表示される
シンプルなメインメニュー HDD初期化中。後半猛烈なスピードで処理された 続いてブラウザやCD Playerをインストール
HDD用のブラウザでデータを閲覧したところ ブラウザやCD Playerのデータはブラウザでは見えない DVDプレイヤーはメモリーカードにセーブ

データキャッシュに対応した「FFX」をインストールをしてみる

 「ファイナルファンタジーX」のインストールには、11分30秒ほどかかった。「FFX」は、データキャッシュ用として1,792MBほどのデータをHDDにコピーすることがブラウザ画面で確認できた。

 実際にプレイしてみると、戦闘突入時のモンスターの表示までがスムーズに、さらに戦闘終了後の画面切り替え時には白く表示される場面の時間が短くなり、その効果を体感できる。「FFX」は、ゲーム中にHDDからのデータ読み込みと、DVDからのデータ読み込みを自由に変更できるようになっているので、その効果がわかりやすいだろう。だが、セーブデータをHDDに記録することはできず、メモリーカードのデータのコピーにとどまっているのが残念ではある。

 その他のデータキャッシュ対応ゲームを試す時間がなかったが、このハードディスクドライブユニットは、PS2のゲームレスポンスの向上に貢献してくれることは間違いない。また、ネットワーク対応ゲームや、ゲームデータの追加などでの威力を早く体験してみたいものだ。

□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□プレイステーション・ドット・コムのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□ハードディスクドライブユニットの販売について
http://www.jp.playstation.com/shopping/ha/hdd.html
□関連情報
【7月4日】SCEI、ハードディスクユニット7月19日から先行販売
7月5日午前10時からプレイステーション・ドットコムで受注開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010704/scei.htm

(2001年7月19日)

[Reported by 佐伯憲司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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