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ミスト III エグザイル

  • ジャンル:アドベンチャーゲーム
  • 発売元:マイピック
  • 価格:9,800円
  • 対応OS:Windows 95/98/Me/MacOS 8.1以上
  • 発売日:発売中


 1993年にMacintosh用のゲームとして発売されたアドベンチャーゲーム「Myst(ミスト)」は、瞬く間に世界に広がり、ありとあらゆるプラットフォームに移植され、日本でも多くのファンを得たことはご存じのとおり。これまでにない美しいグラフィック、謎めいた孤島、そして不思議なパズル、そのどれもが従来のアドベンチャーゲームとは一線を画す、革新的な内容だったのだ。続く作品「Riven The Sequel to Myst(リヴン ザ シークェル トゥー ミスト)」も拍手喝采で迎え入れられ、その華麗なグラフィックと奥の深い舞台設定、よりダイナミックになった謎解きやムービーは、前作同様高く評価された。

 そして、2001年。ついにミストシリーズの最新作である「Myst III Exile(ミスト III エグザイル)」の完全日本語版が6月28日に発売された。ミスト III エグザイルは、実写かと見まがうばかりのクオリティの高い3Dグラフィックと、ゲーム世界の中のアイテムや施設を大胆に扱ったパズルが特徴のアドベンチャーゲームだ。


■ 美しいだけではない! スムーズな視点移動

どういう風に使うかわからない設備に頭をひねらせる、それがミストのパズルだ。しかし、どのパズルも理知的なものばかりで、自ずから解答への道が示されている
 プレーヤーは登場人物の一人アトラスの友人となり、彼の奪われた書物を取り返すべく、本の中の世界に飛び込んでいくことになる。ゲーム中には、数々の謎解きが用意されており、それらを解決することで、新たな道とストーリーが開けるというシステムになっている。ゲームは完全にマウスのみの操作が可能で、行きたい方向にカーソルを合わせてクリックするだけ。アイテムやスイッチなどを使用するときも、そこにカーソルを合わせてクリックするだけどいう、シンプルな操作体系のおかげで、ゲーム初心者プレーヤーでも難なくプレイすることができる。

 ミスト IIIの大きな特徴は、なんといっても美しい3Dグラフィックと、それを自由な角度から眺められるということだ。ミスト IIIが採用している「フリールック移動システム(Free look movement system)」とは、ゲーム中の世界が360度見渡せると言うもので、FPSなどの一人称視点とはまたちょっと異なる。視点は一人称なのだが、移動は定点から定点への移動となる。つまり、これまでの静止画から静止画への移動が進化したもので、どこもかしこも自由に歩き回れるわけではないのだが、現在立っている場所では周りを360度自由に見渡せ、一歩進んだ先でもまた360度見渡せるといった具合のシステムなのだ。

 フリールック式のアドベンチャーというだけならば、これまでにいくつもあったが、いずれも画面グラフィックの静止・移動中のにじみが気になったり、遠方を見ると湾曲していたりと、どうにも不完全なものが多かった。だが、ミストⅢエグザイルは従来のフリールックをさらに進化させ、自然な気持ちで移動・見回しができるような環境を実現している。

 通常は画面をグルングルンと自由自在に動かせるフリールックモードになっていて、顔の向きを変えるように、マウスを動かす方向に視点を移動できるのだが、たとえば細かい操作が必要な場面などでは、フリールックをマウスの右ボタン(MacintoshならばCaps Lockキー)一発でカーソルモードに切り替えられ、視点はそのままにカーソルを移動させられる。プレイしていくうちに、プレーヤーは自然に二つのモードを使いわけることができるようになっている。プレーヤーは、ゲーム世界で自由に歩き、そして見渡すという行為を実に自然に行なえるため、まるでその世界の中を歩いているような感覚を覚えるのである。

 また、ゲーム中はローディングがまったく気にならないのも嬉しい。通常の移動にストレスがなく、どこでどう周りを見渡してもスムーズだし、また、エリアからエリアへの大きな移動があったとしても美しいムービーで魅せてくれ、プレイを妨げることが一切ない。それに、前作RivenではCDの入れ替えが大変で、エリアを移動するたびにCDの交換を要求され、さらにローディングで待たされと、非常に遊びづらかった印象が強いが、ミストⅢエグザイルでフルインストールを行えば、起動時にプレイディスクを読む以外は何の手間もなく、「パソコンでゲームをしています」ということを意識せずに、ミストの世界へと没入することができる。

ステンドグラスが美しい温室での一場面。実写ではないのに光と陰とにリアリティがある。これが360度どこを見渡してもそうなのだから、ため息をつくばかり 渡れそうで渡れない橋の向こうの気になるドア。どうやったら、あの場所にいけるのだろう 謎を解くことで新たな扉が開かれ、そして新しい時代へと飛び込んでいくことができる。今回は、謎を解いた後にドキドキするようなムービーが流れることも多い


■ ミスト世界のストーリー背景

ゲームでは音声の英語/日本語の切り替えのみならず、日本語字幕、英語字幕の表示設定も変更できる。DVDで洋画を見ているときのように、音声は英語だが字幕は日本語といったプレイスタイルも選べる。ちなみにゲーム中に登場する日記などはすべて日本語に訳されているのでご安心あれ
 ミストⅢエグザイルは、連綿と続くミストのストーリーを継承している。シリーズを通してのテーマとなっているのは、ドニという文明によって始まった「時代の本」の記述とその世界への接続だ。前作、前々作をプレイしていなくても、ミストⅢエグザイルは十分に楽しめるが、そのストーリーや登場人物たちの関係を知ると、ミストの世界がまるで実在するかのように感じられるようになる。ミストⅢエグザイルへといたるこれまでのストーリーの概要をざっとご紹介しよう。

 古代王国ドニには、特殊な紙とインクを使うことで本の中に時代を書き込むという技術が存在していた。この技術を使って書かれた「時代の本」の中の世界(時代 Ageと呼ばれる)は異なる自然形態、物理法則さえ持つことができ、そこにこちらの世界から接続(リンク Link)して、その時代の中で暮らすことさえできた。

 だが、繁栄を極めたドニも、ある時地震と災難によって壊滅してしまう。生き残った中に、ゲーンという男がおり、彼は廃墟となったドニから時代の本を記述する技術を持ち帰り、ドニの復元を試みた。しかし、彼の持つ技術では不完全な時代の本しか書けず、彼の冷酷な性格とあいまった非道な記述は、どの時代をも崩壊へと導いてしまった。

 一方、ゲーンの息子アトラスは、父にはない時代の本を記述する才能に恵まれた。時代に記述を書き加えては破壊して実験道具のように扱う父ゲーンと、時代を書く才能のあるアトラスはいつしか対立し、アトラスと妻のキャサリンは、ゲーンから接続書を奪って第五時代「リヴン」にゲーンを閉じ込めた。しかし、キャサリンの出身地でもあるリヴンはゲーンの圧政などにより加速的に崩壊に向かってしまい、ついにはリヴンに戻ったキャサリンがゲーンに捕らわれてしまう。

 一方、アトラスも、自わの成人した息子、シーラスとアクナーという強欲な兄弟によって緑の本に閉じ込められ、偶然ミスト島に接続した男(つまりプレーヤー)に助けられるまで、手も足も出ない状態だった(Mystのストーリー)。助けられたアトラスは自わを解放した男に、キャサリンを救出し、ゲーンを牢獄の本(入ると出られない本)に閉じ込めるよう手助けを頼んだ(Riven The Sequel to Mystのストーリー)。

 舞台はミストⅢエグザイルへとうつる。無事、助け出されたアトラスとキャサリンは、トマーナという世界に暮らしており、ドニの崩壊を生き残った人々のために、新しい世界レリーシャンを創造したところだ。二人の危機を救ったプレーヤーは、アトラスの案内でレリーシャンを訪れることになっていたのだが、突然現れた謎の男が、レリーシャンの時代の本を奪って姿を消してしまう。

 男の落とした接続書に慌てて飛び込んだプレーヤーが目にしたのは、かつてアトラスが息子たちに記述の技術を教えるために書いたレッスンの時代、ジェナーニンの世界だった。  そして、ゲームを進めていくうちに、謎の男は、かつてアトラスの息子であるシーラスとアクナーに滅ぼされた時代の生き残りであり、何かの目的を持って、レリーシャンの書を奪ったことが、徐々に明らかになってくるのである。ミストⅢエグザイルは、まさにこれまでのミストシリーズを集大成する内容となっているわけだ。

 ミストの世界を知るために、前作Riven、前々作Myst(もしくはrealMyst)をプレイするほか、英語のペーパーバックではあるが、3冊の小説本も役に立つだろう。

・Myst:The Book of Atrus(絶版・Hyperion社1995年)
・Myst:The Book of Ti'ana(Hyperion社1996年)
・Myst:The Book of D'Ni(Hyperion社1997年)


■ ミストⅢエグザイルに登場する5つの時代

 ミストⅢエグザイルには合計5つの時代が登場する。最初に訪れる時代「レッスンの時代ジェナーニン」を歩き回るうちに、プレーヤーはパズルを解くということ、ひいてはミストの世界観を学ぶことができる。このレッスンの時代からは3つの時代「エネルギーの時代」「ダイナミックな力の時代」「自然の時代」へと訪れられ、謎の男サーヴェドロが残した仕掛けを解き進めながら、彼の後を追うことになる。そして、この3つの時代の謎をすべて解き明かしたとき……、何が起こるのかはプレーヤー自身の目で確かめて欲しい。

【トマーナ】
プレーヤーがミスト III エグザイルで初めて訪れる場所。アトラスとキャサリン、そして彼らの娘イーシャがここで幸せに暮らしている。しかし、最近、何者かがアトラスの日記をいじった形跡があり、アトラスは不安になっているという

【レッスンの時代 ジェナーニン】
アトラスが息子たちに、時代の本を各技術を学ばせるために書いた世界。ここでは、後に、他の時代に向かった時のヒントになる事柄も数多く存在し、プレーヤー自身も基本的な物事をレッスンすることになる。だが、レッスンの本来の道程はサーヴェドロによってゆがめられており、様々な謎がプレーヤーの前に立ちはだかる

【エネルギーの時代 ヴォルタイク】
ヴォルタイクは「エネルギーの時代」の名にふさわしく、火山や電気エネルギーなど、様々なエネルギーに溢れた島だ。プレーヤーはこの世界の機構を復旧するのに悪戦苦闘させられる。しかし、そのエネルギーが開通した時、思ってもみなかった乗り物が登場し、プレーヤーは爽快感のある体験を得ることになる

【ダイナミックな力の時代 アマテリア】
レーンが張り巡らされた遊園地のようなアマテリアは、オリエンタルな雰囲気に彩られた不思議な世界だ。まるで巨大なピンボール台のような数々の謎を解き明かしていくと、最後にはあっと驚く仕掛けと感動が用意されており、プレーヤーの心を奪う

【自然の時代 エダーナ】
きらめく陽光と青い空、青い海に恵まれたエダーナは巨大な木の内部に存在する世界だ、ここには、自然が満ち溢れており、登場するパズルは植物を利用したものが多く、他の時代では困難に思えた謎解きも、なぜだかのんびりとした気持ちで解き進むことができる

(C) 2001 Ubi Soft Entertainment S.A. Copyright 2001 Presto Studios, Inc. Published by Ubi Soft Entertainment, S.A. All rights reserved. Myst is a registered trademark of Cyan, Inc. under license to Ubi Soft Entertainment S.A. The Ubi Soft logo, Ubi Soft and Ubi Soft Entertainment are registered trademarks of Ubi Soft Inc. The Presto Studios logo is a registered trademark of Presto Studios, Inc. QuickTime and the QuickTime logo are trademarks used under license. All other trademarks are the property of their respective owners. USE OF THIS PRODUCT IS SUBJECT TO CERTAIN RESTRICTIONS AND LIMITATIONS OF WARRANTY UNDER THE LICENSE AGREEMENT CONTAINED HEREIN. For Sale In Japan Only.


【動作環境 Windows】
  • CPU:Pentium II 233MHz以上
  • メモリ:64MB以上
  • HDD:200MB以上
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時必須)
  • 解像度:640×480ドット
【動作環境 Macintosh】
  • CPU:G3 233MHz以上
  • メモリ:64MB以上(64MB以上を推奨)
  • HDD:200MB以上
  • CD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時必須)
  • 解像度:640×480ドット


□マイピックのホームページ
http://www.mediaquest.co.jp/
□「ミスト III エグザイル」の公式サイト
http://www.mediaquest.co.jp/myst3/
□Presto Studiosのホームページ(MYST III Exile開発元)
http://www.presto.com/
□Cyan Worldsのホームページ(Myst、Riven The Sequel to Myst開発元)
http://www.cyanworlds.com/
□D'ni Guild(ドニについての公式サイト)
http://www.dniguild.com/
□関連情報
【6月26日】マイピック、「ミスト III:エグザイル」日本公式サイトをオープン
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010626/myst.htm
【6月1日】「ミストIIIエグザイル」“音声”、“字幕”などソフトの一部概要が明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010601/myst3.htm

(2001年6月29日)

[Reported by 西尾ゆき]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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