|
Electronic Entertainment Expo 2001現地レポートついに「Diablo II」を越えるRPGが登場した! |
会場:Los Angeles Convention Center
■ 注目の3DRPG「Dungeon Siege」の全貌に迫る!
まずはパーティを組んで旅するシングルプレイについて
主人公の周囲を紅色のエフェクトが包む。遺跡に照らされたライティングも細やかな色の違いを見せ、実に綺麗だ |
Dungeon Siegeは、プレーヤーが主人公を含めた8人のキャラクタを操りながら、モンスターを蹴散らし、ストーリーを進めてキャラクタの成長を楽しむというアクションRPGだ。美しい3Dグラフィックに軽快な操作性、数多くのアイテム、魅力あるダンジョンや、パーティによるエキサイティングな戦闘といったことが特徴になっている。
中央のプレーヤーキャラ、モンスターと共に、背景に写っている植物なども細かく3Dで描写されているのがわかる |
Dungeon Siegeの戦闘は、クリックひとつで攻撃をし続けるオートバトルを採用している。攻撃したい敵を選んでクリックするだけ。すると、相手が死亡するまで自動的に攻撃し続けてくれる。敵を倒すのに、死ぬほどクリックする必要はないわけだ。
自分が操るキャラクタが8人もいると、戦闘での操作はどうするのかと思うかもしれないが、リアルタイムストラテジーのように、クリック & ドラッグで味方を選択できるので、操作は非常にラク。あとは選択した状態で敵をクリックし、攻撃の指示を与えるだけだ。
同様のシステムを搭載しているゲームにInterplayの「Buldur's Gate」シリーズがあるが、こちらは戦闘中にTRPGのルールにのっとった計算処理をするために、もったりとした展開でやや緊張感に欠ける印象があるが、Dungeon Siegeの戦闘はノンストップで容赦なく進んでいくので、敵に周りを取り囲まれないように、パーティの隊列を適宜変更しながら、素早く敵を倒していかなくてはならない。パーティの隊列変更は右ボタンを押しながら左クリックで変更でき、いちいちゲームの進行が止まらず、戦闘中だというライブ感を維持しながら行動することができるのが非常に素晴らしい。
キャラクタのスキルは、
・Melee(直接攻撃。剣などの武器)
・Range(遠距離攻撃。弓矢など)
・Nature Magic(守備系魔法)
・Combat Magic(攻撃系魔法)
の4つが画面上で確認できた。これらの数値をキャラクタのレベルアップさせることで、より強い戦士へと育てていくわけだ。
武器や装備品は、アイテムによって装備したときのグラフィックが異なるので、新しいアイテムを手に入れたときは、パーティーのメンバーに付けたり外したりして、着せ替えして楽しみたくなる。
パーティプレイでは、誰がどの敵を攻撃するのか、といったことを一瞬のうちに判断して指示しなくてはならない |
実際、デモをプレイしていて印象的だったのは、どんどん敵を倒していく爽快感と、キャラクタがちょっとずつ成長する楽しさ、良い装備を得たときの嬉しさで、なかなかプレイを中断できないほど中毒性が高かった。
昔、初めてDiabloに出会って、猿のようにプレイしまくった時に感じたのと同じ危険な香りを、Dungeon Siegeはぷんぷんと漂わせている。
雪原での戦闘シーン。色とりどりの3Dエフェクトが闇夜を照らしている。手前のパーティーの動きもかなり自然でスムーズな印象 |
地形的な高低差もメリハリがあり、高い丘から草原へと一気に下ったり、一段低いとこ
ろを流れる小川を橋で渡ったり、ダンジョンの中に階段で降りていったりということが、
視覚的にも臨場感があって、ゲームに没入しやすかった。
また、画面の向きや角度、ズームインズームアウトなどは、プレーヤーが調節できるの
で、例えば、敵がいっぱい出てきたときは画面を少しズームアウトして全体の状況を見渡
し、反対に、小さな敵がぱっと出たときは、グッとカメラを寄せるという風に、戦闘に活用することもできるようだ。
モンスターやダンジョンのデザインも凝っていて、純粋に中世ヨーロッパ風の場所や敵があれば、サイバーパンクなからくり風ロボットがおそってくるようなダンジョンもあり、新しいダンジョンに入るときのドキドキ感もたまらなかった。
会場のデモでは、「このゲームは3Dの利点を活かし切っている」というMcMahon氏の断言どおり、地下深いダンジョンからエレベータでゆっくりと上昇し、シームレスに雪景色の広がる地上に到着して、そのまま外に走り出す演出には大変魅了された。
その立体的な構造、凝った世界には驚くばかりだし、ローディングなしに、シームレスに移動できるということで、ダンジョンや地上間のグラフィックの切り換えにイライラさせられることが全くないのが嬉しいところ。
また、完全3DのRPGというとすぐに行き先を見失うという印象が強いが、Dungeon Siegeのシングルプレイ用マップは、プレーヤーが先へ先へとすんなり進めるように、ある程度一本道の構成になっており、道に迷ったり、次にどこに行くかで悩む必要がない。戦闘とゲーム進行に集中できるよう工夫されているのである。
■ 全く異なる3種類のマルチプレイ
Dungeon Siegeのマルチプレイには下記の3種類があり、いずれも最大8人の仲間と、MSN Gaming Zoneなどを通じて、マルチプレイを楽しむことができる。
1、シングルプレイのシナリオを、複数のプレーヤーで一緒に遊ぶ
2、マルチプレイ専用の世界で複数のダンジョンを好きなように出入りする
3、CTF(Capture The Flag)戦などのショートゲームをプレイする
屋内の様子。屋内はちょうど屋根を取り払ったような表現になる。カウンターまわりの陰影付け方、屋外との微妙なライティングの違いなど、どこまでも写実的な表現だ |
マルチプレイ専用の世界でダンジョンを探検するタイプは、ホストがゲームを立てると、最大8人が参加できるマルチプレイ専用の世界を作ることができる。これも1と同様にMSN Gamign Zoneが対応する予定だ。
この世界は、中央に街、そのまわりを取り囲むようにダンジョンが複数用意されている。解説を担当してくれた開発者は、この世界の状態を「ワゴンホイール(WagonWheel)」と呼んでいた。
ダンジョンと街は、非常に簡単に行き来できるようになっていて、ダンジョンに潜って戦闘をし、ぱっと街に戻ってアイテムを売り、またダンジョンに潜るといった、Diablo1で多くのプレーヤーが好んだプレイを行なうことができる。
ダンジョンは、それぞれに最適レベルが異なるので、レベルの違うプレーヤー同士でも同じ世界で冒険が楽しめる。また、アイテムトレード用にゲームを建てたりする場合も、この2のワゴンホイールタイプの世界が使われるだろう。
3のショートゲームタイプのマルチプレイだが、これはさまざまなタイプのゲームが幾つか集められており、そこから好きなものを選んで対戦することになるようだ。
実際に、どんなゲームが用意されるのか、まだ未定の部分が多いようだが、キャプチャー・ザ・フラッグや、デスマッチなど、まるでFPSのような対戦用のゲームが用意される予定だという。
■ MOD開発ツールを配布予定!
マルチプレイ部分担当の開発者から聞いた情報では、製品の発売と同時にMOD開発ツールをインターネット上で配布する予定とのこと。かなり本格的な内容で、これを使ってUltima 5をリメイクしたいなどという冗談も出るほどだという。
ファンサイトからはすでに、「こんなオブジェクトがほしいな」といったリクエストが寄せられており、開発陣もそういったファンの声を大事にしていくつもりだという。マルチプレイについての解説をしてくれたGAS POWERED GAMESの担当氏によれば「日本の方からのリクエストも大歓迎です」とのことだ。
【スクリーンショット】 | ||
---|---|---|
(2001年5月20日)
[Reported by 西尾ゆき]
|
GAME Watchホームページ |