ナムコ、フランス制作のフルCG映画「AXIS」のゲームを共同制作

2002年秋発売予定



 株式会社ナムコは、フランスのシャーマン・プロダクションズが制作中のフルCG映画「AXIS」のプレイステーション 2用ゲームを共同制作すると発表した。映画の完成は2002年春を予定しているが、日本での配給は2002年秋を予定している。これは映画とゲームの制作を同時に行ない、公開と同時にゲームをリリースするため。日本での配給は、この夏「ファイナルファンタジー」の日本配給権も持つギャガ・コミュニケーションズが行なう。

 「AXIS」は架空の惑星を舞台にした物語。宇宙を巡り知識の集積を行なっている宇宙人ヴェカリアン人の宇宙船がアストリア星に大破し墜落。巨大宇宙船の墜落によりその星の生態系は一変した。それまで芳醇な樹液を元に繁栄を誇っていた世界だったが、宇宙船の墜落とともに出現した巨大樹「AXIS」により生活必需品である樹液が枯渇してしまった。滅亡の危機に瀕したこの星の少女カイーナは冒険の旅に出ると言ったストーリー。

 映画は現在8割程度の完成度としているが、公開された映像は深みのある絵柄でシブイ色調がハリウッド製のCG映画にはない雰囲気を醸し出していた。ただし、重要なスペシャルエフェクトはまだ合成されておらず、そう言った意味では「宇宙船が燃えているシーンだが、今回はまだ燃えているエフェクトが重ねられていない」と言った完成度だった。

 ゲームのシステムについてはアクションアドベンチャーとなる。制作を担当しているナムコの第一開発本部長の岡本達郎氏によれば、映画の素材を流用すると言うことから、完全な3Dのフィールドを探索するタイプのゲームではなく、「アローン・イン・ザ・ダーク」や「バイオハザード」のような2Dの背景をベースにしたタイプとなるようだ。
 シナリオについてはおおむね映画と同じになるが、ゲーム独自のストーリーや場面が用意されるという。ゲームの監修に映画の制作スタッフがあたっているため、「映画と整合性のとれたものになる (岡本氏) 」という。
 対応プラットフォームはプレイステーション 2だが、Xboxやゲームキューブといったほかのプラットフォームについては、現在決定していないと言う。

 発表会に出席したナムコの代表取締役会長兼社長の中村雅哉氏は、「ゲームと映画が同時に制作されているのは初めて」とコメント。「我々は長いことコンピュータグラフィックをやってきた。今日の任天堂の繁栄があるのはナムコがファミコンにソフトを供給したからだ。Xboxやゲームキューブといったプラットフォームからもソフトを供給して欲しいと熱望されているし、協力していく」と、これらのプラットフォームでもソフトを発表していくマルチプラットフォーム路線で行くことを表明した。

現在ナムコの代表取締役会長兼社長を務める中村雅哉氏。Xbox、ゲームキューブにも協力していくという ナムコ第一開発本部長の岡本達郎氏。ゲームシステムはアクションアドベンチャーになるという 映画、ゲームの制作を行なうシャーマン・プロダクションズのデニス・フリードマン氏。アタリ、ブローダーバンド、シグノシスなど有名プロダクションで実績を蓄積してきた
フランスではおおきな配給権を持つスタジオカナルのダニエル・マルケ社長。「ナムコといっしょにできて光栄だ」とコメント 枯れ木の中にあっても力強い生命の象徴として制作された「AXIS」のオブジェ

(C)2000 Chaman Productions, StudioCanal, TVA International IV

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/

(2001年6月22日)

[Reported by 船津稔]

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