★ PCゲームレビュー ★

広大なフィールドを縦横無尽に駆け巡り
敵対勢力を蹂躙せよ!

TRIBES 2

  • ジャンル:ファーストパーソンシューティング
  • 発売元:カプコン
  • 価格:7,800円
  • 対応OS:Windows 95/98/Me/2000/NT4.0 SP4
  • 発売日:発売中


 今年から来年にかけて発売されるファーストパーソンシューティング(以下FPS)にはちょっとした特徴がある。それは従来のように1対多数とか8人対8人という小規模のオンライン対戦ではなく、「WorldWarOnline II」(現在ヨーロッパで発売中)や「Operation Flashpoint」(イマジニアより発売予定)のような、50人対50人といった大人数が広大なフィールドを舞台としてドンパチをやらかすタイプが増えている。この分野の先駆けとして位置付けられているのが、今回取り上げる「TRIBES2」の前作「TRIBES」である。


■ 「TRIBES」とは? その隠された伝説を探る

写真奥の山が霞んでいるのがわかるだろうか。画面で見える数十倍のフィールドを疾駆し、勝利へ向けてまい進せよ!
 結論から先に書くと、「TRIBES」は日本では国内代理店が無かったこともあって、まったくといっていいほど盛り上がらなかった。しかし、世界的規模で見るとユーザーサーバ設置数は「Quake III」、「Unreal Tournament」、「Half-life」に次ぐ第4位にランクされ、“4大”FPSの一角として語られている。特にTRIBESのネットワークコードは、非常に優秀といわれており、PCゲーマーの標準回線が64KbpsのISDN回線が主流だった98年当時でも快適なネットワークプレイができたことをよく覚えている。

 その一方で、大人数でのプレイを描画するためにPC環境も相当のものが要求された。当時300MHz前後のCPUが平均的環境だった中で400MHz以上ないと「安定して」動かないという一面も確かにあったが、いろいろな意味ですんげー面白いゲームだった。そのクオリティの高さはTRIBESが99年のE3 Game of The Yearに選ばれたことからも明らかだろう。

基本にして最大の目標であるフラッグ。これを自陣に持ち帰ることができれば君はヒーローだ
 先ほどTRIBESは国内代理店がなく、国内であまり盛り上がらなかったと書いた。おそらく「面白いゲームでも日本人同士でプレイできないとちょっとね」と思われた人も多いことだろう。確かに国内のプレイ人口が少なければ、そのゲームはマイナーで終わってしまう。だが、TRIBES2では状況が変わった。前評判の高さとその期待を裏切らない面白さに、国内におけるTRIBES2コミュニティは盛り上がりをみせ、国内や韓国のサーバーにも日本人の姿を多く見ることができる。

 加えて、今回はDIABLO2と同じくCAPCOMが国内総代理店となり販売を行なうほか、バトルトップジャパンと共同で大人数サーバを設置するというPCゲームでは異例の力の入れようとなっている。当然国内におけるTRIBES2プレイ人口もうなぎのぼりに増えていくだろう。TRIBES2は日本においてもメジャーなゲームとなることに疑いはないのだ。

基本である3種類のアーマークラス。左からScout、Assault、Juggernautとなる。各クラス特徴があるので、特性を良くつかみ状況によってクラスチェンジを行って欲しい


■ 「TRIBES2」ならではの施設設置とビークルというシステム

敵機襲来! 追尾ミサイルを発射して撃墜せよ!!
 TRIBES2においてプレイヤーは、景色が霞んでしまうような広いマップを舞台に、以下のアーマークラスから基礎タイプを選択してプレイすることになる。装甲が薄く、使用武器も限られるが、移動スピードが速いため戦場を縦横無尽に駆け回れる「Scout」。強力な武器運搬能力と厚い装甲を持つがスピードの遅い「Juggernaut」。両者の中間の能力を持つマルチクラスである「Assault」という3つのカテゴリだ。

 これらのクラスは一度決めたら終わりではなく、「InventryStation」と呼ばれる補給地点でゲーム中の状況にあわせたクラスチェンジを行うことが可能だ。また、マップに点在する「Packs」と呼ばれる15種類の追加装備をゲーム内での自分の役割に合わせて使いこなすことで、戦況にあわせて自由度高く動くことができる。

敵に破壊されたVehicleStationを修理中。ビークルが使えないと攻撃力は半減してしまう
 TRIBES2におけるメインゲームスタイルはCapture The Flag(CTF)と呼ばれる旗取り合戦だ。敵陣に突入して敵軍旗を奪取して自陣に戻るのがその目的だが、マップがでたらめに広く、下手をすると1度も敵と遭遇しないで敵陣にたどり着いたりすることもしばしば。その一方で1回敵軍旗をゲットすると、すんなり自陣に戻れたりする。要するにマップが広いおかげで敵の接近が察知できないし、自軍旗を持っていった敵プレイヤーを補足することが難しいのだ。ここでTRIBES最大の特徴である「施設とビークル」が重要になってくる。

 さきほど紹介したPacksには、弾数の増加や隠蔽などの能力補助系に加えて施設設置系のものが幾つか存在する。具体的には「Turret」と呼ばれる自動砲台や、敵の接近を察知する「Sensor」などだ。これを監視の薄くなりそうな方向に設置しておくことで、自陣に接近する敵を早期に発見・排除することが可能になる。Turretを設置しSensorを強化すれば、自陣はより強固になり敵に自軍旗を奪われる可能性がより減少するわけだ。

修理完了したVehicleStationより、味方機が続々と発進! このあと敵陣地は、爆撃機の波状攻撃により壊滅したようだ
 しかし、自陣の防御を固めるだけではゲームに勝つことはできない。勝利をもぎ取るためには確かな戦術と、勇気ある行動が必要不可欠である。ということで、ここで2つ目の特徴であるビークルと呼ばれる乗り物が重要となってくる。施設が防御の要であるなら、ビークルは攻撃の要だ。ビークルは全部で6種類あり、有効活用することで前線の強力な押し上げが可能となる。「Beowulf-Class Grav Tank」と呼ばれる二人乗りのホバー戦車を使い、混戦模様の前線に突入。敵勢力を掃討した後、後続部隊がTurret等を設置、橋頭堡を築く。

 また「Havoc-Class Transport」と呼ばれる人員輸送機を使って、移動速度の遅いJuggernaut部隊を敵陣地まで空輸、空挺による敵陣強襲を敢行。一気に敵陣地の壊滅を狙う、と言ったオトコノコなら燃えざるを得ないシチュエーション大爆発の攻撃作戦がビークルを利用することで実現できてしまうのだ。また、人数さえいれば、少数の地上部隊が敵陣へ進入、敵防御施設を無効化。足が遅く落とされやすいTransportがゆうゆうと敵陣を攻略するという2面作戦を行なうことも可能となる。

 しかし、こんなにも男心をくすぐらせるTRIBES2のシステムにも弱点はある。自陣に設置してある「Generator」を破壊されると、各施設を保護するために張ってあるEnergyShieldが崩壊。防御能力ゼロのTurretはあっという間に破壊され、新たなビークルを構築することができなくなり、敵の侵入を簡単に許してしまうことになる。この悲惨な事態を回復するためには、RepairPackを装備してGeneratorを修理しなければならない。しかし、敵が施設の修理を見逃すわけも無く、妨害は苛烈になる。ここらへんの攻防の駆け引きがTRIBES2最大の楽しみといえる。


■ TRIBES2の華は広大なマップで行われるCTF戦にあり!

 冒頭にも述べたが、TRIBES2の華は大人数で行われるCTF戦にある。これからTRIBES2の世界へ参戦する人はCTFにおける役割の3大カテゴリを十分に理解して戦場に臨んで欲しい。戦場でオタオタするだけのプレイヤーは、あまり歓迎されないからだ。

■オフェンス
敵陣に突っ込み旗の奪取を行う。ビークルを操って味方Juggernautを敵陣へ送り込むのもこのカテゴリの役目だ。主にScoutが担当する。戦場を縦横無尽に駆け巡って敵をかき回し、スキあらば敵軍旗を奪取せよ!!

■アグレッシブディフェンス
中盤において敵オフェンスの迎撃、戦線の確保、旗を奪取した味方オフェンスのサポートが主な役割だ。ホバータンクや爆撃機を使い、前線を押し上げるの派手でいいだろう。主にAssaultがこの任務にあたる。戦線を押し上げたらTurretを設置し、現在位置を保持するのを忘れるな!!

■ディフェンス
自軍旗の確保と敵オフェンスの殲滅が主任務だ。全ての攻撃の基点となる自軍陣地の存亡は全てこのカテゴリにかかってくる。Turretを設置、進入してくる敵に目を光らせ、戦闘機を操り、自陣に向かってくる敵Tranceportの撃墜する。破壊された基地施設の迅速な機能回復も重要な役目だ。地味だが一番感謝と信頼を受けるカテゴリと言える。Juggernautが適任だろう

 と、このようにTRIBES2では自分の役割を理解し、作戦にしたがって戦場を動く醍醐味を十二分に味わうことができる。決して1人のスタープレイヤーだけで勝利できるような甘いゲームではない、そのことを十分理解して味方との連携プレイを楽しんで欲しい。その先にあるのは輝かしき栄光と勝利だ!!

ホバータンクに乗っていざ出陣。敵を発見し交戦に突入! 善戦するもあえなくタンクは破壊、乗っていた私もやられてしまいました。とほほ

(C)2000 Sierra On-Line. Inc. All Rights Reserved.


【動作環境】
  • CPU:PentiumII 300 MHz以上
  • メモリ:64MB以上(128MB以上を推奨)
  • HDD:540MB以上
  • DVD-ROMドライブ:4倍速以上 (起動時必須)
  • 解像度:640×480ドット以上


□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「TRIBES 2」の公式ページ
http://www.capcom.co.jp/newproducts/pc/tribes2/index.html
□関連情報
【5月10日】カプコン、3Dアクションシューティング「Tribes 2」を6月22日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010611/tribes.htm

(2001年6月22日)

[Reported by Tyokuta]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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