Electronic Entertainment Expo 2001現地レポート

あの“ハリー・ポッター”がゲームになった!
「Harry Potter and the Philosopher's Stone」

会期:5月17日~19日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

■ 世界で9000万部を売ったベストセラーがゲームに!

 あのハリー・ポッターがゲームになった! シリーズ第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」をベースに、プレイヤーがハリーとなってホグワーツの中などを冒険する、ポッターファンにはたまらないシングルプレイのアクションアドベンチャーがElectronic Artsより発表された。

 「ハリー・ポッター」シリーズは、イギリスでうまれたベストセラー小説で、ある日、突然、自分が魔法使いだと知らされた少年ハリー・ポッターが、魔法学校ホグワーツに入学し、自分の両親を殺した悪の魔法使いの影を感じながら、出会った秘密を解き明かしていくという冒険味あふれるストーリーだ。
 ハリーの影のある生い立ち(両親を殺され叔父の家で暮らしていた)や誠実で少年らしい性格が読む者の共感を呼び、魔法学校でのワクワクするような生活と、リアリティがあるのに奇天烈な魔法世界が、非常に魅力的な児童文学なのである。
 ちなみに同シリーズは世界中で人気を集めたため(*注1)、今年秋をメドに映画も撮影されているのだが(*注2)、このたびさらにゲーム化までされることになった。ゲーム画面を見る限りでは、映画版の俳優たちに似せてキャラクター作成が行われているようだ。

ホグワーツ風にしつらえられた展示場所では、ハリーとハグリットの人形が飾られ、映画版の映像が流されていた
 今回、EAより発表された「Harry Potter and the Philosopher's Stone」は、「トゥームレイダー」シリーズのような、3人称視点のアクションアドベンチャーで、魔法学校などを探検しながらストーリーが進んでいく。
 プレイヤーは主人公のハリー・ポッターとなって、魔法学校ホグワーツの授業に出席して魔法を習ったり、不思議な学校内を探検したり、魔法のホウキに乗って行なうスポーツ「クィディッチ」を学んだりと大忙し。
 ハリーは、ゲーム中に呪文の巻物を手に入れることで、いろいろな魔法を習得でき、物を浮かせたり、鍵を開けたりといった呪文を唱えることができる。これらの魔法を使って隠された通路を発見したり、出会った謎を解き明かしながら、ストーリーを進めていくのだ。

 E3の会場にあったプレイアブル・デモでは、疾走するトロッコらしきものに乗った場面や、魔法の箒に乗ってものすごい勢いで進んでいくスピード感あふれるシーンも確認でき、原作を知らない人でも、あっと吸い込まれるようなゲーム性と楽しげな雰囲気を持っていた。
 ゲーム内のホグワーツ校は、イギリスの古いお城といった風情で、壁にかかったしゃべる肖像がパカッと開いて新しい通路が出現したり、隠された小部屋なども現れていた。謎解きアドベンチャーとしてのウェイトも大きいようなので、探索のしがいがありそう。
 また、学校の授業シーンでは、室内にあるオブジェクト全てに、時間内に魔法をかけて浮かすといったものもあり、プレイヤーをボヤボヤさせない工夫もしている。

美しいグラフィックスがゲームの雰囲気をもり立てている
 デモでは、ロンとウィーズリー家の双子や、ダンブルドア校長、ハーマイオニといった原作での主な登場人物たちを次々と見ることができた。
 デモを試していると、プレイヤー本人も、それを取り囲むギャラリーも「あ、ウィーズリー家のセーターを着ている! Fの字がついているぞ!」「あああ、ハーマイオニーが教室に座ってる!」といった叫びが上がり、大騒ぎに。原作ファンをたちまち魅了する内容とクオリティだということが証明されていた。また、白ふくろうが次にやるべきことがふくろう便で指示されたり、廊下を猫や幽霊が横切ったり、バーティ・ボッツの百味ビーンズなどなどが登場したりと、にやりとさせられる部分が多いのも印象的だった。乾いたユーモアが感じられる原作の雰囲気を実に上手く活かしている。

 ゲームの制作は、ハリー・ポッターの生地イギリスのEAスタジオなので、一種、ドミトリー小説の趣きもあるシリーズの舞台ホグワーツを、上手に再現しており、加えて原作者であるJ.K.ロリングが全面的に監修しているということで、原作の雰囲気の良さを壊さない、ポッターファンには非常に味わいのある内容となっている。
 なお、このHarry Potter and the Philosopher's Stoneは、PCとPSでアクションアドベンチャーがでるほか、ゲームボーイアドバンスドでアクションパズルが、ゲームボーイカラーではRPGといった内容で発売される。
 日本でのPC版の発売は2001年12月予定なので、6月に発売される原作日本語版の最新作「ハリーポッターとアズカバンの囚人」を読みながら、楽しみに待っていよう。

*注1:35カ国後に翻訳され、発売は9000万部を超えた。また、日本では静山社から発売された第1作「ハリーポッターと賢者の石」が170万部、第2作「ハリーポッターと秘密の部屋」が120万部を発売している

*注2:日本では2002年12月1日にワーナーブラザース配給

(c) 2001 Electronic Arts Inc. All rights reserved. All trademarks are the property of their respective owners.

□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/

(2001年5月18日)

[Reported by 西尾ゆき]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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