Electronic Entertainment Expo 2001現地レポート

Kentiaホールレポート
Kentiaホールには今年も変わったものがいっぱい

会期:5月17日~19日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 E3が開催されているLos Angeles Convention Centerには、大きなホールが3つ用意されている。そのうち、任天堂やSONY COMPUTER ENTERTAIMNENT AMERICA、SEGA OF AMERICAなどコンシューマー系メーカーの多くがブースを構える「West Hall」と、MicrosoftやElectronic Arts、EidosなどPC系メーカーの多くがブースを構える「South Hall」の2ホールがほぼメインの会場となるが、「Kentia Hall」というホールには各種周辺機器メーカーや小メーカー、アジア系メーカーなどが多数ブースを構えており、変わった物や怪しい物が展示されることが多い。そこでここでは、Kentiaホールで見つけた変わった物をいくつか紹介していこう。

■ コントローラメーカーのTHRUSTMASTERブースにおもしろい製品が多数

THRUSTMASTERといえば老舗かつ正統派ジョイスティックメーカーというイメージが強い。ブースにもPC用やPS/PS2用、Xbox用などの様々なジョイスティック、ジョイパッドなどが展示されていた

 THRUSTMASTERといえば、高品質なジョイスティックを古くから製造する老舗のジョイスティックメーカーだ。THRUSTMASTERブースでは、もちろんPC用やPS/PS2用、Xbox用のゲームパッド、ジョイスティック、ハンドルコントローラなど多数のゲームコントローラがメインの展示内容となっていた。しかし、今年のTHRUSTMASTERブースには、ちょっと変わった製品もいくつか展示されていた。

 まず、初日の任天堂系ハードウェアの紹介記事でも取り上げている、GameboyおよびGameboy Advance用のワイヤレス通信デバイス。GameboyやGameboy Advanceで通信対戦を行う場合には通信対戦ケーブルを利用するのが一般的。それに対しTHRUSTMASTERブースに展示されていた「Free Runner Link」という製品を利用すれば、無線で通信対戦が可能となるのだ。

 この製品は、915MHz(米国向け、ヨーロッパ向けは868MHz)の周波数帯を利用して、最大30mほどの距離であれば、2台のGameboyまたはGameboy Advanceの間で無線の通信対戦が可能となる。ちなみに日本では、915MHzはMCA無線、868MHzは電話で利用される周波数帯域のため、日本国内での利用は違法となってしまうので、日本の電波法に沿った周波数帯を利用するモデルが登場しない限り、日本では利用できない。

 また、格闘ゲームなどを腕や足など全身を利用してプレイできるようにする体感コントローラとよく似た製品も展示されていた。床面はマット型のコントローラで上下左右の移動用ボタンを足で踏んで操作し、メインとなるボタン部分は、前方2本のポール部分に取り付けられた6カ所の赤外線ユニットを腕や足で遮ることによって、全身を使ってゲームをプレイできる。

 会場では、説明員の女性が実際に「鉄拳TAGトーナメント」をプレイしながら製品を紹介していたが、その身軽なフットワークでのプレイの様子はかなり見応えがあったが、その動きを見ているとやはりなんだか怪しい。同様の製品は、過去のE3などでもアジア系メーカーの製品が展示されており、それほど珍しい物ではないのだが、THRUSTMASTERというブランドが付いている点はやはりポイントが高い。ただ、こちらもコンセプトモデルで、発売はまだ決定していないそうだ。

GameboyおよびGameboy Advance用の無線対戦アダプタ「Free Runner Link」。2台のGameboyまたはGameboy Advanceに取り付ければ無線対戦が可能。電波は30mほどの距離まで届くようなので、家の中の別々の部屋に居ても対戦が可能だろう。ただし、これは参考出品で、発売時期や価格は決定していない。また、使用する周波数帯の関係で日本では使用不能

ポール部分の赤外線ユニットと床面のコントロールシートを利用し、全身でゲームがプレイできる体感コントローラ。コンセプトモデルのため発売時期や価格は未定だ
「Free Runner Link」ムービー
[Mpeg形式:1.9MB]

ダウンロードはこちら


□THRUSTMASTER(日本)のホームページ
http://jp.thrustmaster.com/


■ 光線銃を使ったちょっと怪しいハンティングゲーム

 光線銃を使ったゲームはそれほど珍しいものではない。セガの「The House of The Dead」シリーズやナムコの「タイムクライシス」シリーズなど、人気ガンゲームはいくつも存在している。Kentiaホールで見つけたこのゲームは、ガンコントローラが小型の拳銃タイプではなく、ハンティングなどで利用するライフル銃となっている。ゲーム内容はまさにハンティングで、画面内に登場する動物をいかにたくさんハンティングできるかを競うというものとなっている。

 別にライフル銃を利用するガンゲームは既に存在しているし、ゲーム自体の内容も普通だ。また、ブースに飾られているコントローラのライフル銃はかなり精巧で、手にするとかなりの重量が手に伝わってくるし、サイズもかなりある。ここまでを見る限りでは本格的なゲームかと思うかもしれないが、そこはアジア系のメーカーで、期待が裏切られることはない。

 プレイ中は画面が強制スクロールすることがなく、ライフルに用意された十字キーで自分で移動をコントロールする。一般的なガンゲームは強制スクロールが基本のため、この時点でまず衝撃を受ける。そして、動物登場。すると、いきなり襲われて、画面に爪痕が!「ぎゃー」という悲鳴が大音量でブースに響き渡る。プレイする人は十字キーで動物から逃げつつ撃たないとならないのでかなり必死にプレイすることになる。しかし、まわりのギャラリーからはなぜか笑いが起こる。ゲーム画面がかなりチープで、登場するライオンや鹿、サイなどの動物たちの動きがかなりぎこちない点と、必死にプレイするプレイヤーの様子とのギャップが大きいからだと思うが、確かに見ていると笑いがこみ上げてくる。ちなみに、価格はソフトとライフル銃型コントローラがセットになって152ドル。また、PCだけでなく、PS/PS2やXboxにも接続可能のようだ。ただ、ライフル銃のサイズが大きく、狭い部屋では危なくてほとんどプレイ不可能だと思うが……。

韓国のGameBoxというメーカーが発売するハンティングゲーム「DREAMGUN」。ソフトとライフル型光線銃がセットで$152 ライフルにはいろいろな種類があるようで、ブースにはこのようにたくさん展示されていた
トリガー以外に3個のボタンと十字キーが用意される。十字キーとボタンは通常のゲームパッドのものと同じ役割を持つ


■ なつかしのパワーグローブ発見!と思いきや……

 グローブのように手に装着し、指の動きでゲームを操作する、いわゆるパワーグローブ。日本でも過去に販売され話題となったが、日本では全く売れることなく早々に姿を消してしまった。そのパワーグローブをE3の会場で発見!遠巻きに、手にグローブをつけてゲームをプレイしている説明員とその横にグローブ状の展示物が見えた。まだあったのか、パワーグローブ。そう思いつつブースに近づいてみた。すると、なんだか様子がおかしい。その説明員は、グローブをした手にしっかりとパッドを握っているではないか。おかしいと思い聞いてみると、「手を守るプロテクターグローブだよ」という返事。そう、パワーグローブではなく、本当のグローブだったのだ。まあ、このグローブ自体は質感もよく柔らかく、付け心地も悪くない。パッドを使って長時間ゲームをプレイしていると、親指などがかなり痛くなるが、このグローブをつけていればそんなことも防げるだろう。ま、単なるグローブなんですが。

 ちなみに、実際には別のブースにありました、本物のパワーグローブが。4本のプラスチック状のケーブルを指に固定し、それぞれの指を曲げる角度で様々なコマンド入力ができるそうだ。ただ、やはり過去にあっという間に消え去ったパワーグローブ同様、操作には超人的な指先のコントロールと気の遠くなる鍛錬が必要になると思われるが……。

遠くから見えたのがこの展示物。遠くからだとパワーグローブにしか見えませんでした 近づいてみると、説明員の手はこんなことになってました。本当に単なるグローブ。でも、柔らかく付け心地もよく、グローブとしてはかなりいい製品。黒、赤、青、緑の4色が用意されるそうだ
こちらは別のメーカーのブースに展示されていた本物のパワーグローブ。価格は129ドルだそうだ 手に装着すると、かなりサイバーな雰囲気でクールなのだが、操作性は・・・。指を曲げる角度で異なるコマンドが入力できるようだ


■ 結構実用的なCD/DVD研磨機

 大事なゲームCDなどの表面に傷が付いて、正常に起動できなくなったといった経験はないだろうか。しかし、この製品を利用すれば、そういった問題も解決。この製品は、CDなどの表面を薄く削り、表面に付いた傷を消し去るための研磨機だ。中央に円形のヤスリがあり、その下にディスクをセット、液体の研磨剤をつけて電源を入れると、ヤスリが高速に回転し、さらにディスクもゆっくりと回転して、表面を薄く削り取る。

 ブースでは、表面に傷がついて正常に利用できなくなったPS2用ソフトを利用してデモが行なわれていたが、実際にこの研磨機で研磨することそれまで利用できなかったソフトが正常に動作していた。応用範囲も広く、ゲームディスクだけでなく、音楽CDやDVDなど、多くのディスクに対応しているそうだ。これはそこそこ実用性の高い製品だと感じた。

Digital Innovationsというメーカーのディスク研磨機「GameDoctor MD」。傷の付いたゲームディスクの表面を研磨し、傷を取って正常に動作するように磨き上げる。価格は49.98ドル 中央の丸い部分がヤスリとなる部分。底面にディスクを装着しスイッチを入れると、ヤスリの部分が高速に回転し、ディスク表面を研磨しながら傷を消す。ゲームディスクだけでなく、音楽CDやDVDなどにも利用可能

□Digital Innovationsのホームページ
http://www.digitalinnovations.com/


□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/

(2001年5月21日)

[Reported by 平澤寿康]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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