現代のピノキオ、カワイイ人間型ロボット「PINO」登場
ツクダオリジナルが商品化

8月末 から順次発売

 株式会社ZMPは、宇多田ヒカルのプロモーションビデオにも出演したことで有名なロボット「PINO」のビジネス展開を始めるとともに、玩具メーカーの株式会社ツクダオリジナルがロボット玩具からぬいぐるみまで幅広く商品展開を行なう。

 「PINO」は、文部科学省の科学技術振興事業団が期間限定で行なっている「北野共生システムプロジェクト」によって開発が進められている人型2足歩行ロボット。70cm、4.5kgで、1歳児程度だという。技術的にはオープンアーキテクチャを採用しており、プロジェクトを担当する北野宏明氏によれば、「PINO自体は秋葉原で売っている程度のパーツで完成させることができる。でもその技術内容を公開することで、PINOをベースに世界中の開発者が色々とよい意見を出してよりよいものに仕上がればと思っている」とコメントしている。
 PINOには26のサーボモーター、7つのセンサーが搭載されており、AI (人工知能) によって同時に制御されるという。また、CCDカメラを搭載し、色や形を認識している。ちなみに“頭脳”はPentium III 733MHzでOSはRT-Linux。コントローラにはSH2などが使用されている。

 今後はZMPが「PINO」を製造し、大学やイベントなどにレンタルするほか、7月に東京お台場にオープンする日本科学未来館の3階にあるロボットの展示ブースに3体ほど常設される。価格に関しては、ベーシックなモデルで1体が800万円程度だという。

「PINO」デザインがカワイイので、人気が出そう。7月にオープンする東京お台場の日本科学未来館にも常設される こちらはツクダオリジナルの「ロボットフレンド PINO」前左右にあるくことができる。コミュニケーションにより性格が変わる 手のひらのタッチセンサー。握手したりする

 ツクダオリジナルは、昨年巻き起こったロボットペットブームの時から、新たな市場の可能性として2足歩行タイプのロボットの開発を目指し研究していたという。こうした中、「玩具という限られた技術と資産の中で製品化する」意味合いからも、PINOをベースとしたロボット玩具の製品化に踏み切った。動き、そして独自の言語「PINO語」を通してどこまで感情表現できるかが課題だったという。
 同時にPINOをキャラクターとして、ぬいぐるみから携帯ストラップ、「PINO 1/6 アクションモデル」など多方面にわたって商品展開を行なう。

 中心となるロボット玩具は3種類予定されている。ひとつは「光っておしゃべりテクテクPINO」で8月末に1,980円で発売される。もっとも中心となるだろう多機能ロボット玩具が「ロボットフレンド PINO」で8月末に5,980円で発売。さらに高機能なタイプとして10月には「ロボットフレンド PINO DX」が12,000円で発売される。

 テクテクPINOは手軽に楽しみたい人向けで、搭載されているセンサーも頭部の2つのセンサーと体内の振動センサーだけ。トコトコと歩きセンサーを通じてユーザーとコミュニケーションを取る。コミュニケーションによっては、ゴキゲンになったり、さみしかったり、病気になったりするという。PINO独自の言葉「PINO語」も話すが、残念ながら12個しか話さない。色は白がベースで、赤、緑、青の3色が発売される。

 「ロボットフレンド PINO」は自律型のロボットで、前進左右に歩くほか握手やダンスといった複雑な動きもこなすかなり本格的なロボットに仕上がっている。センサーは6個搭載しており、ユーザーとコミュニケーションを取る。感情表現も豊かでゴキゲンだと目がオレンジに光るほか、怒ると赤くなったりする。3段階に成長するが、成長するに従いだんだん性格も形成されていく。紳士的だと相手と出会うとお辞儀をしたりするが、短気だと口げんかを始めてしまうという。また、成長していくとPINO語を話すという。PINO語のボキャブラリーもテクテクPINOに比べ増えている。色は赤、緑、青の3色。

 もっとも高機能な「ロボットフレンド PINO DX」は完全2足歩行を実現する。また、音声認識センサーを搭載しており、持ち主以外の人に対しては人見知りするといった行動をとるという。センサーも180度と広範囲で、呼んだ方向に向かって歩いたり手を振るという。こちらの色も赤と緑と青の3色。

 PCとの連携によるプログラムなどについては、「深みを持たせる意味合いからも考慮している」と言うことで、実現されるかもしれない。

もっとも高価な「ロボットフレンド PINO DX」音声認識するので、主人だけになつくといった行動をとることもあるという もっとも小さい「光っておしゃべりテクテクPINO」。小さいながらもテクテク歩きタッチセンサーなども搭載。持ち主とのコミュニケーションで感情に変化が……

挨拶をしたZMPの谷口恒氏。「PINO」をビジネスとして成長させていきたいという 「PINO」のデザインを担当した松井龍哉氏

(C)2001 ZMP,T.Matsui

□ZMPのホームページ
http://www.zmp.co.jp/
□ツクダオリジナルのページ
http://www.tsukuda-original.co.jp/

(2001年6月29日)

[Reported by 船津稔]

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